[『月刊住職』 2019年6月号より転載]

新国訳大蔵経 中国撰述部①-6 土屋太祐他訳注 大蔵出版 9000円
新国訳大蔵経・中国撰述部シリーズの最新刊。これまで全容が知られなかった唐末五代の禅僧・法眼文益の言行を明代に集成した『法眼録』と禅の公案集として知られる『無門関』を収録。



伊勢神宮と仏教 習合と隔離の八百年史 多田實道著 弘文堂 5600円
皇祖神を祀る伊勢神宮は神仏隔離が厳しく守られてきたと思われるが、実はそうではなかった? 奈良時代から神宮史の断層とみられる戦国時代に及ぶ八百年の史料研究から解明した史実。



相国寺史 第一巻 相国寺史編纂委員会編 法藏館 9000円
京都・相国寺の六百余年史を通観する初の寺史(全五巻予定)の第一巻が刊行。室町時代の文正元(1466)年までの僧侶の活動や将軍家との関係、荘園経営、金融活動などの史料を収録。



武渓集訳註 横田南嶺・藤田琢司著 禅文化研究所 6000円
江戸時代の臨済宗僧侶、月船禅慧の偈頌集『武渓集』上下二巻を翻刻し訓読、註、意訳を加えた。底本としたのは鎌倉の円覚寺所蔵の誠拙周樗手沢本。



国宝 一遍聖絵の全貌 五味文彦編 高志書院 2500円
時宗の開祖・一遍の苦難の遊行の旅を描いた『一遍聖絵』。建築史・時宗史・中世史の研究者三人が絵解きを試み美術史や考古学など各界の専門家による論考を収載。聖絵の魅力に迫る。



ブッダチャリタ 梶山雄一他訳注 講談社 1650円
ブッダの全生涯をクシャナ朝時代の仏教詩人として名高いアシュヴァゴーシャが綴った仏教叙事詩『ブッダチャリタ』全28章を完全翻訳。文庫判。



ウズベキスタンの仏教文化遺産 六一書房 1400円
ウズベキスタンの考古学者、P・ショキルジョン博士による同国の仏教遺跡の発掘調査をまとめた成果の邦訳。立正大学調査隊の撮影したカラテパ遺跡の壁画写真など数多くの資料も収録。



宗教とウェルビーイング 櫻井義秀編著 北海道大学出版会 5800円
幸福感の指標となるウェルビーイング(福利)は、宗教的なつながりの影響を受けるか。人口減少社会を幸せに生きるヒントを国内外の事例から探る。



宗教と社会の戦後史 堀江宗正編 東京大学出版会 3400円
日本社会は、戦後を徹底させる平和への希求と、安保法制やナショナリズムの高揚など戦前回帰の二重性を帯びている。戦後史と宗教のかかわりを、理論・歴史・教団の三編で考察する。



絵図と映像にみる山岳信仰 岩鼻通明著 海青社 3000円
山岳信仰研究者が、戸隠山・立山・白山・比叡山・羽黒山など日本各地の霊山を古地図や絵図などを史料に文化地理学、歴史地理学的視点から解説。



修験道という生き方 宮城泰年・田中利典・内山節著 新潮社 1200円
修験道に目を向ける人が増えている。修験道界を率いてきた僧侶二人と、哲学者が日本古来の山岳信仰の歴史と今を語る。「修験道と日本の近代化」他。



構築された仏教思想 妙好人 直林不退著 佼成出版社 1600円
浄土真宗の篤信者「妙好人」の宗教的言語は柳宗悦や鈴木大拙など多くの知識人をも惹きつけた。その語りの本質を日本仏教思想史から明らかにする。



「現世往生」という迷い 三木悟著 中外日報社 1500円
往生は来世の出来事か、それとも現世で決定することか。浄土真宗の信心にかかわるテーマに真宗大谷派住職が取り組んだ涙骨賞受賞論文の書籍化。



出家の覚悟 サンガ 1500円
修行とは、悟りとは何か。テーラワーダ仏教長老のA・スマナサーラと、恐山菩提寺院代でもある曹洞宗住職の南直哉が徹底的に語り合う対談集。



ともに悲嘆を生きる 島薗進著 朝日新聞出版 1400円
超高齢化社会は死が身近になる。人は喪失の悲嘆にいかに向き合い生きる力を取り戻したか。宗教や物語に見るグリーフケアの歴史と文化を捉え直す。



現代日本における自然葬の民族誌 金セッピョル著 刀水書房 6000円
文化人類学者が、散骨のはしりである日本のNPO法人を中心に、共同体と宗教を超えたところに派生した個人の死の受容について調査した研究論考。



バクトリア王国の興亡 前田耕作著 筑摩書房 1200円
「ヘレニズムと仏教の交流の原点」が副題。中央アジア要衝地でゾロアスター教を生んだ地に栄えたバクトリア王国の実態が遺跡調査から浮き彫りに



宗教法人実務書式集 宗教法人実務研究会編 民事法研究会 4000円
責任役員会の議事録例、各種公告手続き例、墓地使用許可例など、寺院に必要な日常業務に関係する法律関連の書式例132件が収載された手引書。





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