9月号画像
A5判・208頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2018年9月号の主な内容 (Vol.530)

[今月号の特集]

「仏壇じまい」を商標登録した業者が寺院に使用中止を勧告した是非
お寺がホームページに仏壇の抜魂供養を「仏壇じまい」と紹介していたら突然、葬送関連の仲介業者から「その言葉はわが社が商標登録したのでおたくは使えません」と使用差し止めを求められ、住職は仰天した。だが、この請求は法的に正しいものなのか。


ホームページの二重リース契約にはめられたお寺の最悪裁判の警告
裁判記録を見てこんなひどい事実があるものかと憤ったことだ。しかも法的に被害者が一方的にそんな目に遭うのだとしたら何かが狂っている。関東地方の日蓮宗系単立寺院がホームページの制作業者の話につけこまれ、なんと二重債務に陥ったのである。その手口と対策を取材した。


住職にだって退職金が必要というお寺の現実的プラン
住職への退職金支給に賛成が7割……。本誌アンケートへの回答だ。とはいえ、実際に支給するとなれば、まずは先立つものが必要になる。では、現に退職金制度を採り入れるお寺では限りある寺院収入から退職金の原資をどう準備しているのか。7カ寺の実践を取材すると、狙いも積み立て方も千差万別で参考になる。



7月豪雨で深刻な被害を受けた300カ寺以上の恐怖から学ぶこと
死者行方不明者230人、住宅被害は数万棟に及ぶ甚大な被害をもたらした7月の西日本豪雨。お寺も300カ寺以上が被災し、境内が水没したり、土石流の直撃に見舞われるなどの大被害を受けた。住職はその時、どうしたのか。生々しい恐怖の体験、復旧の状況をあえて聞いた。



獄中のオウム死刑囚と一人の住職が交わした書簡230通の光と闇
この7月、オウム真理教死刑囚13 人の死刑が一斉に執行された。石川県かほく市の真宗大谷派寺院の住職は、その一人である井上嘉浩死刑囚と交誼を結び、12年にわたって支援活動を継続、葬儀の導師も務めた。が、そこには迷いや葛藤もあったという。真宗寺院住職としてどのような支援を行い、心を通わせたのか。



異常猛暑にお寺が備えた熱中症対策と住職の命を守る自衛策
8月中旬時点の総務省消防庁の速報では今シーズンの熱中症による死者144人、救急搬送者は7万8345人と過去最高を記録。まさに災害とも言える酷暑の夏だった。参詣者のためにお寺はどんな熱中症対策をしたのか、お盆参りに住職はどんな自衛策をとったかを取材した。



お寺の庭掃除に活かせる最適なブロアの選び方
掃除も修行のうちというが、広い境内の落ち葉掃除は住職、寺族にとって悩みの種。強い味方になるのが、落ち葉を楽々と吹き飛ばしてくれる機械「ブロア」だ。導入を考えるなら、どんな選び方があるのか。メーカー5社と、お寺の実際を取材した。



新連載 臨終医だけしか知らない話(1)
「死んでも死なない細胞が誰にもあるわけ」…志賀貢(内科医/医学博士)

これまで看取った患者は数千人というベテラン内科医がいる。臨終医と自らが語るように、その臨床での知見は極めて豊富で貴重だ。とりわけ住職にとって人はいかに最期を迎えるか医者が見た実際に学ぶべきものは多い。



新連載 日本人はいかに弔われてきたのか(1)
「菩提寺の先祖代々の墓所から見えてくる死者と生者のありかた」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

人は時と共に死に向かうことを自覚する生き物である。同時に、迎えた死の時にも次の先を思うことができる生き物でもある。ここに宗教や死後世界がある。とりわけ日本列島の人々はこの死といかに向き合っているのか連載を始めよう。



好評連載 農村社会学者が問う過疎地寺院の将来(2)
「過疎地の人々は寺院の将来をどう考えているのか意識調査からの危機感」…徳野貞雄(熊本大学名誉教授)

人口減少地にある人々は自らの菩提寺をどう考えているのか、そのアンケート調査の結果は過疎地にとどまらず、大都市の寺院にも直近の重要な傾向を示すものに違いない。「社会移動は従来の寺院に大きな変革を求めている」と農村社会学の権威は指摘する。



第13回本誌「住職関心事アンケート」結果(4)
前号に続き第13回「住職関心事アンケート」の結果をご報告しよう。今回は「ご住職が自らの棺に入れてほしい本3冊」だ。住職があの世に持っていきたい本はやっぱり経本なのか、それとも……。



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔18〕
「お寺で催す各種イベントを檀信徒の勧誘に繋ぐ方法はあるか――檀家減少時代のお寺の方策を考える」…堀内克彦(株式会社寺社旅社長)

いわゆるイベント仏教といわれるほど、近年、多くのお寺がさまざまな催しを始め注目されている。しかしそれが寺院の本当の維持発展になっているのか検証する必要がある。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(36)
「酷暑の毎日になぜお寺には大きな屋根があるのかあらためて考えた」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




好評連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔17〕
「忘れ得ぬ恩師を亡くし僧衣を纏う身なれど不覚にも涙滂沱たり」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔89〕
「経典『不放逸』に学ぶ――相手が在家か出家かで対応すべき説き方」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 新刊発売! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第3巻―なぜお釈迦さまのインドに差別がなくならないのか(本体価格2,400円)をついに刊行! 第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。

