7月号画像
A5判・214頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
―創刊43周年記念号増頁―
2017年7月号の主な内容 (Vol.516)

[今月号の特集]

寺院に入り込んだ建築業者に本堂も庫裡も境内地も奪われた住職のあくなき闘い
檀家になると甘言を弄する業者に本堂改修や庫裡新築などを依頼した愛知県の曹洞宗寺院。だが工事半ばで放り出された上に工事代金を支払えと訴えられ、ついに本堂、庫裡、境内地も競売に付されてしまった。住職は業者を詐欺師だとして計10件もの裁判を闘わざるを得なくなり、境内には詐欺封じ観音も建立した。


後継者として養子に入った青年僧侶が1カ月で寺を出て自殺した真相
愛知県の真宗大谷派寺院で不幸な事件が起きた。この春、同寺の後継者として養子に迎えられたばかりの青年僧が、2カ月もたたぬうちにお寺を退去。生家のお寺に戻った矢先、自ら命を絶ったのだ。まだ29歳だった。将来を嘱望された青年僧の身に何があったのか。


兼務寺院が増える現実とその影響を宗派はどう考えているのか
住職が自坊とは別の寺院の住職を務める兼務(代務)制度。実は3カ寺に1カ寺は兼務寺院という宗派も多いのだ。だが本来、住職は寺院に常駐するもの。兼務寺院でどんな問題が起きており、宗派はどんな対策を講じているのか。



お寺の近くで育てられると幸福度や利他の心が高まることが分かった!
まさに我が意を得たりと、どのご住職も満足されるはずだ。何しろ、子供の時分にお寺の近くで育つと、長じても慈悲心豊かで幸福になれるというのだから。大阪大学の大竹文雄教授らの研究チームによる全国大規模調査の最新研究成果だ。調査した専門家たちもこの初めての結果に驚きを隠さない。



子供の心に仏様の教えを育むためにお寺ができる凄い活動
少子化や過疎化でお寺を取り巻く環境は厳しい。だが、こんな時代だからこそ、子供や親たちにお寺との縁を持ってもらう機会を積極的に働きかけることが必要だろう。初参式、入門式、十三参り、子ども食堂、鉛筆供養、プログラミング教室など思い立ったら始められる子供布教の成功例を紹介しよう。



短期連載 東日本大震災の怪異譚から見えるもの〔2〕
「幽霊でも会えてよかったと語る思いに寄り添う」…土方正志(出版社「荒蝦夷」代表)

幽霊は怖いものだ、幽霊は成仏していない証だ、幽霊は災いだと、忌み嫌うもの、避けたい現象だと説かれるのが当然だった。ところが、東日本大震災後、幽霊に対する見方が180度変わりつつある。日本人の新たな霊性、死生観の変化という研究者もいる。それはなぜなのか。



火葬場のかたちや会葬者の心〔1〕
「火葬場に普段着のままで来る喪主が増えている訳」…武田至(一般社団法人火葬研代表理事)

葬送の様変わりを住職ならよくご存じだろう。火葬場に携わる人々にとってもそれは深刻だという。火葬場から見える危機をリポート。



LPガスの活用でお寺を安心できる災害避難所に
災害時にお寺を被災者に開放したい。そんなお寺が導入を始めているのが「災害対応バルク」だ。なんと、LPガスを使って炊き出しはもちろん、冷暖房や発電もできるというから停電時にも心強い。最新システムの特性や仕組み、費用などを、すでに導入に踏み切った3カ寺に取材した。



都心でわずか10坪の墓地が完成したのは墓地許認可行政の変化のせいか
民家から100メートル以上離れ、近隣住民全員の同意を要するのが墓地の経営許可だと思い込んでいたら、東京都は新宿区の都心でなんと10坪の墓地が許可された。いったいどんな墓地なのか。



10大宗派の広報誌『宗報』の実態特集④…どの宗派の「宗報」が最も宗侶に役立つ内容か
3回にわたり9宗派(天台宗、高野山真言宗、真言宗智山派、真言宗豊山派、浄土宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、曹洞宗、日蓮宗)の宗報を紹介してきたが、今回は臨済宗妙心寺派のそれを見よう。その上で、10大宗派の宗報をあえて比較する。あくまで読者目線によるが、寺院を取り巻く環境が激変する時代だからこそ、広報媒体としての宗報がいっそう重要度を増しているからだ。



第12回本誌「住職関心事アンケート」結果(3)
第12回「住職関心事アンケート」の結果をご報告しよう。今回は第5問「日本の死刑制度について賛成か? 反対か?」だ。被害者家族の感情を優先するか、仏法に従い加害者をも救うべきと考えるか。きわめて貴重な回答が数多く寄せられた。



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔4〕
「異分野のスペシャリストと手を組むために必要な技術と心得」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

筆者が提唱する〈お寺を盛り上げる7つのアクション〉の第3は「スペシャリストと手を組むこと」。その理由と方法と、実際に成功している事例から何を学ぶか。



新連載 新米住職のワーキングプア記〔3〕
「寺を見張るのが役員の仕事なのに住職の言いなりだと言われて」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




