3月号画像
A5判・186頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2011年3月号の主な内容 (No.148)

[今月号の特集]

全住職必読! 亡くなった者に戒名を授けるのは不当か…鈴木隆泰(山口県立大学大学院教授)
葬式仏教にとって戒名・法名・法号の問題は深刻だ。「死んだ者に戒名なんて必要ない。戒名自体も正統な仏教にはない」と言われたことはないか。これに真正面からどう答えられるか、迫真の結論。


主要宗派に聞く 過疎窮乏に苦しむ寺院に宗門はどんな対策をしているか
年収が300万円にも満たない寺院があり、「子供にお寺を継げとはいえない」と吐露する住職がいる。これでは寺院を維持することもままならない。これに各宗門はどのような対策を考えているのか。伝統仏教界主要宗派の取り組みを調査取材した。



総特集 あの気になるお寺の裁判はどうなったのか!?
住職が裁判に巻き込まれると、「お寺なのに」と訝しく思うかもしれない。だが取材すると「お寺だから争いになった」と知ることも多い。では、判決で事態は好転するのか。注目すべき4つの事件の「その後」。
①長野県・天台宗善光寺大勧進貫主の退陣要求を司直は認めたか
②全檀家に文書と掲示板で離檀通告された総代が住職を提訴したその後
③霊園経営で開発業者や石材店17社と争って勝訴した住職兄弟さらなる疑心確執
④町内会に貸した寺有地について本堂修復のために契約更新を断った裁判の判決



スクープされた曹洞宗岩手選挙区で起きた金品授受と買収疑惑
「曹洞宗の住職が宗議選で金品をばらまいている」――。1月30日付『河北新報』はこう報じた。渦中の住職は「個人にではなく本尊にお供えする慣例に倣った」と釈明。宗門はどう答えたか。



死を前にした仏教の真価 老病死を生きる ②病を生きる
死にいたる病にこそ生かされる新たな道…吉元信行(大谷大学名誉教授・真宗大谷派寺院住職)
今日、病院では本人にも余命を告知するようになった。それだけターミナルケアの問題が住職にも提起されている。その時、いかにすればよいか。



韓国の庶民の信仰を支えてきた経文の世界 …伊藤亜人(東京大学名誉教授・文化人類学)
日本に一番近い国、韓国の庶民がどんな信仰を持ち、宗教者はどのような儀礼で応えているのか。存外知られていない。韓国研究の第一人者が語るその営み。(弊社新刊・張籌根著『韓国の民間信仰』を評価する)



平成21年6月に152万円だった葬儀平均額が平成22年10月には145万円に下落した。これはイオンの葬儀業参入の影響なのか!? …石田佳宏(大和証券)



亡き人を称揚する感動葬儀のススメ
葬儀で導師が亡き人に読む文章は宗派によって、引導法語、歎徳文、諷誦文などさまざまだが、心を込めて作れば必ず感動を呼ぶ。静岡県・曹洞宗真如寺、東京都・天台宗天王寺、神奈川県・高野山真言宗寺院の住職の故人に語りかける葬儀の実際を紹介。



消えゆくネパールの経典を守り続ける住職の稀な道心
ネパールに渡った一人の若者がネパール仏教に目覚め、5000点にも上る仏教経典の写本を4万5000コマのマイクロフィルムに保存した。内外にわたり仏教隆盛に心血を注ぐ愛知県・曹洞宗徳林寺の高岡秀暢住職の奮闘をルポルタージュ。



[徹底取材]
文化財指定は寺院にどんな利害得失があるか
市町村合併で文化財が指定解除になる例があるという。なぜこんなことがおきるのか。寺院の宝物に対する文化行政の実情と問題を取材した。


お経や法話に集中できる本堂の椅子を選ぶ
正坐の苦手な人向けに、本堂に椅子を置くお寺が増えている。だが本当にその椅子は檀家や高齢の寺族にも使いやすいのだろうか。住職はじめ身体心理学研究者、業者による椅子選びのチェックポイント。


青年会よ! 何でもやろう何でも言おう(第10回)
 浄土真宗本願寺派高岡教区寺族青年会「鸞翔会」




[寺院・住職に直言提言]
カール・ベッカー (宗教学者) … 「日本仏教の歴史から垣間見る現代的役割」
久田恵 (ノンフィクション作家) … 「謎の祖父、謎の父」




[ショートルポ]
浄土門主を被告にした住職地位訴訟判決/臨済宗一休寺ナショナルトラストの反響/曹洞宗寺族による仏教讃歌コーラスグループの心/北海道砂川市の政教分離差し戻し審判決


 [好評連載]

 今にいたる中世の寺院 僧侶や在家その実像
 「自ら戒律を求める僧侶が現れた中世」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 今こそすべき現代葬儀詳細分析論
 「通夜とは添い寝をすることだった」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 創価学会解体新書
 「『聖教新聞』はなにゆえ毎日“勝利”を連呼せねばならないのか」
  丸山照雄
(宗教評論家)


 仏教ことわざよもやま漫歩
 「慈父の恩、悲母の恩」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗寺院住職)


 住職・寺族のための医心仏心
 「飲酒によりガンの死亡率は上がるか」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 日本仏教実践思想論
 「明治維新後の仏教に何が起きたのか」
  島薗進
(東京大学教授・日本宗教学会会長)


 つっぱり和尚骨山日記
 
 「『一人でも落成式やりますッ』と全く想定外の檀家たちに激情爆発の和尚でした」
  髙橋芳照
(高野山真言宗寺院住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記
 「大般若会を始めた本当の心は後継者のためでした」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 我他彼此二仏中間
 「やっと大事なことに目が向きはじめたのかもしれない」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 色即是空の科学事始め
 「アポトーシスって何? 死と生を細胞の営みに学ぼう」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 寺の庭づくり
 「サクラの花を愛でる」
  白井昇
(日本造園組合連合会理事長)


 住職のための今月のことば
 「イスラム」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 68億人の宗教トレンド
 「国際社会に祝福されるスーダン南部の人々が独立を選んだ意味」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 秘められた祈りの形講座
 「トイレの神様に必ず咳払いをしなければならないわけ」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 税金相談 … 実藤秀志(公認会計士・税理士)
 質問1 急逝した住職の確定申告を息子の私がする義務はありますか
 質問2 本堂の新築に懸命な職人たちに寸志や祝儀をあげたら税務はどうなりますか


 法律相談 … 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
 質問1 本堂修復の寄付を募ったら檀家に寺の全帳簿を見たいと要求されたのですが
 質問2 老後の面倒を条件に孫夫婦に土地建物をあげたのに逆に追い出されそうなのですがどうしたらよいですか


 寺院諸施設建築施工ファイル
  愛知県・高野山真言宗金剛寺の建築ファイル


[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「ユング名言集」


 在俗の説法者 第104回 「人生に定年はない」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か 第8回 「自分の弱み」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座 第19回 「呪文が解ける時」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門 第107回 「戒を守らせる方便」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第95回 「なぜ二度葬るのか―『宇治拾遺物語』に見る―」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第148回
  峯岸正典 (曹洞宗寺院住職)



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