[月刊『寺門興隆』 2010年11月号より転載]

高僧伝 全四巻 慧皎著 岩波書店 全巻揃い計4095円
仏塔造堂のため、決死の覚悟で仏舎利を求め得た康僧会など、後漢から六朝期までの中国高僧およそ五百人について記された『高僧伝』が初めて全和訳された。翻訳は吉川忠夫・船山徹。



十三仏信仰と大阪の庚申信仰 奥村隆彦著 岩田書院 8295円
法事などの仏事に欠かせない十三仏信仰の成り立ちと展開、大阪を中心とした庚申信仰の実態をさぐった調査研究書。全国各地の十三仏の石造遺品や大阪の庚申塔総覧も収載されている。



禅僧たちの室町時代 今泉淑夫著 吉川弘文館 3990円
室町時代の禅林で僧侶たちはどのように生き、老いていったのか。禅林の公務日記『蔭凉軒日録』などの史料をもとに当時の禅宗集団の修道・修学と堕落・退廃の姿が明らかにされる。



甦る自由の思想家 鈴木正三 森和朗著 鳥影社 1890円
魚屋は魚屋なりに、農民は農民なりの仏教実践生活があると説いた江戸時代初期の曹洞宗僧侶・鈴木正三は、キリスト教を論破した著作『破切支丹』でも知られる。その思想世界を辿る。



日蓮と法華経 永田美穂監修 青春出版社 1189円
なぜ『法華経』は諸経の王と呼ばれるのか。混沌の現代を生き抜くために日蓮の教えはどう生かせるか。分かりやすく書かれた日蓮宗入門書。新書判。



宗教を考える教育 宗教教育研究会編 教文館 2625円
宗教文化士など、教育機関における宗教教育の必要性を問う声が高まっている。日本・韓国・ドイツ・オーストラリアの研究者らが集まって、国公立における宗教教育の可能性を論じた。



お釈迦さまの脳科学 苫米地英人著 小学館 735円
「釈迦の教えを先端脳科学はどう解くか?」が副題。天台宗僧侶でもある脳機能学者が脳科学から仏教を説く。「日本仏教は老荘思想」など。新書判。



釈尊ものがたり 津田直子著 大法輪閣 2310円
誕生から出家、サンガの成立、示寂まで釈尊の八十年にわたる生涯をパーリ語仏教聖典の南伝大蔵経と因縁物語をベースに分かりやすく説いた釈尊伝。



賽銭の民俗誌 斎藤たま著 論創社 2415円
なぜ仏様に向かってお金を投げるのか、お金の前は米を投げていた、など賽銭にまつわる民俗と歴史をフィールドワークしたユニークな宗教民俗研究。



また会える「さようなら」 佐藤雅彦著 佼成出版社 1470円
「末期がん患者に仏教は何ができるのか」が副題。著者は長年、末期がん患者のベッドサイド訪問を行ってきた東京の浄土宗浄心寺住職。何を説き、伝えてきたかが体験と共に綴られる。



他者・死者たちの近代 末木文美士著 トランスビュー 3360円
明治以降、急速な変革を求められた社会状況に仏教をはじめとする思想はいかに対応してきたか。戦争批判から文学への影響までを視野に入れ論じる。



山伏・修験道の本尊 蔵王権現入門 金峯山寺著 国書刊行会 1575円
像高約七bの巨大な忿怒像、金峯山寺本尊蔵王権現はいったい何者なのか。蔵王権現から吉野の修験道の世界までを総本山金峯山寺が分かりやすく解説。



佛説譬喩經 旅人の甘い蜜 小林澤應著 コミニケ出版 1575円
『佛説譬喩経』は蜂蜜の甘さに心を奪われ、火に迫られてしまう旅人の話を描いた短い仏教説話。奈良の薬師寺録事が経典の原典を添えて絵本化した。



なごりおしく思えども娑婆の縁つきて 尼子哲也著 法藏館 1890円
著者は平成十四年、悪性がんにより六十九歳で遷化した大分県の真宗大谷派福円寺住職。病を得てから亡くなるまでに行われた渾身の法話が一冊に。



一度きりの人生だから 青山俊董著 海竜社 1575円
参禅ばかりでなく茶道や華道を通じた分かりやすい布教を行う曹洞宗の尼僧による法話集。「自分を本気にさせる」「『もう一人の私』を育てる」他。



五重塔のはなし M島正士・坂本功監修 建築資料研究社 1995円
現代の五重塔はどのように造られるのか。身延山など近年、各地で五重塔建設に携わった建築士や棟梁らの執筆陣によるQ&A式の入門書。「五重塔を建てるにはいくらかかるの?」など。



かたじけなさに涙こぼるる 白洲信哉著 世界文化社 2310円
副題は「祈り 白洲正子が見た日本人の信心」。日本各地の仏像や古刹を訪ね鋭い感性で美を表現した白洲正子は何を見たのか。孫でもある著者が祖母の辿った道を歩く。写真・野呂希一。



スリランカで、ほっ。 岩瀬幸代著 長崎出版 1890円
 「仏教は心のアーユルヴェーダ」が副題。生活に仏教が色濃く息づくスリランカ。同国にほれ込んだ旅行ライターがお寺を中心とした人々の姿を描く。





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