[月刊『寺門興隆』 2009年10月号より転載]

戒律と倫理 日本佛教学会編 平楽寺書店 10500円
仏教教団において戒律とは何か。どのように捉えれば現代も機能的にはたらくのか。戒律の意義を歴史的背景をもとに考察した論文集。「伝教大師にみる戒と倫理」「戒律制定の根底」他



原始仏教入門 釈尊の生涯と思想から 水野弘元著 佼成出版社 1890円
古代インドの仏教徒の信仰生活や組織とはどのようなものだったのか。原始仏教の概要と特徴を釈尊の伝記を交えながら初心者向けに説いた入門書。



日中浄土教論争 中村薫著 法藏館 9030円
副題は「小栗栖香頂『念佛圓通』と楊仁山」。同じ浄土系でも日本と中国のそれはかなり異なる。明治時代初期に日中の僧侶が、互いの溝と相違を明らかにした論争の全容が紹介される。



北海道の宗教と信仰 佐々木馨著 山川出版社 2415円
先住民族のアイヌと和人が共存する北海道で宗教はいかに根付き、変容したのか。いち早く海を渡った天台宗寺院から、江戸時代の松前藩の宗教政策、現代の宗教事情までを網羅した信仰史。



権力に抗った薩摩人 芳即正著 南方新社 1050円
副題は「薩摩藩政時代の真宗弾圧とかくれ念佛」。鹿児島県の人は日本で最も墓を大事にし、切り花販売量が日本一といわれる。その理由を江戸時代の宗教弾圧、薩摩の真宗禁制に探る。



日本語で読むお経をつくった僧侶の物語 明石書店 2625円
著者は大阪府の真宗大谷派南溟寺・戸次公正住職。大正十四年に名古屋に佛教協会を設立し『新訳仏教聖典』刊行に励んだ大谷派僧侶・木津無庵(一八六七−一九四三)の生涯が辿られる。



日本ひらがな仏教史 大角修著 角川書店 1260円
「仏と人の心がわかる」が副題。先祖供養や戒名の意味など、仏教の基礎知識を、日本仏教史をひもときながら平易に解説。「神と仏の日本列島」他。



図解・曼荼羅の見方 小峰彌彦著 大法輪閣 2100円
曼荼羅の基礎知識から、絵に込められた思想、胎蔵・金剛界の両部曼荼羅の見方までを東京の真言宗智山派住職がカラー写真と共に説くガイドブック。



世界の葬送 松濤弘道監修 イカロス出版 1680円
弔問客を多く集めるために葬儀の席にストリッパーを呼んだり、遺体を残らず鳥に食べさせるなど、異文化の葬送は多様。世界百二十五カ国の葬儀がその宗教観・死生観と共に紹介される。



仏教対人心理学読本 小池龍之介著 サンガ 1470円
なぜ人は「本当の自分」を分かってほしいのか。対人関係に見られる自己愛を山口県の浄土真宗本願寺派副住職が仏教の視点から軽妙かつ鋭く解明。



心がまぁーるくなる禅のおはなし KKベストセラーズ 1300円
著者は本誌連載中の高田明和・浜松医科大学名誉教授。禅の公案集『無門関』に込められた、人生を良く生きるための四十八のメッセージを読み解く。



死んだらおしまい、ではなかった 大島祥明著 PHP研究所 1050円
 著者は千葉県の浄土宗大念寺住職。檀家に「成仏するんでしょうか」と問われたことを機に霊感を感じる訓練に励んだという実例を交えた法話集。



寺からの手紙 元気をもらう98章 影山妙慧著 国書刊行会 1680円
著者は在家からお寺に嫁ぎ、夫と共に瞑想教室を行い、アーユルヴェーダもする千葉県の日蓮宗釈迦寺住職夫人。夫と共に出した寺報を一冊にまとめた。



教養としての日本宗教事件史 島田裕巳著 河出書房新社 1260円
日本人にとって宗教とは何か。仏教伝来から近年のスピリチュアルブームまでを視野に入れ、歴史上の主な二十四の宗教事件から宗教観を浮き彫りに。



図説・宗教と事件 豊嶋泰國他著 学習研究社 1365円
衆院選挙でも明らかになったが、今日の政治と新宗教の関わりは深い。一方でテロ騒ぎを起こす団体もある。霊感商法、集団自殺、教団の内部抗争など近年の宗教事件を辿るムック本。



運慶 天下復タ彫刻ナシ 根立研介著 ミネルヴァ書房 2940円
東大寺・南大門の仁王像は鎌倉期の新様式で彫られた。史料が少なく伝説も多い仏師運慶の事績を長年、文化財保護に携わった研究者が明らかにする。



「黒い手帖」裁判全記録 矢野絢也著 講談社 999円
公明党元書記長が重要資料である手帖を奪われたとして、裁判沙汰になった一件。高裁の逆転判決の全容が明かされる。「三人の訪問者」他。新書判。



アミダサマ 沼田まほかる著 新潮社 1680円
両親が寺の生まれで自らも僧侶経験を持つ女性作家の新作小説。廃棄冷蔵庫から発見された美少女を引き取った村の住職。その日から集落に不思議な事件が起きる。人間の懊悩が描かれる。





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