[月刊『寺門興隆』 2012年6月号より転載]

日本葬制史 勝田至編 吉川弘文館 3500円
古来より、人は死者をどのように弔ってきたのか。死体が放置された平安京、棺おけが山積みになっていた江戸時代など時代ごとの葬墓制を見つめ、日本人の他界観と死生観を浮き彫りに。



『正法眼蔵』『永平広録』用語辞典 大谷哲夫編著 大法輪閣 4000円
曹洞宗の根本聖典『正法眼蔵』と弟子たちの説法を記録した『永平広録』を理解するに必要な重要仏語・人名・故事・成語など約四千三百項目を解説。巻末には「中国禅宗略地図」など収載。



虚構ゆえの真実 新中国禅宗史 大蔵出版 4500円
 著者は米国の仏教研究者で駒澤大学や東京大学でも教鞭をとった故、マクレー・J・R。法系、首都禅、機縁問答の謎などに着目し、躍動的な中国禅宗の実像を描き出す。解説は小川隆。



近代仏教という視座 大谷栄一著 ぺりかん社 5000円
「戦争・アジア・社会主義」が副題。現代に続く近代仏教とは何だったのか。明治から昭和にかけて、青年を動かした宗教改革、政治改革、アジア主義などの運動や精神に注目し明らかにする。



仏教 言葉の思想史 末木文美士著 岩波書店 6500円
仏教の何を日本人は注目したのか。重要用語や概念をインド・中国の原典に遡って検証し、翻訳文化としての仏教の核心に迫り、内なる批判原理としての仏教再構築を試みた学術書の復刊。



祖霊と精霊の祭場 高田照世著 岩田書院 11800円
雨乞いの仏教儀礼や森神信仰など古くからの民俗祭事が今なお伝承される奈良、京都、滋賀をフィールドに時代の変遷と信仰の現代性を探る研究書。



宮澤賢治の深層 P・A・ジョージ・小松和彦編 法藏館 7000円
独自の世界観で今なお多くを魅了する宮澤賢治。その世界観を宗教学、民俗学、心理学などの視点から読み解いた論考集。「なぜ、宮澤賢治は浄土真宗から日蓮宗へ改宗したのか?」など。



恐山 死者のいる場所 南直哉著 新潮社 700円
亡き人が「死者」として現前する場とされる恐山。様々な死別の思いを抱えた人々を迎えてきた恐山菩提寺院代が、弔いの意義と3・11以後の無常を生きるための死生観を問う。新書判。



重いけど生きられる 山本英照著 イースト・プレス 952円
檀家はもとより政治家まで延べ四万人が泣き、笑ったという福岡県の中山身語正宗金剛寺住職の法話集。悩み相談所などの実体験から四十六話を収載。「老いた親から目を背けるな」など。



共に在りて 千葉望著 講談社 1400円
 「陸前高田・正徳寺、避難所となった我が家の140日」が副題。大津波被災地のお寺で何が起きていたか。住職、坊守、住民らの活動を追ったノンフィクション。



寄り添う般若心経 松兼功著・小野庄一写真 小学館 1200円
作家で詩人の著者は脳性マヒによる後遺症により鼻先でキーボードを打つ。「魂で訳した」という『般若心経』自由訳に四国巡礼の写真が添えられる。



空海入門 加藤精一著 角川学芸出版 667円
空海は日本の文化史上にどのような影響を与えたのか。『三教指帰』など著作の読み解きから思想、社会活動、芸術、死生観と多角的に論じる。文庫判。



柔らかな心で 板橋興宗著 北國新聞社 1200円
元曹洞宗管長で、福井県越前市の御誕生寺住職による心あたたまる法話集。「幸せになる生き方とは」「身を焼く不倫、しっと」「亭主が嫌い!」他



頭が冴える禅的思考 枡野俊明著 ソフトバンククリエイティブ 648円
「発想に限界を感じる」など会社員の悩みを打開するにはどうすればいいか。世界的庭園デザイナーである曹洞宗住職が禅的思考から指南。文庫判。



良寛 市川隆一郎著 相模書房 1600円
「すべてことばはをしみをしみいふべし」が副題。今も僧俗に広く愛される江戸時代の曹洞宗僧侶、良寛(1758−1831)の生涯を辿る評伝。



路傍の庚申塔 生活のなかの信仰 芦田正次郎著 慶友社 2800円
中国の道教をルーツとし、平安時代に伝わった庚申信仰は今も日本各地に息づいている。関東地方を中心に石塔や板碑から、多様な信仰習俗を探る。



今昔物語集と日本の神と仏 小峯和明監修 青春出版社 1133円
羅城門の鬼、空海の法力など平安時代に成立した説話集『今昔物語集』は様々な神仏が登場。千五十九の物語から日本の死生観、信仰を探る。新書判。





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