2月号画像
A5判・212頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2018年2月号の主な内容 (Vol.523)

[今月号の特集]

少子高齢化時代に見直される寺院護持会と会費の現状
お寺の収入が葬儀や法事のみによるとすれば運営上極めて不安定だ。これを克服するのに戦後、会費制でお寺を支えるために結成されたのが護持会。人口減少時代の到来でこの仕組みが見直されているというが、実際の護持会費はいくらが適正なのか。9カ寺に取材した。


過疎のお寺で坊守と息子が同時に変死体で発見されたのはなぜか
三重県の真宗大谷派寺院の庫裡で、78歳の坊守と49歳の長男が相次ぎ遺体で発見されたという報道に接し、目を疑った。他殺なのか、自殺なのか。いったい何があったのか。取材して分かったのは、決して他人事ではない、寺院存亡にかかる危機的状況だった。


10宗派賦課金の30年推移(1) 寺院の負担はこの30年間でどれだけ増えそれは適正なのか
十年ひと昔というぐらいだから、30年もたてば世の中は大きく様変わりする。宗派の活動も昭和と比べたらずいぶん変わったはずだし、宗派財政もまた然りだろう。それを賦課金で支える寺院の負担も増したに違いないが、いったいどれくらい宗費は増えたのか。主要10宗派の賦課基準の変化を検証しよう。



お墓の後継ぎ争いに巻き込まれた寺院裁判に学ぶべき墓主承継対策
住職が思う以上にお墓の使用権は遺族にとってかけがえのないものだ。何しろ肉親の埋葬地は長い供養の源になるからだ。お墓の承継をめぐり兄弟や親族が対立する話は多い。しかもその裁判に寺院が巻き込まれたらどうなるか。2カ寺の裁判例と寺院が備えるべき対策を取材した。



寺院墓地の将来を問う(2) 寺院墓地の未来のあり方として樹木葬や合祀墓は有望なのか?
お墓の維持を負担に感じ始めている人が少なくないなかで、樹木葬や永代合祀墓といった新しい形のお墓が人々のニーズを受けて急増している。すでに取り組んでいるお寺も多いが、果たして寺院墓地の将来を考える上で有効なのだろうか。実績を重ねてきた寺院に今後の展望を取材した。



寺院を守る最新のセキュリティシステムの現状
盗難・破壊・破損・火災など寺院の安全を損なう事件が多発している。お寺は誰でも入れるとはいえ、住職寺族だけで四六時中保守できるわけじゃない。そんなお寺を24時間365日守ってくれる強い味方が警備会社だ、とPRするけれど、実際はどうなのか。



原発で汚染された郷土と共に生きる道を覚悟した住職の壮絶
昨年3月にようやく避難指示が解除された福島県相馬郡飯舘村で新たなる復興に賭ける浄土真宗本願寺派住職がいる。大学で学んだ放射線の知識を生かし、村役場の職員かつ僧侶として村人の生きがいを支援する日々と、村への熱い思いのドキュメント。



新連載 ヒトの細胞の長期追跡研究によって寿命の本当の訳が判明しつつある〔2〕…加治和彦(日本薬科大学客員教授)
日本人男性の細胞を38年間にわたり追跡研究してきた加治和彦博士によって、世界でも唯一の細胞系がすでに細胞銀行に寄託され、iPS細胞の研究者もこれに注目している。ヒトの老化や寿命の解明から何を学ぶべきか。



新連載 震災地で出会う幽霊が日本人の死生観を変える〔2〕…金菱清(東北学院大学教授)
東日本大震災による100万人は下らないといわれる遺族たち、とりわけ行方不明のままの肉親にとって、震災はまだ何も終わっていない。東北学院大学震災の記録プロジェクトのゼミ生たちは、そうした人々への聞き取りから、さらに亡き人々への「手紙」という方法で、遺族らの声にならない心情を知ろうと考えた。



連載 仏教教団の財政から判明する仏教界の重大事とは何か!?〔3〕…川又俊則(鈴鹿大学副学長/宗教社会学者)
宗派財政の増加率は国のそれを上回り、その増加分は寺院や僧侶の負担に支えられている。では宗派は寺院や僧侶のために支出しているのか。特に将来の危機に備えたものになっているのか。




新連載 霊験尊し尊像ミステリー〔2〕「他宗の寺院に流れついた鬼大師像」…本田不二雄




今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔162〕
「鎌倉の高僧が天皇のために行った法会の内実」…井原今朝男(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)

 新刊発売! 
 本誌連載をもとにした井原今朝男著『史実 中世仏教』がますます大好評。第1巻「今にいたる寺院と葬送の実像」(本体価格 2,800円)、第2巻「葬送物忌と寺院金融・神仏抗争の実像」(本体価格 3,500円)。そして最新刊の第3巻「大災害と戦乱の中の僧侶 驚くべき戒律の実相」(本体価格 3,500円)もたちまち大絶賛。寺院こそ強い軍事力を持ちえた中世にあって僧侶は何をしたか。これまで未解明の中世約600年の仏教の戒律と「行」から「信」への史実に迫ります。



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔11〕
「寺庭婦人が命について語ればお寺は社会に開かれていきます」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

〈お寺の奥さんの5つのアクション〉の4は「命を語る」だ。なかなか難しいテーマだが、寺院に併設された保育園を通してカウンセリングでも活躍している寺庭婦人に学ぼう。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(30)
「年末に今年の新亡を静かに振り返りつつ一つ一つ過去帳に書き写しながら」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




