5月号画像
A5判・188頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2011年5月号の主な内容 (No.150)

[今月号の特集]

東日本大震災現地ルポ続報 悲しみのわが身を捨てて他の被災者を癒す住職と寺族あり
境内地を土葬の場所に提供した寺院、避難所となった本堂で被災者と共に悲しみを分かち合う住職、商店街と共に炊き出しを行うお寺など、被災地には自らの悲しみを捨てても他を救うことに懸命な僧侶たちの姿があった。東日本大震災で被災した寺院の現実を報告しよう。主な被災寺院マップも掲載。


実態調査 震災直後に現地に飛んだ建築専門家が見聞したマグニチュード9の伽藍震災分析に学ぼう
震源地から数百キロ離れているのに全壊したお寺があり、津波に襲われた地域なのに無事だったお寺がある。被害の大小を分けたものは何だったのか、次なる大地震に備えるにはどうすればよいか。観測史上最大規模の大地震に建築専門家が伽藍震災の実態を緊急分析する。



これからの寺院運営実効的対策 跡継ぎのいない檀家の死後のためにどんな善い対応ができるか
跡継ぎのいない檀家が増えているが、家が断絶した後のお墓の処分までお考えのご住職は少ないのではないか。これからの寺院運営と檀家の死後の安心のために、実効的な対策はあるのか。永代供養を行う4カ寺の実例、今すぐ使える法律専門家によるトラブル回避の規程案「墓地特別祭祀承継規程」を紹介する



墓地難民問題 菩提寺の移転失敗で近隣寺院にお墓と共に身を寄せた檀家が被害者の会を結成した訳
とんでもない事態が起きていた。東京都内の浄土宗寺院が約20年前に移転を考えたのだが、バブル崩壊で計画が頓挫し、事実上消滅してしまった。檀家約200軒はやむなく近隣寺院に墓地ごと身を寄せたが、昨年とうとう立ち退きを要求される事態になったのだ。困惑した檀家の一部は「被害者の会」さえ結成した。果たして責任は誰にあるのか。



事件取材 会員約5千人の日本有数の右翼結社を訴えた寺院の窮状と不可解な争訟の真相
何ともきな臭い。右翼相手にお寺が土地明け渡し裁判を挑んでいる。被告は日本有数の右翼結社・日本青年社、原告は都内の西山浄土宗寺院で霊園の永代使用契約に関わる裁判だ。ところが蓋を開ければ指定暴力団の名前が出てきたり、宗教法人売買が公然と行われていた。しかもお寺は日本青年社から逆に詐欺罪で刑事告訴されているのだ。何が起きているのか。



税金訴訟 30万坪の超巨大霊園はどうして3億円超もの課税をされたのか
寺院の霊園事業は非課税というのは常識だ。しかし、国税局の攻勢なのか、霊園に課税されてしまった北海道有数の大刹がある。お寺は「違法な課税だ」と国を訴え裁判が進行中なのだが、そもそもどうして課税されてしまったのか。



寺院のバリアフリー 目や耳の不自由な人が安心してお参りできるお寺になろう
車椅子でもお参りしやすいお寺は増えているが、目や耳の不自由な人たちへの配慮は進んでいるだろうか。視聴覚障害を持つ人にどうすれば優しいお寺になれるかを全盲の真宗大谷派の僧侶・田口弘願師などに尋ねた。また、実際に工夫しているお寺にもノウハウを取材した。



住職ルポ 妻がチェルノブイリで被曝した住職の粉骨砕身と怒り
チェルノブイリ原発の事故で被曝したウクライナ人を妻にした住職がいると聞き、早速お寺を訪ねた。神奈川県横浜市の本門佛立宗妙深寺だ。住職は東日本大震災の被災地にもう4度も自らトラックで飛んでいっていた。その道心溢れる実践とは。



