[『月刊住職』 2015年7月号より転載]

近世仏教の制度と情報 朴澤直秀 吉川弘文館 11000円
 幕府の宗教統制の実態はいかなるものだったか。法令に着目し、情報と制度化の関係から寺檀制度成立の真相に迫った研究論考。「寺檀制度をめぐる通念と情報」「半檀家論の再検討」他。



近代日本の宗教論と国家 前川理子著 東京大学出版会 7600円
国家主義へと向かう近代日本において宗教・宗派を超えた「宗教学」の誕生、そして国家や国体思想との関係性を思想史の観点から捉えた研究論考。「宗教教育導入論の台頭と背景」他。



ダライ・ラマ「菩提心の解説」 大蔵出版 2700円
チベット仏教の真髄ともいわれるナーガールジュナ(龍樹)の『菩提心の解説』をダライ・ラマ十四世が読み解いた講義録。マリア・リンチェン訳。



日本仏教は仏教なのか? 第一巻 藤本晃著 サンガ 2000円
飛鳥時代の仏教伝来以後、独自の発展と展開を遂げた日本仏教。原始仏教との違いや日本仏教の特徴を、宗教学者で浄土真宗本願寺派住職が説く。



日本仏像史講義 山本勉著 平凡社 860円
日本の仏像といっても、朝鮮文化の影響を色濃く残す飛鳥時代の仏像と、江戸時代の円空仏は大きく異なる。日本仏像史に起きた変革と独自の発展を仏像研究者が明らかにする。新書判。



ブッダ伝 生涯と思想 中村元著 KADOKAWA 1000円
人はいかに生きるべきか。釈尊の生涯を辿りながら、その教えを『スッタニパータ』『ダンマパダ』など聖典の言葉と共に平易に解説する。文庫判。



河口慧海著述拾遺 上下巻 高山龍三編 慧文社 18000円
仏教の原典を求め日本人で初めてチベットのラサに到達した河口慧海。近年新たに発見された著述や対談、随筆、手記、書簡などを探検談、チベット日本文化関係論と項目別に分けて収録。



四川チベットの宗教と地域社会 小西賢吾著 風響社 5000円
一九四九年、中華人民共和国建国の際に中央政府の管理下に置かれた四川省山岳地帯のボン教は、破壊と衰退の時期を乗り越え再び人々の心をつないでいる。その核となる宗教実践の調査。



仙 無法の禅 玄侑宗久著 PHP研究所 1500円
○△□など洒脱な禅画で知られる仙高セが、そこに到達するまでの精神の遍歴とはいかなるものだったのか。作家でもある臨済宗妙心寺派住職が迫る。



本願寺白熱教室 小林正弥監修・藤丸智雄編 法藏館 1400円
お寺は原発に反対すべき? 大災害が起きたら住職は救援活動に行くべき? お寺が直面する現代の課題と可能性を公共性という視点から問題提起。西本願寺で行われた白熱討論も収録。



浄土から届く真実の教え 梯實圓著 自照社出版 1000円
副題は「『教行証文類』のこころ」。昨年、遷化した浄土真宗本願寺派元勧学が『教行証文類』の解説を通じて信心のありようを伝え遺した法話集。



刺さる言葉 南直哉著 筑摩書房 1600円
死者を思うとはどういうことか。生きる苦しみは何に由来するのか。恐山菩提寺院代を務める曹洞宗住職が綴るブログ「恐山あれこれ日記」の書籍化。



酒井大岳の「語るより歩む」 酒井大岳著 太陽出版 1300円
「人生は理屈ではなく実践だ!」が副題。文学者としても活躍する群馬県の曹洞宗住職による法話集。「金子みすゞの詩と出会う」「一行三昧」他。



ドイツ人禅僧の心に響く仏教の金言100 宝島社 1400円
著者はドイツに生まれ、日本留学を機に禅僧となった兵庫県の曹洞宗安泰寺のネルケ無方住職。人生の悩みに応える仏教の名言を独自の視点で紹介。



お坊さんにまなぶこころが調う食の作法 星覚著 Discover21 1400円
著者はベルリンを拠点に国内外で禅の布教に励む30代の曹洞宗僧侶。大本山永平寺に伝わる禅の食作法とその意味を説く。「禅で洗われる身体」他。



スリランカで運命論者になる 杉本良男著 臨川書店 2000円
「仏教とカーストが生きる島」が副題。国立民族学博物館教授が30年にわたるスリランカ、インドの実地調査から見えた宗教と政治の姿を報告する。



山の神々と修験道 鎌田東二監修 青春出版社 1120円
日本人はいつ、どのようにして山を信仰するようになったのか。霊山に伝わる観音信仰、羽黒権現、火渡り、護摩焚きなどから山岳信仰の源流を辿る。



死別の社会学 澤井敦・有末賢編著 青弓社 3000円
配偶者との別れ、看取り、自死など死別の苦しみを人はどのように乗り越えるか。個々の事例をもとに社会学の視点から、立ち直りの過程を読み解く。





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