好評連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔10〕
「縁あって出逢い縁あって別れるわけを年末年始に教えられて」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




好評連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔49〕
「ペット供養が縁で檀家になる寺院もある現状ルポ」…内藤理恵子(宗教学者)

今、成功しているといわれるペット霊園を取材すると、10年前の状況とかなり変わったことが分かった。たとえば、ペット専用が一般的だったのが、人とペットが一緒に入れるお墓が人気らしい。寺院が学ぶべきことは何か。
 既刊告知 
 この連載を元にした単行本、内藤理恵子著『あなたの葬送は誰がしてくれるのか――激変する供養のカタチ』(本体価格2,900円)が大反響です。遺族・葬送・お墓参りと納骨・供養・終活など30項目にわたって葬儀や供養の激変を克明にリポートした本書は、読めば読むほど葬送を通じて寺院住職への期待が高まっていることが分かります。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔24〕
「的障害者たちの芸術作品が現代社会に暗示するものは何か」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

障害のある作家たちは何のために創作しているのか。才能を認められたい、お金を儲けたい……そんな思いがあってもおかしくない。しかし彼らからはそうした「欲」を感じ取ることは難しい。



連載 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔43〕
「小さな島々で行われた全寺院破却政策に僧侶は何をしたのか」…圭室文雄(明治大学名誉教授)

隠岐は大小180余の島からなる。現在は島根県に属しており人口は約2万人だ。かつては流刑地でもあったが、江戸時代には100カ寺を超える寺院があった。しかし廃仏毀釈の嵐は、そのすべてを破却した。





[寺院・住職に直言提言]
姜尚中 (政治学者) … 「お寺のない地域社会は考えられない」
司修 (画家/小説家) … 「水仙と信仰」




[ショートルポ]
●高野山真言宗神奈川青年教師会が都心のお寺で婚活イベント「縁結びの会」を主催する本当の思い
●滋賀県の門跡寺院と役僧の労使紛争で裁判所が寺院による破門処分を報復人事だと断じた訳
●葬儀業界に一罰百戒となるか? 景品表示法に違反した「イオンのお葬式」に対して消費者庁から措置命令




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔82〕
「煩悩とは外から来るものなのか自らの内から来るものなのか」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 既刊告知 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第1巻、第2巻(ともに本体価格2,400円)が大好評。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。第2巻は、釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。





住職のための今月のことば 「大相撲暴行事件」 …稲垣真澄(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊告知 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最適。







 [好評連載]

 本当の創価学会問題 〔77〕
 
「創価学会の頻繁になったテレビCMに法的にも大問題ありと言いたい」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔57〕
 
「今日まで葬儀は誰のため何のために行われてきたのかを問う――自ら父の葬儀の喪主となり実感したこと」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 秘められた祈りの形講座〔138〕
 「四国八十八カ所にまつわる数の謎と功徳霊験の出自」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)

 既刊告知 
 本誌連載をもとにした豊嶋泰國著『仏教現世利益事典―天変地異も不幸も乗り越えられる祈りの形』(本体価格3,100円)が檀信徒への説法の幅が広がると好評です。「お餅を供えたり食べるのは万民豊楽の訳」「寺院で行われる厄除け厄落としにどんな方法があるか」など、現世を生きるための仏教の50の利益とその実践を実証的に説く。



 色即是空の科学事始め〔141〕
 
 「人類は原発と共存できない――いざ戦争となれば原発を破壊して放射能をばら撒く作戦が……」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊告知 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 いまさら師匠に聞けないこと〔71〕
 「外国人にニホンのココロとはと問われて」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔45〕
 「宗教法人と不法行為の損害賠償」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔44〕
 「お寺で掃除の会を始めよう」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『一般社団法人お寺の未来』代表理事)


 今からの宗教酔眼千里眼〔52〕
 
「日本人と現代仏教の位相(52)――近代仏教社会事業とキリスト教(5)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔93〕
 「自分ファーストのトランプが開けたエルサレムのパンドラの箱」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔86〕
 「畜生にも菩提心」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔67〕
 「三枝充悳著『仏教入門』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔30〕
 「お寺を祭りの宿泊空間に」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 伯母治之(弁護士)・ 橋口玲(弁護士)
質問1 父親の遺産で葬儀をした後で父の巨額負債が判明したが相続放棄できるのか
質問2 葬儀で読み上げた諷誦文や弔辞で親族から名誉毀損を訴えられたら賠償責任を問われるか


 税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 参詣者用駐車場の一部を月極にしたが無収入分にも税金はかかりますか
質問2 ビットコインによる利益や損失に寺院や住職はどんな税務が必要ですか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「出会う者がみな惚れたという西郷隆盛の名言」


 在俗の説法者〔187〕 「課外授業『いのちって』」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、たちまち大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔91〕 「コペル君の生き方」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 スピリチュアルケア講座〔102〕 「内観研修所を再訪して」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔33〕
 「落語の最中に、そのそばで何と護摩が始まった。どうなった!?」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 すぐ使える法話セミナー〔10〕 「六波羅蜜の『禅定』」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教が関わり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔230〕 「急ぐな 休むな 夢を追え」
  峯岸正典
(曹洞宗住職・宗教間対話研究所所長)


 いまどきマンガ説法〔67〕 「インスタ映え」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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