[『月刊住職』 2014年12月号より転載]

大乗起信論新釈 吉津宜英著 大蔵出版 2700円
すべての衆生に仏性あり、とする如来蔵思想の系統に立つ『大乗起信論』。長年その研究に携わってきた碩学が、如来蔵説の定義を見直し、衆生の菩薩行実践という新たな視座から読み解く。



奈良時代の官人社会と仏教 大艸啓著 法藏館 3000円
一万数千点に及ぶ正倉院文書には、当時の僧尼の交流、仏教儀礼への奉仕、私的な仏事の貴重な記録が残る。史料から奈良時代の仏教普及過程が浮き彫りにされる。「写経所官人と仏教」他。



日本中世の地域社会と仏教 湯之上隆著 思文閣出版 8000円
写経や法会、開板事業、偽文書、紀行文などを通じて古代から近世に至る地域社会における仏教と社会との関係性を、静岡県を中心に考察した論考。「五部大乗経成立の歴史的前提」他。



願生浄土の仏道 尾畑文正著 福村出版 3700円
阿弥陀の本願に応答する往生浄土とは何か。世親、曇鸞、親鸞へと続く思想の系譜を辿り、その願意が明らかにされる。「浄土表現の現実的意義」他。



霊場の考古学 時枝務著 高志書院 2500円
吉野金峯山、高野山から京都六角堂や奈良の元興寺極楽坊まで中世の霊場の構造を遺構・遺物・出土状況といった考古資料や考古学手法を通じて明らかにする。「山岳霊場と海の道」など。



高野山 松長有慶著 岩波書店 880円
来年、開創千二百年を迎える高野山。四季折々の魅力と歴史、移り変わり、文化財などを高野山で生まれ育ち、密教研究の第一人者でもある高野山真言宗前管長が思いを込めて綴る。新書判。



一遍 日本人のこころの言葉 今井雅晴著 創元社 1200円
生きるか死ぬかの時代に仏法は当体の一念の外には談ぜざるなり≠ニ只今の一念心によって阿弥陀仏の感得の道を説いた一遍。その教えを『一遍聖絵』『一遍上人語録』などから読む。



現代文 説教の秘訣 増補版 国書刊行会 3800円
節談説教者として名を馳せた明治の真宗大谷派僧侶、大須賀順意が若き布教師のために心構えから声の鍛え方、説教の構成法などを書いた『説教の秘訣』を現代向けに編纂。府越義博編訳。



宗教・いのち・国家 島薗進対談集 平凡社 2200円
宗教と医療はどう連携できるか、脱原発思想と宗教は? 宗教学者が作家、牧師など七人(柳田邦男、柏木哲夫、中島岳志、本田哲郎、高橋哲哉、内藤正典、原武史)と真摯に語った対談集。



人間だけでは生きられない 池内了著 興山舎 2300円
本誌連載中「色即是空科学事始め」を単行本にしました。見えないものをありのままに、隠そうとするものを明らかに、科学と仏教を一体にした宇宙物理学者の厳選70話。



ブッダ「愛」の瞑想 KADOKAWA 1300円
「社会参画仏教」を掲げて平和活動に取り組み、また近年はマインドフルネスの提唱でも知られるベトナム僧侶のティク・ナット・ハンによる法話集。



覚悟の力 宮本祖豊著 致知出版社 1500円
十二年間比叡山に籠もって修行する、十二年籠山行を満行した比叡山延暦寺居士林所長が、荒行を通じて得たことを綴る。「掃除ととらわれの心」他。



捨てる幸せ 藤原東演著 あさ出版 1300円
副題は「シンプルに、ラクに生きる『禅の教え』」。欲や人間関係、悩み、怒りを手放すことで見える幸せがある。静岡県臨済宗妙心寺派住職の法話集。



ありがとうありがとう さようならさようなら さくら舎 1400円
著者は歌う尼さんとして、全国を行脚する奈良県の浄土真宗本願寺派教恩寺のやなせなな住職。出会いと別れのいのちを生きる尊さに向き合う法話集。



仏教先進国ミャンマーのマインドフルネス 西澤卓美著 サンガ 1800円
著者はミャンマーで出家、現在は日本国内でヴィパッサナー瞑想指導などを行う日本人比丘。自らの体験を通じ仏教国ミャンマーの日常と信仰を綴る。



親鸞 完結編 五木寛之著 講談社 上下巻揃い3000円
足かけ六年にわたり、全国37紙で連載されていた『親鸞』の完結編。同編では京都に戻り『教行信証』の完成に力を注いだ激動の晩年が描かれる。



葬儀・墓地のトラブル相談Q&A 民事法研究会 2900円
葬儀や墓地をめぐるトラブル防止のための基礎知識から具体的対策まで96事例をあげQ&A式で解説される。長谷川正浩・石川美明・村千鶴子編。





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