3月号画像
A5判・214頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2018年3月号の主な内容 (Vol.524)

[今月号の特集]

自死を理由に葬儀を拒否する寺院が全国にあると大新聞が報じたが本当なのか!?
自殺だからとお寺に葬儀を拒否された――。こんな驚くべき全国紙の報道に、全国各地で自死遺族の支援に取り組む僧侶が衝撃を受けている。寺院の信頼にもかかわる由々しき記事だ。事実ならとんでもないことだが、本当にそんなお寺があるのか。仏教界の対応も含めて取材した。


宗教や職業への差別発言をめぐり住職同士が裁判で争った前代未聞
住職の差別発言が明らかになった。職業差別、宗教差別、信仰への差別、さらには自らが属する宗派をも差別宗教と思わせる内容で、しかも住職は地域の教誨師連盟会長という公職に就く身でもあった。いったい何があったのか。事態を取材した。


重要判決 宗教法人への銀行融資を無効とした理由の重大性
宗教法人の代表役員が自ら経営する会社のために教会の土地を担保に銀行融資を得た。不純な話だが、仮代表役員選任や公告など規則に従わなかったことから銀行に厳しい判決となった。寺院にも大きな影響を与えるに違いない重要判決から学ぼう。



10宗派賦課金の30年推移(2) 寺院負担による宗費の増減はどれほどなのか全宗派全比較
宗派財政を支える寺院の賦課金はこの30年間でどれだけ増えたのか。宗派としても寺院の負担を増やすことは避けたいはずだが、では、いかなる観点で賦課基準を定め、今後をどう展望しているのか。寺院数の多い10宗派の賦課金がいかに推移し、どんな違いがあるのか。比較検証しよう。



宗派に設けられた研究機関でいま何が研究され成果は本当に寺院や僧侶のためになっているのか
各宗派には名称は異なるものの研究所が置かれている。当然、それは寺院の賦課金により運営されているにもかかわらず、研究内容や活動はほとんど知られていないのではないか。それだけに必要性すら問われることもあるが、本当に寺院のためになっているのか。10宗派の各研究機関の現状や運営費を取材した。



収入が乏しくても住職は懸命に寺院護持に尽くすのはなぜか!?
国の目安では夫婦と子供2人の世帯の年収が255万円以下だと低所得者とされる。ところが全寺院の3割近くは年収100万円以下なのだ。では、はたしてそうした寺院の住職方はいかに寺門を護持し、そのなかで妻や子供たちとどのようにして暮らしているのか。低年収にめげずに寺院を盛り立てている住職に取材した。



いま本堂を新たに建てるならこのお寺を見よう!
失敗できない本堂建築だが、住職一代ではなかなか経験できないことだ。しかも限られた予算の中で現代に合わせた設計も必要となれば、なかなか難しい。木造から鉄骨まで、次代を見据えたアイデア設計を採用した最新本堂3カ寺の実例に学ぼう。



人口減少に負けず下北の町を若者と共に輝かす副住職のすごい企画力
東京からお寺に帰ってきた若者に、寂れる一方の故郷の姿は悲しかった。「なんとかできないか」とお寺を飛び出し仲間を募って始めた活動が、みるみる町おこしに繋がっていく。青森県の曹洞宗寺院の副住職のお寺の地域活性化ルポ。



短期連載最終回 永遠に生きる細胞があるのになぜ人には老化と寿命と「霊」があるのか〔3〕…加治和彦(日本薬科大学客員教授)
生物に必ず寿命があるわけではない。永遠に生きる細胞もある。しかし人は自らが死ぬ生物であることを知っている。細胞の自死アポトーシスと不死化におけるテロメアの研究によってその謎が解明されつつある。



短期連載最終回 震災地で出会う幽霊が日本人の死生観を変える〔3〕…金菱清(東北学院大学教授)
2011年3月11日に起きた東日本大震災の被災者の本当の心の姿を記録しようと、東北学院大学の学生たちが立ち上げたプロジェクトは、未だ行方不明の2500人余の遺族に向き合って様々な心象を得ている。最終回は「夢でも会いたい」。



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔12〕
「お寺の奥さんが元気に切り盛りしていれば檀家も元気になる」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

〈お寺の奥さんの5つのアクション〉の5は「幸せを観察する」だという。理由は何か。僧侶でない寺庭婦人がいわば逆境を乗り越えて、お寺で幸せに暮らす姿にこそ価値がある。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(31)
「『これはもしや天の配剤ではないか』と女房が呟いたわけ」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




好評連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔11〕
「住職が檀家さんを蕩けるようにいい気持ちにさせるには」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




好評連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔50〕 「家庭の仏壇が小型化したのは葬儀問題でもある」…内藤理恵子(宗教学者)
月参りや棚経などですでにお察しかもしれないが、仏壇が急速に小型化していないだろうか。核家族化、人口減少、住宅事情もあろうが、それだけではないようだ。葬儀の簡素化がかなり大きな理由だという。
 既刊告知 
 この連載を元にした単行本、内藤理恵子著『あなたの葬送は誰がしてくれるのか――激変する供養のカタチ』(本体価格2,900円)が大反響です。遺族・葬送・お墓参りと納骨・供養・終活など30項目にわたって葬儀や供養の激変を克明にリポートした本書は、読めば読むほど葬送を通じて寺院住職への期待が高まっていることが分かります。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔25〕
「病院や施設だけでなく障害者も市民として生きる権利がある」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

