5月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2015年5月号の主な内容 (Vol.490)

[今月号の特集]

境内地の巨額公共収用金が元で寺族も檀家も分裂してしまった真相
愛知県豊田市の臨済宗妙心寺派寺院では庫裡の建つ境内地が国道の拡張工事にかかり巨額補償金を手にした。当然に住職は庫裡再建を計画したが「寺は檀家のもの」と檀家の反対に遭い計画は頓挫。その後、庫裡は完成したが、住職は死去した。新たに入った新住職は前住職夫人とその子である元副住職に対して寺からの退去を求めて提訴。対して寺族らは退職金を求めるなど檀家を巻き込む裁判に発展してしまった。問題の背景にある真相は何か。


奈良の名刹で長年、無許可墓地が放置され塔頭3カ寺を巻き込む事態になったのは誰の罪か
奈良・当麻寺の塔頭、念佛院はなんと20年以上前から、そして今も無許可のまま墓地を堂々と販売しているという。その被害は広がるばかりだが、なぜ法律に定めた許可申請を行わないのか。なにより、墓地の許認可を与える行政はこの間、何をしていたのか。問題の所在を取材した。



お寺の子供は宗門大学への入学を必須とすべきか? 仏教系11大学が問われる使命の重さと中身
宗門大学11校(大正大学、高野山大学、種智院大学、佛教大学、龍谷大学、大谷大学、花園大学、駒澤大学、愛知学院大学、立正大学、身延山大学)は未来の僧侶のために本当に必要なのか。取材して分かったのは、いずれも寺院子弟にぜひ来てほしいという熱意と、十分なコースを用意していることだった。なかには「うちの大学では、帯の結び方から足袋の履き方まで教える!」という手あつい大学まであった。しかしその入学実績は?



カウンセラー報告〔3〕僧侶であることの危機を乗り越えて…富田富士也(教育・心理カウンセラー)
お寺の姑と嫁そして夫婦の関係から先代夫人も息子の住職も孤立したのはなぜか

寺族が危ない!? 長年お寺の奥さんとして生きてきたが、新たにやってきた息子の嫁との関係が険悪になってしまった姑。宗教家らしくありたいと父の後を継いだものの家族の中で孤立してしまう住職。その背景にあるのはお寺という「権威」だった。一人の人間としての住職夫人、住職、寺族、それぞれの心の葛藤を分析する。



新連載 5年目の3・11に寄せて〔1〕原発事故被災寺院と東電の賠償交渉から見えてきたこと…伏見英俊(智山伝法院非常勤講師)
東電は本気で寺院の被害を弁償する気があったのか

原発事故という未曾有の被害に今も曝されている寺院の本当の苦悩と実情は、当事者でなければ分からない。けれども、4年にわたる損害賠償の困難な歩みを見ることで、何が問題であるかを知ることはできるだろう。宗派を超えた「有志の会」と「対策の会」の、東京電力との交渉の記録を追う。



なぜ豊かな日本なのに子どもの多くが貧困の中にあるのか!?…山野良一(千葉明徳短期大学教授)
日本の子どもたちの貧困率が過去最悪だという。世界と比較しても信じられないほど悪い状況だ。社会を映す鏡であり将来を担う子どもらの現実は、寺院にとっても深刻な影響を及ぼすだろう。果たしてそこに、打開策はあるのか。この問題の第一人者である筆者の問題提起により、子どもの貧困が突きつける日本の課題が見えてくる。



地元新聞記者の寺院現況リポート〔2〕
過疎のお寺はいまどうなっているか 人が減ったと嘆く前に檀信徒のためにお寺しかできないことがある…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

過疎だから、檀家が減ってしまったからしかたがないと嘆くだけで、何もしなければお寺はますます疲弊してしまう。それではいけないと、中国地方では教区の住職らが一丸となって立ち上がり、様々な方法で各寺を支援している。その「起死回生の一手」に、檀信徒の感謝の声が多く集まっているというのだ。地元記者だからこそ知る、過疎地にある寺院の可能性を問う。



人口減少社会に宗教は、寺院は、どうなるのか〔4〕…川又俊則(鈴鹿短期大学教授)
過疎にめげずに地域との繋がりを求める寺院の奮闘

人口が減り続ける地域ゆえに山門を閉めざるを得ない例もあるが、お寺にしかできない実践で地域との繋がりを模索している住職や夫人たちがいることを、決して忘れてはならない。過酷な環境、いやそれだからこそ奮闘する姿に、宗教の普遍性さえ感ずる。その実践のいまを伝える。



世界の人々が討議した宗教者の防災行動のすすめ―第3回「国連防災世界会議」に参加して…稲場圭信(大阪大学大学院准教授)
この3月、国連主催で国際的な防災戦略について議論する会議「国連防災世界会議」が仙台市で行われ、世界187カ国、5日間で延べ15万人が参加した。本会議では、人類が共通して直面する自然災害に対して、宗教者がとるべき行動指針が提言されている。提言文から見える、宗教者の役割とは何か。



