[『月刊住職』 2019年3月号より転載]

〈文化〉としてのインド仏教史 大正大学出版会 2500円
著者は一昨年、遷化した奈良康明和尚。草創期の仏教とインド社会は互いにどんな影響を与えたのか。仏教を支えたヒンドゥー社会の文化を、縁起・呪術・功徳などをキーワードに解き明かす。



明恵 上下巻 高瀬千図著 弦書房 各巻2200円
法然の『選択本願念仏集』に厳しい批判書を著す一方で、独自の観想を打ち立てるなど日本思想史上にも大きな足跡を残した明恵(1173-1232)。その知られざる生涯の小説化。



忍性の真実 理崎啓著 哲山堂 1500円
鎌倉時代の律宗の僧侶、忍性は貧窮者やハンセン病患者救済や土木工事にも尽力した僧侶と知られるが、幕府を操る悪逆の僧と伝えられる一面も持つ。その史料から描かれる新たな忍性像。



江戸の大詩人元政上人 植木雅俊著 中央公論新社 1900円
漢詩、和歌、文筆に秀で「西の元政、東の芭蕉」と讃嘆され、井原西鶴や与謝蕪村などにも影響を与えた江戸時代の法華宗僧侶、元政。その人物像と文化・宗教史的意義が明らかにされる。



西有穆山という生き方 伊藤勝司編著 大法輪閣 2100円
青森出身の西有穆山は、江戸末期から明治にかけて活躍した曹洞宗僧侶で『正法眼蔵』についての著作でも知られる。没後百年の今も故郷に顕彰会がある禅僧の語録と逸話が紹介される。



大乗仏教 佐々木閑著 NHK出版 860円
自己鍛錬を目的にした釈迦の仏教はいつ、どこで衆生救済を目的とする大乗仏教へと変わったのか。原始仏教の研究者が大乗仏教の本質に迫る概説書。



インドの思想 川崎信定著 筑摩書房 1000円
多民族、多言語、多文化を併存させるインドの精神史を、仏教やヒンドゥー教などの宗教、叙事詩、論理学等を通じて仏教・インド哲学の泰斗が解説。



梅原猛の『歎異抄』入門 梅原猛著 プレジデント社 1400円
著者は、人生に行き詰まり、自己に耐えられなくなった時に『歎異抄』勇気づけられたという。亡き哲学者による『歎異抄』読み解きの新装丁版。



白骨に学ぶ 岸田緑渓著 湘南社 2000円
蓮如の「白骨の御文」や、九相図に見られる白骨を通じた無常観はいかに形成されたのか。シルクロードの石窟寺院に辿る白骨観の系譜も視野に入れつつ今日に至る葬送の変容が辿られる。



このことひとつ≠ニいう歩み 宮城著 法藏館 2800円
人間は何を求め何に迷うか。『唯信鈔』を手掛かりに聖道門から浄土門、諸行から念仏、自力から他力の道を問う故・九州大谷短大名誉教授の講義録。



いま日本から興す哲学 末木文美士著 ぷねうま舎 2800円
中世以降の日本の伝統思想には、他者と死者、神仏が息づく「冥」という領域がある。現代の閉塞感を打破する思想の可能性を宗教史から考察する。



現代坐禅講義 藤田一照著 KADOKAWA 1360円
坐禅とは、徹底的にくつろぎ自ずから自己に深まっていくこと。17年半、米国の禅堂に住持していた曹洞宗僧侶が坐禅の本質を解き明かす。文庫判。



禅入門 細川晋輔監修 淡交社 1800円
雲水修行の実際から、禅宗史、禅文化、本山紹介まで禅を知りたい人のために臨済宗各派の著名僧侶や作家が解説を寄せた入門書。「僧堂の一日」他。



禅に学ぶ明るい人生 釈宗演著 国書刊行会 2800円
私たちの手が舞い、足が踏むところがそのまま極楽である―。禅を初めて海外に伝えた明治大正期の臨済宗僧侶による禅の手引。「正師を選べ」他。



死にゆく人の心に寄りそう 玉置妙憂著 光文社 760円
著者は夫の死を機に出家し、高野山真言宗僧侶となった看護師。医療と宗教の橋渡しに力を入れる活動記。「剃髪したら、患者さんが語り出した」他。



やっかいな人を自分のお城に入れない方法 マガジンハウス 1200円
著者は小池龍之介。支配欲モンスター、承認欲求モンスターなど身の回りにいる「やっかいな人」や関係性に振り回されない心の持ち方を説く法話集。



齋藤孝の仏教入門 齋藤孝著 日本経済新聞出版社 800円
教育学や身体論を専門とする著者が「忙しい人ほど、仏教の考え方やメンタルコントロールが役立つ」と勧めるビジネスパーソン向けの仏教入門書。



マインドフルネスの背後にあるもの サンガ 2200円
マインドフルネスの最終地点は肯定感に基づく存在神秘の覚醒という。研究者、僧侶、医師(古東哲明、藤田一照、熊野宏昭、貝谷久宣)が語る。





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