[『月刊住職』 2017年12月号より転載]

道教経典の形成と仏教 神塚淑子著 名古屋大学出版会 9800円
仏教の伝来を受け、中国固有の思想との相克のなか、道教の経典はいかにして形成されたのか。経典・儀礼・聖像等を通して、六朝隋唐時代におけるダイナミックな展開が描き出される。



『教行信証』「信巻」の究明 本多弘之著 法藏館 9000円
副題は「如来回向の欲生心」。死後に救われるのではなく、信心獲得すれば凡夫のままで本願の真実に生きるという親鸞の他力思想の真髄を、親鸞仏教センター所長が平易に解説している。



法印様の民俗誌 関口健著 岩田書院 8900円
法印様とは、東北地方で活動する旧修験系宗教者。山形県内陸部を中心に今も信仰を集めるその実態が、歴史的展開から浮き彫りにされる。「鉱山師達の山岳信仰」「法印様の宗教活動」他。



天皇墓の政治民俗史 岩田重則著 有志舎 3400円
近現代の神道的な形式による天皇墓は、他の時代と比べると異質という。差異の訳を、関連資料および武士墓、庶民墓とも比較しながら古代から近代にかけての天皇墓の変遷が辿られる。



宗教の誕生 月本昭男編 山川出版社 3500円
仏教、キリスト教、ヒンズー教など今に伝わる宗教はいかにして生まれたのか。アニミズム、トーテミズム、シャマニズム、祖先崇拝に宗教の起源を探り、宗教とは何かが考察されている。



日本の奇僧・快僧 今井雅晴著 吉川弘文館 2200円
卓越した能力と視点で人々の心を捉え、時代を変えていった奇僧・快僧十人(道鏡、西行、文覚、親鸞、日蓮、一遍、尊雲、一休、快川、天海)の行動エネルギーとその実像が検証される。



坐禅の真実 酒井得元著 大法輪閣 2100円
駒沢大学で教鞭を取りながら、沢木興道老師と共に僧堂で雲水の指導にもあたった曹洞宗僧侶による『正法眼蔵 坐禅儀』『大智禅師法語』の提唱録。



運慶のまなざし 金子啓明著 岩波書店 2000円
今秋、東京国立博物館でも多くのファンを集めた運慶展。興福寺国宝館館長が、彫像の視線と僧侶でもあった運慶自身の眼差し、使われた霊木などからその「かたち」の魅力を読み解く。



高田長老の法隆寺いま昔 高田良信著 朝日新聞出版 1500円
十二歳で法隆寺の小僧となり、法隆寺史編纂に力を入れ、藤ノ木古墳被葬者論にも一石を投じるなど古代史ブームを牽引し、今年七十六歳で遷化した法隆寺元住職の自伝。小滝ちひろ構成。



史実 中世仏教 第三巻 井原今朝男著 興山舎 3500円
 「大災害と戦乱の中の僧侶 驚くべき戒律の実相」が副題。連載中の「今にいたる中世の寺院僧侶や在家その実像」単行本化第三巻。鎌倉新仏教の実態に迫る。



空海の瞑想で迷いが消える! 超健康になる! マキノ出版 1500円
著者はスピリチュアルケアなど医療と仏教の融合を実践してきた飛騨の高野山真言宗千光寺の大下大圓住職。瞑想の実践法を付録DVDと共に解説。



なぜ死ぬのが怖いのか? PHP研究所 1400円
臨済宗円覚寺派の横田南嶺管長と、漢方医の桜井竜生医師が、生・病・死について対談。「私も死ぬのが怖かった」「薬が効く時、効かない時」など。



貧しく辛いさきに真理がある 金嶽宗信著 さくら舎 1400円
生きる中で避けられない苦しみに、どう向き合うか。東京の臨済宗大徳寺派住職が先師の教訓を交えて説く法話集。「権力に屈せず純禅を貫く」他。



社会に関わる仏教 尾畑文正著 樹心社 1700円
著者は真宗大谷派南米開教監督。各地の戦争や紛争、東日本大震災と原発事故など国内外で起きている様々な問題に信仰と社会のあり方を問いかけている。



えんま様の格言 名取芳彦著 永岡書店 1100円
「心の天気は自分で晴らせ!」が副題。落ち込んだり、悩んだりした時はえんま様の格言をと、東京の真言宗豊山派住職が仏教を分かりやすく伝える。



アジャ・リンポチェ回想録 集広舎 2778円
中国の支配下に置かれたチベットの実態を、48年間にわたり現地に身を置いたモンゴル人チベット仏教指導者が回想。三浦順子監訳、馬場裕之訳。



身心変容の科学〜瞑想の科学 鎌田東二編 サンガ 3600円
瞑想法、マインドフルネスが受けている。瞑想によって身心はどう変容するのかが科学と宗教の視点から論じられる。「瞑想の脳科学の現在」など。





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