[『月刊住職』 2019年2月号より転載]

日本の梵鐘 新装版 坪井良平著 吉川弘文館 25000円
時や祭礼を告げる梵鐘はいつ、誰が制作したのか。古代から近世に至る日本および琉球の梵鐘史を叙述した梵鐘研究の基本文献が新装版で復刊された。巻末に都道府県別、人別等の索引付き。



比叡山の僧兵たち 成瀬龍夫著 サンライズ出版 1800円
副題は「鎮護国家仏教が生んだ武力の正当化」。中世の仏教教団に不殺生戒を破る武装した僧兵は、なぜ生まれたか。武力正当化の論理を、抗争の史実と当時の教団の仕組みから考察する。



ダニヤ経 吉水秀樹文・畠中光享絵 方丈堂出版 1800円
副題「ブッダが説くゆるがないしあわせ」。最古層の仏説を伝承する『スッタニパータ』第一章の二の「ダニヤ経」の真髄を京都の浄土宗住職が解説する。挿し絵26点は日本画家の作。



真宗教団と「家」制度(新版) 森岡清美著 法藏館 17000円
西本願寺を中心とする真宗系諸教団の基盤を、社会学における「家」制度研究の視点から迫り、教団の近世的構図を明らかにするとともに戦後の教団の変容をも捉えた記念碑的名著の復刊。



論集 新羅仏教の思想と文化 GBS実行委員会編 東大寺 2000円
東大寺の大仏建立や南都仏教の興隆に大きくかかわる新羅仏教の具体相について、日韓の研究者七人が討論、発表したシンポジウムの報告・研究論集。



日本仏教の近代化 髙瀬武三著 風詠社 1500円
歴史あれど荒廃した名刹復興のため、檀家制を廃止し、会員制を敷いて見事に復興させた宗教学者でもある禅宗の住職が、日本仏教史をもとに近代化への課題と今後の寺院経営を論じる。



今を生きるための密教 本田不二雄・武藤郁子著 天夢人 1800円
密教とは何か。その基礎知識から修行や祈祷の実際までを、密教学の専門家や現場の僧侶に教えを請いながら初心者にも分かりやすく解説した入門書。



政治化する宗教、宗教化する政治 池澤優編 岩波書店 2300円
シリーズ「いま宗教に向き合う」の第4巻は、90年代以降の世界各国における宗教の地殻変動を捉える論考集。「上座仏教とナショナリズム」他。



禅とは何か 水上勉著 中央公論新社 960円
幼少期に京都の禅寺に預けられ、お寺や僧侶をモチーフとした作品を数多く生んだ作家が栄西から良寛に至る禅僧の「純禅」の生きざまから臨済禅と曹洞禅について綴った名著の文庫本化。



禅のおしえ12か月 青山俊董著 佼成出版社 1500円
参禅指導から茶道・華道まで禅普及に努める曹洞宗住職が、どんな状況にも自分を主人公として生きる姿勢を綴る。「柳のように、しなやかに」など。



平常心の心得 枡野俊明著 総合法令出版 1300円
怒りや焦り、悲しみなどの感情を手放すにはどうすればいいのか。庭園デザイナーでもある横浜の曹洞宗住職が禅語を通じて心の持ち方を説く法話集。



〔禅的〕持たない生き方 金嶽宗信著 Discover21 1300円
後ろ向きな感情も、いらない人間関係もいさぎよく「捨てる」ことが肝要と、大河ドラマの仏事監修や指導も務めた東京の臨済宗大徳寺派住職が説く。



ラジオde歎異抄 土岐慶正著 富山新聞社 1400円
富山県の浄土真宗本願寺派住職が、地元のFM 「ラジオたかおか」を通じて親鸞聖人の言葉を伝える人気番組の内容を収録。「往生極楽のみち」他。



解脱寸前 究極の悟りへの道 小池龍之介著 幻冬舎 780円
「私」とは何か。究めた先に見えたのは煩悩を滅する悟りへの道だった。野宿の瞑想生活に入った僧侶が綴った法話集。「正しくありたい私」など。



プチ修行できるお寺めぐり 産業編集センター 1500円
全日本仏教青年会が監修した修行体験できる寺院ガイドブック。坐禅、寺ヨガ、写経、精進料理体験など門戸を開く全国50カ寺を写真と共に紹介する。



タイの地獄寺 椋橋彩香著 青弓社 2000円
獄卒、罪人、餓鬼などがカラフルなコンクリート像で林立するタイの「地獄寺」。タイ全土の83カ寺を訪ねた研究者が同国の地獄思想を読み解く。



願いに生きる 坂村真民著 致知出版社 1500円
「念ずれば花ひらく」などで知られ、多くのファンを持つ仏教詩人・坂村真民(1909-2006)の講話録。「年を取ることのむずかしさ」など。



摂津国八十八ヶ所めぐり 朱鷺書房 1500円
江戸時代中期の安永年間に開創された大師霊場「摂津国八十八ヶ所」は昭和55年に再興された。大阪北西部から兵庫南東部に広がる霊場巡拝案内。





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