閉鎖的な空間で集団生活を強いられるのは人権侵害だと欧米では考えられているが、日本では病院や施設の増設、障害年金・手当の拡充が障害者福祉の目標とされてきた。だが……。



連載 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔44〕
「軍隊まで動員して藩のほとんどを廃寺にした暴挙と寺院の抵抗」…圭室文雄(明治大学名誉教授)

一人の官僚により寺院の98%が廃寺に追い込まれたのが富山藩だった。それは苛烈な廃仏毀釈だったが、寺院側も沈黙せず、明治政府に抗議に及んでいる。その内容を見よう。



今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔163〕 「鎌倉幕府と朝廷の間で生きた一人の僧侶の史実」…井原今朝男(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)
 新刊発売! 
 本誌連載をもとにした井原今朝男著『史実 中世仏教』がますます大好評。第1巻「今にいたる寺院と葬送の実像」(本体価格 2,800円)、第2巻「葬送物忌と寺院金融・神仏抗争の実像」(本体価格 3,500円)。そして最新刊の第3巻「大災害と戦乱の中の僧侶 驚くべき戒律の実相」(本体価格 3,500円)もたちまち大絶賛。寺院こそ強い軍事力を持ちえた中世にあって僧侶は何をしたか。これまで未解明の中世約600年の仏教の戒律と「行」から「信」への史実に迫ります。



新連載 霊験尊し尊像ミステリー〔3〕「頭上になぜ金色の狐を戴く女神か」…本田不二雄





[寺院・住職に直言提言]
矢追純一 (テレビディレクター/ジャーナリスト) … 「人はなぜ死を恐れるのでしょうか」
東ちづる (女優) … 「住職さんも弱音をはける社会を……」




[ショートルポ]
●陸上自衛隊ヘリコプター墜落現場のすぐそばに2カ寺があった! 寺族がまさかの緊急大惨事にしたこと
●北朝鮮漂着船の亡骸10柱を供養し続ける秋田県曹洞宗住職の胸のうち
●住職自らの引退を認めた宗門の立場――2017年11月号で報じた山梨県の臨済宗建長寺派寺院住職による巨額流用事件の続報








 [好評連載]

 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔83〕
 
「コーサラ国王の疑問に対して釈尊はいかに正法を説いたのか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授・寺院住職)

 既刊告知 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第1巻、第2巻(ともに本体価格2,400円)が大好評。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。第2巻は、釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。



 住職のための今月のことば
 
「ボルヘスの死生観」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊告知 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最適。



 本当の創価学会問題 〔78〕
 
「池田大作名誉会長の旺盛な著作や数多くの著書は自身の手によるものなのか」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔58〕
 
 「人口減少社会の葬送やお墓のあり方を精査するために――縄文人にとって墓は弔いの場だったのか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 色即是空の科学事始め〔142〕
 
 「巨大火山爆発と原発リスク――危険を引き起こしそうなものは身の周りに置かないことです」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊告知 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔181〕
 「檀信徒アンケートの実施と回答に寺族ながら低頭」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔72〕
 「なぜ私は歴史を捏造したのか!?」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔45〕
 「ポスト檀家制度を考えよう」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『一般社団法人お寺の未来』代表理事)


 今からの宗教酔眼千里眼〔53〕
 
「日本人と現代仏教の位相(53)――近代日本仏教福祉事業の歩み(1)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔94〕
 「イスラム系ロヒンギャと仏教系少数派ラカインと多数派ビルマ」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔87〕
 「水中の月」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔68〕
 「『大パリニッバーナ経(大般涅槃経)』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔31〕
 「祭りがもたらす地域の宝」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 本間久雄(弁護士)・ 伯母治之(弁護士)
質問1 業者が僧侶派遣ビジネスをしているが労働者派遣法の問題はないか
質問2 隣の崖が長雨で崩れて寺に土砂が流れ込んだが崖所有者が分からない


 税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 「施設所有管理者賠償保険」の掛け金をお寺の収益事業部門会計の損金に算入できますか
質問2 確定申告で住職のみならず寺族の市販薬代も控除できる「セルフメディケーション税制」





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「日本で低調な寄付文化を高める方法はある!?」


 在俗の説法者〔188〕 「観音さまの御声が……」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、たちまち大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔92〕 「罪に目覚めて500年」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 スピリチュアルケア講座〔103〕 「お迎え現象への対応」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔34〕
 「お坊さんの息子ってやっぱりお金持ちなんですね!?」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 すぐ使える法話セミナー〔11〕 「六波羅蜜の『智慧』」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教が関わり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔231〕 「一切衆生悉有仏性」
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔68〕 「終の棲家」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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