住職のアピール 原発は「反いのちだ」 人はどこへ向かって歩いているのだろう…永江雅俊(浄土真宗本願寺派天寧寺住職)
チェルノブイリ原発で被曝した子供たちを毎年1カ月、自坊に招いて放射能汚染の除去に尽力している住職がいる。その、北海道旭川市の浄土真宗本願寺派天寧寺の永江雅俊住職の切なる訴えに耳を傾けよう。



チベット亡命政府にどんな異変があったのか(1)…小林秀英(チベット問題を考える会代表)
インドにあるチベット亡命政府に大きな動きがあった。中国から亡命してきたカルマパ17世が中国のスパイだという噂に始まり、ダライ・ラマ14世が引退を表明するなどがその現れだ。一体いま、亡命政府はいかなる状態にあるのか。



[寺院・住職に直言提言]
岸朝子 (食生活ジャーナリスト) … 「死んでからも同じ雲にのれるように」
小栗康平 (映画監督) … 「テレビを見ているだけの自分…」




[ショートルポ]
三井寺が京都市民の生活用水をめぐって市を提訴した訳/原爆死した子の紙芝居を自作自演する日蓮宗の若き尼僧あり/若者に超人気の小池龍之介住職が宗派離脱したのはなぜ?

青年会よ! 何でもやろう! 何でも言おう!
第12回/真宗大谷派仙台教区仏教青年会



 [好評連載]

 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論
 「無縁社会から回帰すべき有縁社会とは一体何か」
  奈良康明
(東方研究会常務理事)


 最新版仏教文化基礎講座 はじめての人に仏教を説くために
 「父王の悩みと王子シッダールタの悩み」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院 僧侶や在家その実像
 「比叡山回峰行は戒律復興運動だった」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 本当の創価学会問題
 「元公明党委員長が脱会した訳と言論活動をやめた訳」
  段勲
(ジャーナリスト)


 日本仏教実践思想論
 「戦後発展した新宗教が目指したもの」
  島薗進
(東京大学教授・日本宗教学会会長)


 今こそすべき現代葬儀詳細分析論
 「なぜ通夜念仏を6日もするのか」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 秘められた祈りの形講座
 「天変地異に祈りの仏法はいかに」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 仏教ことわざよもやま漫歩
 「色即是空」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗寺院住職)


 住職・寺族のための医心仏心
 「人はなぜ甘い物を食べたがるのか!?」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 つっぱり和尚骨山日記
 
 「『がんばろう!日本』なんておこがましいですが、それなりに地震をもらいました」
  髙橋芳照
(高野山真言宗寺院住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記
 「海岸から300メートルもないところにあるお寺だから…」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 色即是空の科学事始め
 「カイコが紡ぎ出す新しい可能性」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 我他彼此二仏中間
 「今こそ世界に類を見ない理想の未来社会を志そう」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 寺の庭づくり
 「針葉樹の上手な育成 スギやヒノキやコウヤマキ」
  白井昇
(日本造園組合連合会理事長)


 住職のための今月のことば
 「もろさのわけ」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 68億人の宗教トレンド
 「世界遺産をめぐりカンボジアとタイの銃撃戦を展開した因縁」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 税金相談(震災Q&A特集)… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問 大震災で伽藍や貸地に大きな被害をうけたが税制上の特例はありますか


 法律相談(震災大特集)… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 身元不明の遺体が土葬され、安否不明檀家がいる住職に何ができますか
  質問2 激震で墓や納骨堂が壊れ貸地も被害が出たが寺に修復義務はありますか


 寺院諸施設建築施工ファイル
  静岡県・臨済宗妙心寺派東向寺の最新ファイル


[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「今も生きているガンディーの考え方に学ぼう」


 在俗の説法者 第106回 「行かねばならない」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か 第10回 「身と心は一つならず」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座 第21回 「大震災に寄せて」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門 第109回 「大乗仏教の始まり方」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第97回 「往生伝と葬儀の関係」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第150回
  峯岸正典 (曹洞宗寺院住職)



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