[『月刊住職』 2018年6月号より転載]

浄土宗の展開と総本山知恩院 今堀太逸著 法藏館 7500円
死を身近に感じた前近代において、生老病死を説く僧侶の言葉は庶民にどう受け止められたか。浄土宗と知恩院の歴史から日本人の仏教観が浮き彫りにされる。「室町公家と中陰・年忌」他。



観音・地蔵・不動 速水侑著 吉川弘文館 2200円
なぜ他の諸仏よりも観音・地蔵・不動の三尊は日本人の信仰を集めたのか。大陸からの伝承、霊場の形成、社会の階層を超えた受容など信仰史が読み解かれる。「個性のないホトケたち」他。



徳川時代の異端的宗教 曽根原理著 岩田書院 2600円
江戸時代に「神道―実霊宗神道」を提唱し、衆徒や本寺である寛永寺からの反発を受けて八丈島に流された天台僧侶で信濃国戸隠山勧修院別当・乗因(1682−1739)の思想に迫る。



絵解き融通念仏縁起 阿波谷俊宏著 奈良新聞社 1200円
開祖・良忍上人の行跡と念仏の霊験を綴る上下二巻の融通念仏縁起は、往生を願う勧進活動の一助として作られた。本来の宗教絵巻としての読み解きを奈良の融通念仏宗前住職が手掛ける。



曽我量深に聞く宗教的要求の象徴・法蔵菩薩 大法輪閣 3000円
著者は京都・浄土真宗本願寺派一行寺の那須信孝住職。唯識思想を基盤に真宗学を打ち立てた曽我量深の論考から、法蔵菩薩と阿頼耶識の関係を考察。



聖なる霊場・六郷満山 大分県立歴史博物館編 戎光祥出版 1500円
六郷満山とは大分県の国東半島一帯に広がる寺院や行場の総称。山岳信仰はじめ天台仏教・浄土思想などが融合した独自の宗教文化と歴史の謎に迫る。



よく生き、よく死ぬための仏教入門 田中利典著 扶桑社 850円
終活ブームの一方で、弔いの本質たる祈りや葬送儀礼が軽視される風潮がある。金峯山修験本宗元宗務総長が、仏教の本当の教えと在家仏教・優婆塞信仰のすすめを説く入門書。新書判。



あいうえお五十音図は明覚さんが映し出したことばの曼荼羅です。 山口謠司著 游学社 800円
五十音配列の基礎は、平安時代の明覚上人がサンスクリット語などをもとに作ったとされる。日本語のルーツを小学生にも分かりやすく解説している。



木喰上人 柳宗悦著 講談社 1800円
独特の笑みを湛える木喰仏を「再発見」したのは民藝運動提唱前夜の思想家たちだった。全国各地を訪ね木喰仏を発掘調査した研究記録の文庫本化。



歎異抄はじめました 釈徹宗・大平光代著 本願寺出版社 1400円
異なる道を歩みながらも、ともに浄土真宗本願寺派の僧侶である宗教学者と弁護士が『歎異抄』に込められた親鸞聖人のメッセージについて語り合う。



仏教と医療の協力関係 自照社出版 1200円
浄土真宗本願寺派ビハーラ大分の公開講座の講演録。患者・介護者・遺族とそれぞれの立場から老病死を受容する仏教と医療の新たな境地が語られる。



江戸の祭礼と寺社文化 滝口正哉著 同成社 2500円
寄席や富くじ、相撲興行など伝統芸能やイベントのルーツは江戸時代の寺社文化にある。当時の寺社が担っていた信仰文化と社会的役割が考察される。



地獄への招待 西山克編 臨川書店 2300円
宗教ごとに地獄の観念は異なる。仏教、キリスト教、イスラム教、マニ教、儒教における死後の裁きや地獄観が各分野の専門家により解き明かされる。



禅談 澤木興道著 筑摩書房 840円
「絶対のめでたさ」とは何か、「自己に親しむ」とはどういうことか。多くの僧侶を育てた曹洞宗僧侶、澤木興道(1880−1965)の説法録。



宗教と資本主義・国家激動する世界と宗教 KADOKAWA 1600円
ジャーナリストや宗教学者など5人(池上彰、佐藤優、松岡正剛、碧海寿広、若松英輔)が、宗教と資本主義・国家や社会について語り合った講演録。



科学と宗教 対立と融和のゆくえ 金子務監修 中央公論新社 2000円
人工知能が進展する時代に宗教はどうなるのか。ガリレオ裁判から、仏教思想における心の問題まで、科学と宗教の歴史、展望などを論じた解説書。



「宗教」で読み解く現代ニュースの真相 SBクリエイティブ 820円
関眞興著。世界で起きている政治的対立の理解には宗教知識が欠かせない。昨今の世界情勢を伝える37のニュースを厳選し、宗教との関係性を解く。



東海仏像めぐり 田中ひろみ著 ウェッジ 1300円
神仏習合や白山信仰の影響を受けた愛知・岐阜・三重の東海地方の55カ寺、107体の仏像をイラストレーターが絵と平易な文章で紹介している。





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