3月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
―通巻500号―
2016年3月号の主な内容 (Vol.500)

[今月号の特集]

巨額追徴課税で判明した老齢住職の寺院資産が狙われている現実
耳を疑う事件だが、決して他人事とは思えない。名古屋市の曹洞宗寺院では91歳の住職の介護をしていた女性が1億5000万円ものお寺のお金を自身の懐に入れていたことが発覚した。しかも、それは宗教法人法違反と給与の源泉徴収漏れだという。はたして老齢住職狙われていたのか。


衝撃のリポート!寺院が生活保護費を受給する貧困者から受給金を搾取していたとは本当か
昨年12月、「宗教法人が貧困ビジネス条例で行政処分」とNHKが報道した。東京都足立区の寺院(宗教法人)が埼玉県さいたま市岩槻区で生活保護者の入居施設を運営し、条例に抵触したというのだ。報道は本当なのか。施設を運営する寺院と生活保護者、さらに条例違反とされた入居施設の実態をリポートする。


ずさんな会計がもとで横領だと元総代に刑事告発された住職の戦慄
なんとも恐ろしい事件だ。業務上横領の疑いで、愛知県の浄土宗西山深草派寺院の住職が檀家に刑事告発された。民事裁判でも訴えられている。住職は会計の不明朗を認めたが、それでも檀家は追及の手をゆるめない。なぜか。寺檀紛争の嵐を取材した。


お寺が足りない首都圏リポート第3弾!地方から首都に打って出た住職や副住職の奮闘
伝統的な仏事が縮小化しているとはいえ、必ずお寺とのつながりを求める人はいるはずだ。その新たな可能性を探るため、あえて地方から首都圏に進出した住職やお寺の後継者がいる。地方の厳しい現状を目の当たりにしている僧侶たちが都市開教の最前線で実感し、見えた展望とは何か。



宗派から罷免された住職は即刻寺院を退去すべきか 最高裁重要判決
愛知県東海市の日蓮正宗寺院の住職が宗派から罷免された。処分に不服な住職は寺院に居座り続けたが、宗派から建物を明け渡すよう訴えられた。裁判は二転三転しながらついに上告審へ。最高裁はいかなる判断を下したのか。宗派離脱にもかかわる貴重な判決の徹底検証。



日本人の死生観が急変しつつある現象を読み解く(3)
あの世でもこの世でも居場所をなくした死者…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

著者はこう述懐する。「おそらく今後は墓参の習慣も次第に廃れていくことでしょう。それも時代の流れであれば、仕方のないことなのかもしれません。しかし、それが生者と死者との関係そのもの の希薄化を招くとすれば、とても悲しくて残念なことだと思います」。日本人の死後世界観はどう変化していくのか。



衰えかけた吉野山修験道を世界に知らしめた住職の粉骨砕身
明治政府により壊滅的に破壊された奈良の吉野山修験道だが、今やユネスコの世界文化遺産にも認定され日本文化の中心として世界中から注目を集めている。その立役者が金峯山修験本宗の元宗務総長でもある京都府綾部市の住職だ。修験再興への奮迅の軌跡をルポ。



生活困窮家庭の子供にお寺を開放する「お寺の学習塾」
「お寺なら勉強のみならず子供の人格形成にもよい影響を及ぼすのではないか」という栃木県大田原市長の思いで昨年7月から始まった生活困窮世帯への学習支援、その名も「お寺の学習塾」が効果を上げている。協力する市内の曹洞宗3カ寺とNPO法人、それに大田原市の保健福祉部などに取り組みの詳細を聞いた。



厳しい一般聴衆の前で理想の法話を追究する布教実践道場
法話力を磨く場を求めた熱意あふれる青年僧侶たちが14年前に立ち上げた「法話研鑽会」は、超宗派の若手僧侶49人が真剣勝負する布教実践道場だ。法話の良否を評価するのは一般聴衆というシビアな環境の下、毎月東京都の西新井大師などで定例法話会を開催し布教を探究している。「辻説法」や「大喜利説法」など独自の活動を通じて導き出された、理想の法話とは!?



住職のための今月のことば「国家システム」 …稲垣真澄(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト)

 新刊予告 
 稲垣真澄の現代社会に斬り込む本連載が4月、ついに単行本『いつでも法話ができる 現代布教キーワード 必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)として新発売です。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を宗教、葬送、社会などジャンルごとに分け、キーワードごとに見開き2頁でまとめました。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むためのヒントや説き方の実例集としても最適です。



「新連載」 障害者を快く迎えるお寺にしよう
お寺こそ率先してどんな障害者も歓迎するにはどうすべきか…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

この4月、日本でも「障害者差別解消法」が施行される。この法律により障害者に対する差別的取扱いを禁止するとともに、社会的障壁をなくすための合理的配慮が公的機関や企業・団体などに課されるのだ。民間は、努力義務とはいえ、お寺も無関係ではいられない。寺院も、どんな障害者でも迎えられる体制にするには何が必要かを知る長期新連載。



