4月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2018年4月号の主な内容 (Vol.525)

[今月号の特集]

これからお寺は過去帳だけでなく現在帳が必須となる実践法
「檀信徒の情報は頭の中に入っている」という住職は多い。だが近頃、記憶だけによらず、現在帳として紙に記録するお寺も増えつつある。寺檀の和合はもちろん、一人暮らしの高齢者の見守りや、孤独死も防ぐ受け皿としても視野に入れてのことだ。檀信徒の生きる命の記録でもある現在帳は今後、過去帳と共に寺宝となるに違いない。実際に現在帳を作っている5カ寺に取材した。


国が急に言い出した在宅看取り政策は住職も見過ごせない
3年ごとに見直される介護保険制度の平成30年度改定の中身を見て大いに気になった。やけに「看取り」の文字が目立つのだ。どうやら国は病院ではなく自宅や介護施設での看取りを推進したいらしい。仏教界でも医療や介護との連携が求められる昨今だけに、他人事ではない。だが取材すると制度の将来は不安だらけなのだ。


「永代使用料は受領後は返金しない」という納骨堂使用規則は違法なのか!?
納骨堂の生前契約者がお寺に解約を申し出た。だが、お寺は納骨堂使用規則で返金不可と定めていることを理由に返金しなかった。すると契約者は消費者契約法違反であると消費者団体を通じ提訴。どの寺院墓地でも同様の規則を設けているが、「返金しない」という規則は本当に違法なのか。



善光寺御開帳大法要の中で起きた尼僧への指導で懲戒処分を受けた住職が宗門を提訴した訳
史上最高700万人もの参詣者を集めた3年前の信州は善光寺御開帳における大法要で、驚くことに一人の住職が浄土宗より懲戒処分を受けていた。しかも処分された住職は、懲戒の無効と宗報への謝罪広告掲載、慰謝料の支払いを求めて同門の住職、さらに宗派をも訴える事態となっている。



自らの銀行口座を他人に譲渡して裁かれた住職の罪と罰
住職が金銭目的で自身の銀行口座を譲渡したとして詐欺罪に問われた。まさか住職が振り込め詐欺グループの片棒を担いだのか。地方寺院の生活の困窮が原因なのだろうか。現地に取材すると意外な事実が……。



信施にこだわらず寺院紹隆へとはげむ住職の実践と悩み――低収入寺院ルポ(2)
収入が少ないにもかかわらず寺院を懸命に護持している住職の実践を見ていこう。なぜ収入が少ないのかといえば、過疎化の進行がまず一番に挙げられるが、それはこれまでの寺院運営にどんな影響を与え、今後にも影響を及ぼすのか。新潟県と滋賀県の4カ寺の住職に聞いた。



ひきこもりやうつなど寺族が心の苦しみに陥るケースはなぜ多いのか
社会変化や対人関係から心を病んだり、ひきこもる若者が増えている。表面化することがないが、お寺の家族も例外ではない。その現実と快方への道を取材した。当事者にしか見えないその思いを、長年ひきこもりに苦しんだ僧侶は告白する。僧侶の悩みに乗るカウンセラーにも聞いた。



僧侶にしかできない法儀と法話を徹底して伝授し続ける住職の精魂
法話や戒名の付け方に自信を持てない若い僧侶たちに、実践の要諦を懇切丁寧に指南する福島県の真言宗豊山派住職がいる。寝る間を惜しんで伝授のテキストを作り、東奔西走する教化への熱意は僧俗の心を掴む。熱血住職の活動ルポ。



火葬後に残る遺灰を売却する自治体の事情と問題…武田至(一般社団法人火葬研会長)
なぜ自治体によって遺骨灰の取り扱いがこんなに違うのかと素朴に思う。ある市では遺灰中の金属を毎年数千万円で売却しているかと思えば、売らずにすべて埋葬する市も多い。何が違うのか。



新連載 孤立化する人々のために寺院住職ができること〔1〕
「親族が繋がりを失う社会の中でお寺にこそ看取りと死後事務を提案したい」…勝桂子(行政書士)

大都市への集中で親子でも何年も会わずにいる家族が増えている。そのせいか親が入院しても死期が迫っても、さらに亡くなっても、その断絶がなおらないとしたら菩提寺にも影響しよう。これを未然に防ぐにはどうしたらよいのか。



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔13〕
「お坊さんと女性との出会いを企画実現して知った大切なこと――『寺社コン』開催300余回からの成功法」…堀内克彦(株式会社寺社旅社長)

なかなか出会う機会がない僧侶と一般在家の女性との仲をとりもつ婚活イベントを開催して得たことは何か。それはあるいはお寺の将来にもかかわることでもあるかもしれない。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(32)
「檀家さんの訃報を待ちつつも夢のような寒中温泉のひとひ」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




好評連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔12〕
「繋がることばかりにお寺は目を向けていていい時代なのか!?」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




好評連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔51〕
「ネットのデジタル遺品の処分から見える死生観」…内藤理恵子(宗教学者)

肉親の遺産が遺族の悩みになるケースは多いが、インターネット上の書き込みも故人のみならず遺族の名誉にもかかわるだけに大きな問題だ。しかもそのデジタル遺品が死生観の変化にも関係するというのだ。
 既刊告知 
 この連載を元にした単行本、内藤理恵子著『あなたの葬送は誰がしてくれるのか――激変する供養のカタチ』(本体価格2,900円)が大反響です。遺族・葬送・お墓参りと納骨・供養・終活など30項目にわたって葬儀や供養の激変を克明にリポートした本書は、読めば読むほど葬送を通じて寺院住職への期待が高まっていることが分かります。