行政の認可なしでもお寺で仏の子を育てる保育ができる
保育行政が転換期を迎えた。この4月から「子ども子育て支援制度」が開始され、小規模保育にがぜん脚光が集まっているのだ。では新制度はどんな仕組みでお寺はどんな保育ができるのか。「認可外保育所」を営む富山県の真宗大谷派真教寺、京都市のNPO法人和、認証保育園を持つ大阪市の浄土宗光聖寺にその実践を聞いた。




道に迷った若者が在家から仏門に良師を得て荒れ寺を興すまでに至ったすごい精進一路
悩んだら仏に聞けばいいと断言する住職がいる。静岡県沼津市、臨済宗妙心寺派長興寺の松下宗柏住職だ。住職本人の半生がそうだった。若くして人生に迷い、在家から叩いた仏門の老師2人に救われ、請われて入った荒れ寺を30年かけて着々と復興した今に学ぶ。




10大宗派が掲げる布教スローガンで宗門は誰に何をアピールしたいのか?
短い言葉で人の心をとらえる。それが優れたキャッチフレーズだ。これは宗教の伝道にもいえる。実際にどの宗門も布教標語やスローガンやテーマを掲げている。寺院数の多い主要10宗派にその実際と工夫を取材した。




住職も知るべき認知症との向き合い方〔5〕…杉山孝博(公益社団法人「認知症の人と家族の会」副代表理事/川崎幸クリニック院長)
「認知症になっても自動車を運転したいという高齢者の思いを理解しながらも、上手に運転をやめさせる方法を提言する」




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【曹洞宗】岩手県の正法寺専門僧堂で起こった暴行事件の謝罪と和解と被害者僧侶の師父の話
【天台宗】「一隅を照らす運動」の発足50周年に向けて目指すこと
【日蓮宗】 各寺の青年檀信徒リーダーを宗派で育てるという画期的な研修会ルポ




[寺院・住職に直言提言]
小山内美江子 (脚本家) … 「仏前結婚のあと」
岩井俊二 (映画監督/脚本家) … 「照道の地蔵」




[ショートルポ]
●真言宗智山派寺院で起きたマンション立ち退き訴訟の事情●公立博物館における曹洞宗寺院の過去帳掲載問題〜山形市も国会図書館も過去帳の閲覧禁止を知らないというひどい現実●道路交通法改正で注目される六地蔵ラウンドアバウトとは何か





 [好評連載]

 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔49〕
 「原典に学ぶ阿闍世王子の父王殺害計画の本当の顛末」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 秘められた祈りの形講座〔114〕
 「高野山開創伝説から今にも知らしむべき信仰と習俗」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔129〕
「僧侶が信者に送る巻数(実施報告書)によって天皇と僧侶の関係が分かる訳」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔11〕
 「寺院本末制を幕府が各宗に強制した目的と寺院側の対応とは」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!?〔20〕
 「孤独死や孤立死の防止に寺院はどう関われるか」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 本当の創価学会問題〔46〕
「国立戒壇を建て日本の最高権力者となろうとした創価学会会長が実現しようとした野望と挫折」
  段勲 (ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔151〕
 「幼稚園と保育園が一つになったうちのお寺のこども園の新たな第一歩」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔11〕
 「これからのお墓を考える」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔19〕
 「日本人と現代仏教の位相(19)――自死遺族に向き合う」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 70億人の宗教トレンド〔60〕
 「超過激なイスラム国で困惑しているイスラムの民の信仰と生活」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔41〕
 「わたしは地獄へ行きますかと聞かれて……」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔108〕
 「戦争する国になっていいか――「『安全保障』という言葉が溢れているけれど……」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 古今東西名著万巻のススメ〔39〕
 「峰島旭雄著『法然から親鸞へ、親鸞から法然へ』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔53〕
 「心を師とするなかれ」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「八紘一宇」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 平松和也(弁護士)・ 本間久雄(弁護士)
質問1 お寺の客殿で住職の妻が介助した高齢参詣者が転倒、骨折したが、お寺や妻に責任はあるか
質問2 一人暮らしの長寿檀家が孤独死した際に法律上、菩提寺ができることは何か


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 高齢の住職が子や孫や親戚に「一括贈与」する際の税制上有利な方法
質問2 境内の一画で駐車場を営んでいますが、この4月からの税制改正でどうなりますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「今は昔か!? 吉田松陰が妹らに説いた女子の道」


 在俗の説法者〔154〕 「戦場のほとけさま」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔58〕 「世間体にこだわる」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔69〕 「崖の上のポニョ」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 仏教儀礼入門〔157〕 「仏教儀礼研究の現状(完結)」
  多田孝正
(天台学会元会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔145〕 「各宗派の故人を送る文――日蓮宗の引導文(2)」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔197〕 「今日、世界が変わる」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


 いまどきマンガ説法〔34〕 「パンダ菩薩」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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