殺人事件から分かる子どもの生と死(1)
子どもらを襲う「死にたい」という欲動はどんな要因で起きるか…芹沢俊介(評論家)

いじめ、子ども同士の殺人など目を覆う事件が絶えない。子どもたちが学校や家に置き去りにされ、生命も危ぶまれているのに、大人たちはなぜ何も見ようとしないのか。第1回は、近年起きた7つの少年少女事件の背景に迫る。



地元新聞記者の寺院現況リポート〔12〕
被爆70年の広島に集いて仏教者そして世界の宗教者は何をしたか…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

広島の寺院、僧俗にとって原爆の事実は筆舌に尽くせぬものがあろう。戦後70年の今、その現実に仏教者はいかに向き合っているのか。折しも広島に各国の宗教者が集い平和を訴えた。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(9)
除染は福島県内でしか行なわれない特殊な事業なのだ・・・玄侑宗久(臨済宗妙心寺派福聚寺住職/作家)




連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔30〕
生前死後に関する資格が乱立するのは誰のためか…内藤理恵子(宗教学者)

スピリチュアルケア師、終活カウンセラー、葬祭ディレクター、遺品整理士など、死期に近づいた者や肉親を亡くした遺族に向けたような「資格」がどんどん増えている。営利目的の資格商法もあるかもしれない。




連載 寺院と僧侶と檀家の近世史実 〔21〕
岡山藩が神社の9割余も破却したのは何のためだったのか―岡山藩主池田光政の神社整理…圭室文雄(明治大学名誉教授)

岡山藩の池田光政藩主は1035カ寺のうち598カ寺を破却した。その一方、多くの神社も整理している。ただしそれは藩内の宗教を仏教から神道へと改めようとする政策だった。それは成功したのか。




連載 本当の創価学会問題 〔56〕
「高齢社会に対応して一人暮らしの人々を取り込む「友好活動」とは何か」…段勲 (ジャーナリスト)




[寺院・住職に直言提言]
宮崎 緑 (千葉商科大学教授・国際教養学部長) … 「人智を超えたもの」
長部日出雄 (小説家) … 「聖徳太子は実在する」




[ショートルポ]
●妻のAV出演歴が発覚した副住職の法律相談が炎上しネットアクセス№1になる恐怖●「公金を危険な投資漬け」にした高野山真言宗が責任の所在を求めて前宗務総長と前財務部長を提訴した●四国「歩き遍路」の科学的心身調査が明らかになった。世界的ヘルスツーリズムも視野に




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【浄土真宗本願寺派】宗勢調査で分かった寺院護持の危機的状況
【真言宗智山派】宗派が後継者お見合いパーティーを催すわけ








 [好評連載]

 今こそ宗教と法律の問題新講座〔28〕
 「住職も知るべき成年後見の定め」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 色即是空の科学事始め〔118〕
 
 「大学の学費はなぜ高いのか―国際人権規約『高等教育の漸進的無償化措置』を守れ!」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔59〕
 「提婆達多は釈尊を本当に殺そうとしたのか―仏典の矛盾を解く」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔37〕
 「日本人が幸せになるには生活の豊かさか宗教が必要か」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 秘められた祈りの形講座〔123〕
 「仏教の儀礼にも僧侶にも庶民にもお香はなぜ有用か」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔139〕
 「中世の農民や庶民に仏教教養はあったのか―史料より中世庶民の読み書き力や手習いを問う」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔161〕
 「大般若会33年目に息子が初めて講話をして……」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔21〕
 「今こそお寺で葬儀をしよう(1)」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔29〕
 「日本人と現代仏教の位相(29)― 仏教者の被災者支援」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 70億人の宗教トレンド〔70〕
 「テロを受け社会はどう変わるか―フランスやアメリカで判ること」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔50〕
 「中国少林寺の商業主義にわが寺も学ぶ」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔48〕
 「眞念著『四國遍禮道指南』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔63〕
 「芥子の中に須弥山あり」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔7〕
 「子どもの盆踊りコナシックラ」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 住職の地位をめぐって敗訴を知りつつも裁判を繰り返すのは権利の濫用か
質問2 市会議員の香典や供花や花輪や寄付金をお寺が受けても問題はないか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 確定申告の「医療費控除」に通院にかかる交通費や人間ドック費用などは含まれますか
質問2 先代の死後に先代個人の銀行口座から億を超すお寺のお金が見つかったがどうすればいいか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「言い伝えられ人々に好まれる言葉に偽りなし」


 在俗の説法者〔164〕 「本気になれた日」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔68〕 「死ぬまでずるい私」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔79〕 「思いやりの起源」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔10〕
 「住所や電話番号を隠せないお坊さんの危機管理って」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 そもそもお葬式セミナー〔155〕 「通夜に必ず法話を」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔207〕 「苦労が人を育てる」
  峯岸正典
(曹洞宗長楽寺住職、宗教間対話研究所所長)


 いまどきマンガ説法〔44〕 「相続」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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