8月号画像
A5判・190頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2012年8月号の主な内容 (No.165)

[今月号の特集]

被災者にとってまず第一に復興したいのはお墓だった
東日本大震災の被害が甚大な地域に対して、行政は土地利用を制限している。だが流された墓地は今どうなっているのか。悲しみに打ちひしがれる被災者も早急にお骨を安置したいはずだ。名取市閖上の曹洞宗東禅寺、真言宗智山派観音寺・持法院、岩沼市の曹洞宗法円寺、福島県相馬市の真言宗豊山派摂取院、新地町の曹洞宗竜昌寺の現状をルポルタージュ。


前代未聞? 住職が自らの死亡退職金を求めて自坊を訴えた裁判
関東地方の浄土宗寺院の現職住職が、自分のお寺に退職金請求訴訟を起こした。その額、死亡弔慰金を合わせて計約1億2200万円にのぼる。超高齢化時代、後継者にお寺を譲った後の長い人生を考えると、どこにでもあり得る問題なのか。しかし、住職の退職金とは何か。



文化財指定行政の謎…尊像が国宝から重文に格下げさせられたのはなぜか?
山門掲示板やパンフレットに「国宝本尊」とあるのに、実際は重要文化財というお寺がけっこうある。「国宝に戻してほしい」と運動する住職もいて、納得していないお寺も多い。なぜ、いつからそうなったのか。あまり知られていない問題に光をあてた。



宗教法人法のために被災寺院が解散させられる!?
来年3月までに本堂等を再建できない寺院は当局に解散を求められるのか。滅失後、2年以上礼拝施設のない宗教法人は解散を命じられると宗教法人法にあるからだ。だとすれば被災寺院の大半はその危機にあるということか。文化庁、岩手県、宮城県、福島県等に取材した。



「托鉢禁止」の声が寺から聞こえてくる訳
「辻立ちは迷惑です。ご遠慮ください」「境内での托鉢を禁止します」。 門前にこんな看板を掲げねばならない事態に陥っているお寺(東京・曹洞宗高岩寺、四国八十八ヶ所霊場)がある。寺が托鉢を規制する? 一体なぜなのか。



宗教者は警察官の境内立ち入りを拒めるか
警官が住職に無断でお寺に入り檀信徒に職務質問を始めたらどうするか。これと同じ状況の事件が先ごろ神奈川県のカトリック貝塚教会で起き、司祭は「信教の自由の侵害だ」と所轄署に抗議を行った。この事例は住職の警察対応にも大きくかかわる。



原発に頼らぬ社会にするために 今すぐできる節電方法を実践する住職に学ぶ
原発に頼らない社会にしたいと願う住職は多い。その第一歩が節電だ。電力消費量の増える夏はもちろん、全国のお寺で日頃から節電に努めたい。節電に力を入れている住職からその実践を学ぼう。専門家に効果的な節電方法も聞いた。



寺檀対立にめげず托鉢行脚で鐘楼を建立し寺院活性化する住職
檀家が鐘を寄進してくれたが、鐘楼建立の資金まではない。この鐘をめぐり役員と対立も起きてしまった。そこで、栃木県さくら市の真言宗智山派東輪寺の人見照雄住職は還暦すぎてなお托鉢行脚による資金集めを決意。4年半必死に歩いて3200人超から浄財を集め、見事成し遂げた。



せめて夏休みだけでもお寺で子供を放射能から守りたい
放射線量が低い場所でも依然、子供には安心できない日が続く。なんとかできないか。子供らが待ちに待った夏休み、せめてその時だけでもと子供たちの保養に協力する寺院が増えている。仏の子らのため仏教界あげて取り組みたい。



天皇陛下が火葬を望んだのは伝統に反することなのか…小田部雄次(静岡福祉大学教授)
4月の宮内庁長官の会見によると、天皇、皇后両陛下は自らの陵墓はできるだけ簡素なものとし、葬送も土葬ではなく火葬が望ましいと仰せになられたという。これをいかに受け止めるべきか。



在宅ホスピスケアの現場で考えてきたこと(1)…岡部健(東北大学医学部臨床教授・医療法人社団爽秋会理事長)
8割以上の人が病院で最期を迎える今になって、これでいいのかという声があがり始めている。自宅で最期を迎えたいと願う患者を支え続けている専門医の貴重な報告を2回にわたりお届けしよう。大震災を経験した今こそ宗教者の助けがいると訴える。



第2回「宗教文化士」認定試験の全問題と解答
若者に宗教の素養を高めてほしいと発足した、宗教の基礎知識を問う新資格「宗教文化士」の第2回認定試験が先ごろ行われた。その全問題と解答を15頁にわたって一挙掲載。



[寺院・住職に直言提言]
小沢信男 (作家) … 「三千世界と坂本龍馬」
黒田杏子 (俳人) … 「巡拝吟行に徹す」




[ショートルポ]
● 尊像の盗難続出で外務省が世界約120カ国に指名手配中 ● 寺号の無断使用で奈良・東大寺が有料老人ホームを提訴した訳 ● 宗派を超えて30カ寺が集まった僧侶派遣組織「お寺さんの会」とは何か ● 意識調査で分かった東日本大震災以後の宗教への関心度





 [好評連載]

 今なお寺院をとりまく法律的暗雲〔6〕
 
「境内地や墓地を寺に返すという策略――国有土地森林原野下戻法の本質」…池谷四郎


 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔17〕
 「葬祭は仏教ではないという意見にいかに答えるか」
  奈良康明
(仏教学術振興会理事長・駒澤大学名誉教授)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔17〕
 「ブッダはいかにしてブッダと成ったと自ら公言し得たか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔96〕
 「農山村の災害復興に寺院僧侶が為した史実」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 今こそすべき現代葬儀詳細分析論〔41〕
 「昭和初期の大阪の祭壇で分かること」

  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 秘められた祈りの形講座〔91〕
 「お寺が発祥の地ともされる招き猫、御利益最新情報と」

  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔20〕
 「信は菩提の源、功徳の母」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 つっぱり和尚骨山日記〔164〕
 
 「『はなはだ勝手ですが、本年から棚経はやめます』宣言に役員の反応はいかに!?」
  橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔118〕
 「法事の施主が認知症を患っていたらどうなるの?」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔8〕
 「戒名をつける際に欠かせない漢字の話」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔11〕
 「カント著『永遠平和のために』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔75〕
 「統計結果に隠されていること」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 我他彼此二仏中間
 「喉元すぎればまた『欲望社会』に戻ってしまうのか!?」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「総罪人社会」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔28〕
 「エジプト大統領選で勝ったのにムスリム団が軍に権力を奪われた訳」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 橋口玲(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 長期療養で代表役員代務者が必要だが職務の全権など与えたくない
  質問2 子供は裕福なのに親が生活保護を受けているなんて法律的に問題か


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 所得税の「予定納税」期間が過ぎたが住職が入院で納めるお金もない
  質問2 お寺の資産運用のために国債を買いたいが税金や安全性はどうか





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 新連載 いまどきマンガ説法 「韋駄天」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)


 お説教のタネ本「大震災の哀しみと無念を明日のため句に刻む」


 在俗の説法者〔121〕 「忘れられない一言」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か〔25〕 「『ごめんなさい』の心(上)」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔36〕 「気持ちを鎮める」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔124〕 「中国で生まれた浄土―中国仏教から日本仏教へ」
  多田孝正
(天台学会会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔112〕 「実朝の首なし葬儀」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔165〕
 
「この文字では表せないほどの人生があなたにはあった(沖縄県立首里高校・金城美奈)
  田中治郎
(みち書房代表)



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