秘められた祈りの形講座〔139〕
「子授けと安産を成就するための祈願の方法に学ぶこと」…豊嶋泰國(宗教民俗研究者)

 既刊告知 
 本誌連載をもとにした豊嶋泰國著『仏教現世利益事典―天変地異も不幸も乗り越えられる祈りの形』(本体価格3,100円)が檀信徒への説法の幅が広がると好評です。「お餅を供えたり食べるのは万民豊楽の訳」「寺院で行われる厄除け厄落としにどんな方法があるか」など、現世を生きるための仏教の50の利益とその実践を実証的に説く。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔26〕
「障害者を守るはずの成年後見制度が社会参加の壁となる矛盾」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

財産や権利侵害を防ぐ力が弱いからといって介護や警備の仕事をする能力がないわけではない。後見制度の利用によって自動的に仕事が奪われるのは理不尽と言わざるを得ない。



連載 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔45〕
「現状からは想像も難しい鶴岡八幡宮と大山阿夫利神社の廃仏」…圭室文雄(明治大学名誉教授)

日本人は過去の過ちを忘れやすい。たかだか150年前の暴挙などなかったかのようだ。大勢の参詣者が訪れる鎌倉の鶴岡八幡宮の大鳥居はもう何百年も前からそこにあるものと思い込んでいるが、とんでもない。廃仏毀釈により巨大な仁王像は瞬く間に壊され大鳥居にすげ替えられたのだ。



今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔164〕
「一人の中世僧の一生から分かる身分制度」…井原今朝男(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)

 新刊発売! 
 本誌連載をもとにした井原今朝男著『史実 中世仏教』がますます大好評。第1巻「今にいたる寺院と葬送の実像」(本体価格 2,800円)、第2巻「葬送物忌と寺院金融・神仏抗争の実像」(本体価格 3,500円)。そして最新刊の第3巻「大災害と戦乱の中の僧侶 驚くべき戒律の実相」(本体価格 3,500円)もたちまち大絶賛。寺院こそ強い軍事力を持ちえた中世にあって僧侶は何をしたか。これまで未解明の中世約600年の仏教の戒律と「行」から「信」への史実に迫ります。



新連載 霊験尊し尊像ミステリー〔4〕「東日本大震災で突如向きを変じた大尊容」…本田不二雄





[寺院・住職に直言提言]
堀田力 (さわやか福祉財団会長) … 「死を決めるのは誰」
吉目木晴彦 (作家) … 「無宗教の神」




[ショートルポ]
●「全日本仏教会」と紛らわしい「日本仏教協会」という名前の団体は誰が何のために作った組織なのか!?
●国指定重要文化財の仏像ゆえに有償譲渡も寄進も棄却された訳
●建築寄付金を使い込んでも無罪だという主張――長野県・浄土真宗本願寺派寺院住職の横領事件の判決




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【浄土真宗本願寺派】宗会の質問シーンもテレビ中継してほしいという訳
【浄土宗】研究所員提言のお寺が介護者を支援する「ケアラーズカフェ」とは何か









 [好評連載]

 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔84〕
 
「『老いや死を免れる者はあるか』という問いに対する釈尊の答え」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授・寺院住職)

 既刊告知 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第1巻、第2巻(ともに本体価格2,400円)が大好評。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。第2巻は、釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。



 住職のための今月のことば
 
「手のはたらき」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊告知 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最適。



 本当の創価学会問題 〔79〕
 
「数十年にわたって連載されてきた『人間革命』が近く終わる訳と波紋」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔59〕
 
「古代から現代にも続く黄泉の国への葬礼」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔46〕
 「宗教法人と宗教団体の聖俗分離」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 色即是空の科学事始め〔143〕
 
 「パナマ文書とパラダイス文書――全く汚くならないと金持ちにはなれないのかもしれません」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊告知 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔182〕
 「寺族の資質とは何かと考えたら反省ばかりでした」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔73〕
 「慈覚大師の誕生地論争にもなって」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔46〕
 「現代の僧侶を考えるために」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『一般社団法人お寺の未来』代表理事)


 今からの宗教酔眼千里眼〔54〕
 
「日本人と現代仏教の位相(54)――近代日本仏教福祉事業の歩み(2)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔88〕
 「命は宝の宝」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔32〕
 「踊りあるところに『水』あり」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 伯母治之(弁護士)
質問1 先代に任されたと主張して総代が預金通帳も印鑑も新住職に渡さない
質問2 檀信徒会館の完成が遅れて記念事業も地域行事もできなくなる際の対応


 税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 平成30年度税制改正で寺院や住職や寺族の税務はどう変わるでしょうか
質問2 還暦を過ぎた住職が妻や子や孫に非課税で贈与する方法はありますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「明覚上人にちなんだ加賀市の『今年のにほんごコンテスト』」


 在俗の説法者〔189〕 「ぼくをむかえに来て!」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、たちまち大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔93〕 「釈尊の幸福三条件」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 スピリチュアルケア講座〔104〕 「誰にもある映し合う心」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔35〕
 「妻として僧侶として発達障害とどう向き合えばよいか」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 すぐ使える法話セミナー〔12〕 「四苦八苦を説こう」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔232〕 「苦悩を脱する途が哲学なのだけれども、それは誰にものぞめるわけではない。幸い芸術というものがあってこれに心を委ねれば、暫くの間でも気休めができる――ショーペンハウエル」
  渡邉照敬
(真言宗智山派住職)


 いまどきマンガ説法〔69〕 「遊戯」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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