好評連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔44〕
「農協の葬儀参入から見える寺院の役割とは何か」…内藤理恵子(宗教学者)

全国の農村部に網の目のように組織されている農協が組合員の葬儀を請け負うのは、時代の要請として自然なことだ。現に全葬儀の1割程度は農協が担っているという。そうした現実に寺院は何を見るべきか。
 既刊告知 
 この連載を元にした単行本、内藤理恵子著『あなたの葬送は誰がしてくれるのか――激変する供養のカタチ』(本体価格2,900円)が大反響です。遺族・葬送・お墓参りと納骨・供養・終活など30項目にわたって葬儀や供養の激変を克明にリポートした本書は、読めば読むほど葬送を通じて寺院住職への期待が高まっていることが分かります。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(23)
「僧侶にできる喉訓練の指導で死因に急増している誤嚥性肺炎を減らそう」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




障害者を快く迎えるお寺にしよう〔17〕
「障害者への虐待は誰もが小さなことから始まると自覚しよう」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

誰でも初めから障害者を虐待するつもりでいる人はいないはずだ。ところが、気づいてみたら障害者を傷つける自分がいたという思いに至ることがあるやもしれない。どうしてなのか。



連載 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔36〕
「廻国する遊行上人一行に対する大名の待遇から分かること」…圭室文雄(明治大学名誉教授)

宗教統制にもかかわらず遊行上人一行が各地を巡ることができたのは、幕府の伝馬朱印と天皇の紫衣授与などによることを前号で見た。では各藩の受け入れ方はどうだったのか。



[寺院・住職に直言提言]
内田 樹 (思想家/武道家) … 「道場という空間」
立川談四楼 (落語家) … 「生前葬」




[ショートルポ]
●逆袈裟をまとい真言宗寺院を名乗る偽僧が檀家から1,500万円を騙し取った!
●岐阜県真宗大谷派住職の共謀罪法案に反対の訳に市民や住職を危険人物とする警察情報あり
●法華宗本門流僧侶養成校で起きた住職による巨額横領事件に実刑3年6カ月
●嘱望された長野県浄土宗住職の飲酒ひき逃げに執行猶予3年




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔75〕
「運命論宿命論の教団の人々がなぜ修行する必要があったのか」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 既刊告知 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第1巻、第2巻(ともに本体価格2,400円)が大好評。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。第2巻は、釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。



住職のための今月のことば 「旬と週の違い」 …稲垣真澄(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊告知 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最適。







 [好評連載]

 本当の創価学会問題 〔71〕
 
「毎年膨大な寄付金が会員からあるのになぜ会員にも財務会計を報告しないのか」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔50〕
 
「臨終行儀はなぜ人の心を惹きつけるのか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔155〕
「遣明使僧の記録に見る入国が規制された明代における渡海日本僧の姿」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 秘められた祈りの形講座〔133〕
 「僧の必須持物となった数珠にいかなる効能霊応があるか」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)
 既刊告知 
 本誌連載をもとにした豊嶋泰國著『仏教現世利益事典―天変地異も不幸も乗り越えられる祈りの形』(本体価格3,100円)が檀信徒への説法の幅が広がると好評です。「お餅を供えたり食べるのは万民豊楽の訳」「寺院で行われる厄除け厄落としにどんな方法があるか」など、現世を生きるための仏教の50の利益とその実践を実証的に説く。



 色即是空の科学事始め〔134〕
 
 「日本よ! どこへ向かうのか――特定秘密保護法・テロ等準備罪・憲法改正……」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)
 既刊告知 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔175〕
 「おこがましくも臨床仏教師の講座を受講してます」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔37〕
 「宗祖のリーダーシップに学ぶ」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔45〕
 
「日本人と現代仏教の位相(45)――近代仏教社会事業を支えた教え」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔86〕
 「インドでいまも絶えない牛の屠殺をめぐるヒンドゥーとムスリムの抗争」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔79〕
 「響きの声に応ずる如し」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔23〕
 「伝承を活かし新たな踊りを」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 本間久雄(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 檀家の墓地の改葬をめぐり兄弟が賛否で対立した際の寺院の対処法
質問2 お寺の葬儀場がお線香の消し忘れで焼失した際の葬儀場管理者の責任


 税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 永代供養料を生前に納めれば檀家の相続税は節税になりますか
質問2 住職や副住職や寺族に入院見舞金を寺院が支給したら課税されますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「誕生花の起源はギリシャ・ローマの神話に溯る」


 在俗の説法者〔180〕 「父あり、娘あり」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 新刊発売! 
 7月上旬にこの連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)を発刊いたします。感動あふれる説法の話材を探せる30の実話を収録した最良最善のお説教読本です。



 生きるとは何か〔84〕 「基本姿勢の徹底こそ」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔95〕 「愛の共同体として」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔26〕
 「前代未聞の結婚は宗教サミットのおかげです!?」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 新連載 すぐ使える法話セミナー〔3〕 「三宝帰依を説く」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔223〕 「自分ファースト 真理ファースト」
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔60〕 「祇園祭」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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