[月刊『寺門興隆』 2010年4月号より転載]

大日経 住心品講讃 松長有慶著 大法輪閣 3150円
空海の入唐のきっかけとも伝えられ、日本密教の根本経典である『大日経』。その「住心品」を善無畏・一行の『大日経疏』と、チベット訳で残るブッダグヒヤの註釈を併用して総合的に解明。



釈尊のことば 法句経入門 松原泰道著 祥伝社 840円
釈尊の金口を四百二十三の詩篇にまとめた『法句経』。その心を昨年、百一歳で遷化した臨済宗妙心寺派僧侶が現代人向けに分かりやすく説いた入門書。



日本霊異記の世界 三浦佑之著 角川学芸出版 1575円
仏教説話集『日本霊異記』は、仏教思想を背景にしながらも、臨死体験や動物の報恩、怪力の女など異形の者で満ちている。物語に見られる、当時の宗教思想や庶民の祈りの心を読み解く。



大人のための仏教塾 横山良哲著 明治書院 1260円
檀家に知っておいてほしい仏教の常識.が一冊で分かる仏教入門書。愛知県の曹洞宗寺院住職が、仏教伝播の歴史から、お経の意味まで平易に解説。



平等院鳳凰堂 冨島義幸著 吉川弘文館 3150円
現世と極楽浄土を結ぶ空間として建立された宇治の平等院鳳凰堂。従来、個々に論じられてきた仏像・建築・絵画・庭園を総合的に捉え直し、平安仏教における祈りの世界観を解明する。



校訂本宗門葛藤集 訓注・和訳 道前宗閑訓注 禅文化研究所 3885円
『宗門葛藤集』とは、江戸時代に口訣を秘密伝授する密参禅の公案集として作られた日本独自の禅録。今日も参禅者の必須不可欠本という。新たに校訂を施され、訓注・和訳も付された。



現代霊性論 内田樹・釈徹宗著 講談社 1575円
「霊って何だろう?」「スピリチュアルブームの正体」など、現代日本で語られる霊性の正体について本誌連載中の宗教思想家で浄土真宗本願寺派住職と評論家が現象学的な視点から迫る。



親鸞再考 佐々木正著 法藏館 1890円
《善人なおもて往生をとぐ。いわんや悪人をや》の本意はどこにあるのか。真宗大谷派寺院住職が『歎異抄』第二章から悪人凡夫の理解を明らかにする。



考えない練習 小池龍之介著 小学館 1365円
あばら家で坐禅会を開き、ウェブライターとして活躍する浄土真宗本願寺派の若手僧侶が、「頭で考えず、五感を使おう」と提唱する一般向け法話集。



ビルマ仏教徒 守屋友江編訳他 明石書店 2625円
「民主化蜂起の背景と弾圧の記録」が副題。三年前、ミャンマーの僧侶たちが軍事政権に対して激しい抵抗を試みたことは記憶に新しい。軍事政権下の知られざるデモの実態が明るみに。



英訳付What Is Zen? 禅ってなんだろう 淡交社 1680円
著者は静岡県・臨済宗妙心寺派住職の藤原東演。外国人に「和尚さん、禅ってなんですか?」と問われた時に、参考にできる日英対訳付の禅入門書。



国分寺瓦の研究 梶原義実著 名古屋大学出版会 9975円
「考古学からみた律令期生産組織の地方的展開」が副題。国分寺の瓦はどこで生産されたのか。瓦の文様や技法などから古代各地の造瓦組織を論ずる。



初代都太夫一中の浄瑠璃 小俣喜久雄著 新典社 1050円
上方文化栄えた江戸元禄期、浄瑠璃に魅せられた一人の住職がいた。還俗して一流派を築き、やがて江戸にも進出。一中節の草創期と系譜が辿られる。



奈良 秘宝・秘仏の旅 朝日新聞奈良総局編 朝日新聞出版 777円
遷都千三百年にあわせ、特別開帳を行う奈良県下の五十二カ寺と番外編二カ所を、地元紙の古寺社・考古学担当記者が解説する寺社ガイド。新書判。



奈良の大仏 世界最大の鋳造仏 香取忠彦著 草思社 1680円
奈良の大仏は、いかに造られたのか。金工・美術史研究者が天平時代の鋳造技術を様々に推定して、イラストレーターの穂積和夫が大仏建造の始まりから完成までを絵で描いた本の新装版。



17歳からの死生観 山折哲雄著 毎日新聞社 1470円
副題は「高校生との問答集」。七十八歳の宗教学者が高校生と向き合って、宮沢賢治・日本人・無常観・非暴力思想という四つのテーマから死生観を語り合った討論集。「被災者の微笑」他。



ソーシャルワークを支える宗教の視点 聖学院大学出版会 2100円
社会福祉事業と宗教は切り離せない。牧師で神学者のN・ラインホールドが、宗教とソーシャルワークの関係性を論じる。翻訳は高橋義文、西川淑子。



経書解釈の思想史 黄俊傑・辻本雅史編 ぺりかん社 5460円
いま『論語』がブームだが、その思想を支える儒学の経典は朝鮮半島を経て日本へ伝わる過程で様々な変化を遂げた。儒学思想の受容史が明らかに。





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