[月刊『寺門興隆』 2012年3月号より転載]

南北朝・隋代の中国仏教思想研究 菅野博史著 大蔵出版 17000円
日本にも大きな影響を与えた初期中国仏教から三大法師までの『法華経』『維摩経』『涅槃経』に至る思想展開を考察する二十七編の論考。「智は果たして法華経至上主義者か?」他。



涅槃図の図像学 赤澤英二著 中央公論美術出版 12000円
「仏陀を囲む悲哀の聖と俗 千年の展開」が副題。涅槃図は様々な伝説や物語が織り込まれている。個々の物語が絵画のモチーフとして成立する経緯と過程を豊富な資料をもとに考察する。



大和古寺の研究 東野治之著 塙書房 12000円
仏教伝来間もない頃に建立された寺院はどのような姿だったか。資材帳や縁起を手がかりに建築史・工芸史・彫刻史など幅広い分野から明らかにする。



稲荷信仰の世界 大森惠子著 慶友社 5700円
「稲荷祭と神仏習合」が副題。寺社からビルの屋上、個人宅まで稲荷信仰は日本人の生活空間に息づいている。宗教行事や芸能、民俗などを歴史的推移を視野に入れた研究成果が一冊に。



絵馬をあるきよむ 松本三喜夫著 岩田書院 3800円
難船図や牛鬼、蒸気船など寺社に掲げられた巨大な絵馬には、時代を反映したユニークな図柄のものがある。全国の絵馬を訪ねてその祈りの姿を探る。



グローバル化するアジア系宗教 中牧弘允他編 東方出版 4000円
人・物のグローバル化が進む中、仏教やキリスト教など諸宗教はいかに教線を広げているか。タイ仏教の日本布教、西欧における浄土真宗、韓国で広がる世界救世教などの実地調査報告集。



生と死の心理学 大塚秀高著 阿吽社 5000円
臨床心理の現場から見た生老病死にかかわる現代的課題と密教との接点を明らかにしようとする研究論考。著者は大正大学で長年、臨床心理学の研究を行ってきた真言宗智山派寺院住職。



尼さんはつらいよ 勝本華蓮著 新潮社 700円
三十代半ばで天台宗で出家、パーリ語の研究者でもある女性僧侶が、尼寺の現実や住職の男女格差など仏教界の本音と建前を軽やかに綴る。新書判。



いさぎよく生きる 大下大圓著 日本評論社 1500円
「仏教的シンプルライフ」が副題。自坊のある飛騨・高山を拠点にホスピス活動や臨床活動を行ってきた高野山真言宗住職が、様々な相談事への応答を示しつつ仏教的生き方を説く法話集。



夜の紙芝居 宮地直樹著 講談社 1400円
仕事帰りのサラリーマンやOLに、繁華街のレストランでオリジナルの紙芝居を行い大人気の曹洞宗寺院住職が、僧侶として作家としての思いを綴る。



法然の編集力 松岡正剛著 NHK出版 1800円
日本独自の浄土思想はいかに生まれたのか。編集工学研究所所長が編集の視点から、法然の思想の真髄に切り込む。臨済宗僧侶の町田宗鳳との対談も。



落語家の法話集なのです。 桂米裕著 高野山出版社 1400円
人間国宝・桂米朝の弟子で高野山真言宗住職、本山布教師でもある著者が、落語家や僧侶の経験をもとに仏の教えをユーモアを交えて説く異色の法話集。



生ききる。 瀬戸内寂聴・梅原猛著 角川学芸出版 724円
東日本大震災から何を学び、どこに進むか。共に東北に縁のある天台宗僧侶と、哲学者が語る。「『日本人』のアイデンティティとは何か」他。新書判。



仏の智慧に生きる 海恵宏樹著 北國新聞社 1800円
「苦しみが感謝に変わる教え」が副題。石川県の真宗大谷派寺院住職の法話集。「なぜ仏の教えが必要か」「いのちの真実に目覚めて生きる」他。



知っておきたい日本の年中行事事典 常光徹他編 吉川弘文館 2700円
雛祭り、お彼岸、潅仏会、八十八夜など季節や節目ごとに年中行事が営まれてきた日本。意外に知らない行事の意味や謂れが確認できる年中行事事典。



清貧の人 土光敏夫 浜島典彦著 大法輪閣 1000円
経団連会長など戦後の日本経済を引っ張ってきた財界人・土光敏夫は生涯、熱心な法華経信者だった。その人生を信仰や家族の絆から読み解く評伝。



浄土と虚無 松塚豊茂著 法藏館 1600円
NHKの長寿番組『宗教の時間』で知られる金光寿郎・元ディレクターと京都学派の宗教学者である著者が仏教を拠りどころにした生き方を対談する。



坐禅は心の安楽死 横尾忠則著 平凡社 1300円
副題「ぼくの坐禅修行記」。アーティストの著者は三十代の時、毎月のように禅寺に通い朝から晩まで修行していた。当時を振り返る自伝的エッセイ。





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