 なお既刊の第1巻、第2巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。第2巻は、釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。



秘められた祈りの形講座〔142〕
「なぜに仏法僧に帰依すべきと説かれたか奥義に迫る」…豊嶋泰國(宗教民俗研究者)

 既刊告知 
 本誌連載をもとにした豊嶋泰國著『仏教現世利益事典―天変地異も不幸も乗り越えられる祈りの形』(本体価格3,100円)が檀信徒への説法の幅が広がると大好評です。「お餅を供えたり食べるのは万民豊楽の訳」「寺院で行われる厄除け厄落としにどんな方法があるか」など、現世を生きるための仏教の50のご利益とその実践を実証的に説く。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔31〕
「なぜいま障害者を排除する如き優生思想が広がりつつあるか」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

過度な自己責任・自己努力を求められる現代社会。自立できないように見える人に批判的な視線を浴びせる風潮が、障害者や少数者を排除しようとする優生思想の広がりと重なる……。



今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔169〕
「中国の歴史から判明した日本の茶の正史」…井原今朝男(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)

わが国のお茶の歴史は中国茶に始まることは言をまたない。お茶が茶道として一般に普及したのは室町時代とされてきた。しかし今日の日中両国の研究が進展する中で、その歴史観に大きな変更が求められている。寺院との関係も深い。
 新刊好評! 
 本誌連載をもとにした井原今朝男著『史実 中世仏教』がますます大好評。第1巻「今にいたる寺院と葬送の実像」(本体価格2,800円)、第2巻「葬送物忌と寺院金融・神仏抗争の実像」(本体価格3,500円)。そして最新刊の第3巻「大災害と戦乱の中の僧侶 驚くべき戒律の実相」(本体価格3,500円)もたちまち大絶賛。寺院こそ強い軍事力を持ちえた中世にあって僧侶は何をしたか。これまで未解明の中世約600年の仏教の戒律と「行」から「信」への史実に迫ります。



連載[寺院・住職に直言・提言する]
柳田邦男 (ノンフィクション作家) … 「幼きいのちの言葉」
森達也 (映画監督/作家) … 「オウム死刑囚13人集団処刑を問う」


 新刊発売! 
 本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい!



[ショートルポ]
●地域の誇りである群馬県内の天台宗寺院の池が干上がったままの行政責任
●マンションのゴミ集積場に捨てられた遺骨や位牌の悪質投棄事件と改葬ビジネス摘発




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【曹洞宗】全27専門僧堂の認可をやり直す議案が可決された思惑
【高野山真言宗】宗報が月刊となって住職からの手厳しい声も糧となる









 [好評連載]

 住職のための今月のことば
 
「LGBTと生産性」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊告知 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。



 本当の創価学会問題〔83〕
 
「組織の目的を激しく変えてきた教団を創価学会の会員はどう見ているのか」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔64〕
 
「肉親との死別に服喪儀礼が営まれる深意」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔51〕
 「新法解説…遺言書は法務局に預ける時代になった」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 色即是空の科学事始め〔148〕
 
 「戦場にAIドローン現れる――あのグーグルがペンタゴンと共同研究していた」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊告知 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔185〕
 「護持会費などを檀家はどんな思いで納めているか」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 霊験尊し尊像ミステリー〔9〕
 「仏心と自然が合体した奇跡の観音」
  本田不二雄
(フリーライター)


 いまさら師匠に聞けないこと〔78〕
 「改めて体を動かすわけを学びました」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔51〕
 「ポスト檀家制度時代のために(2)」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『一般社団法人お寺の未来』代表理事)


 今からの宗教酔眼千里眼〔59〕
 
「日本人と現代仏教の位相(59)――近代日本仏教福祉事業の歩み(7)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔99〕
 「イスラム国家か寛容の国かで注目されるパンチャシラとは何か」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔93〕
 「恩を知らぬは畜生にも劣る」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔73〕
 「山崎弁栄著『人生の帰趣』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔37〕
 「念仏踊りが生きている五島列島」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 伯母治之(弁護士)・ 牧野誠司(弁護士)
質問1 生前に高齢檀家に頼まれていても菩提寺の住職では死亡届を出せないのか
質問2 お寺で宿坊やゲストハウスを始めたいが法的に留意すべき点は何か


 税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 豪雨に遭った寺院に義援金を送り無利子融資をする際の経理方法と税務をお教えください
質問2 伽藍や会館建立のために戦後からの借地人に退去してもらう際にはどんな税務がありますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「人類の教師と謳われた鈴木大拙の箴言に学ぶ」


 在俗の説法者〔194〕 「この夏の本当のこと」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、たちまち大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔98〕 「ハムレットとお釈迦様」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 スピリチュアルケア講座〔109〕 「わが子の怪我から学んだこと」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔40〕
 「お題目と共に生きてきた祖母が亡くなって遺したもの」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 すぐ使える法話セミナー〔17〕 「愛別離苦の説き方」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔237〕 「思い込んだら行き詰まり」
  天野こうゆう
(高野山真言宗住職)


 いまどきマンガ説法〔74〕 「元の木阿弥」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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