5月号画像
A5判・174頁・全頁2色刷
(表紙/牧進 画伯)
2009年5月号の主な内容 (No.126)

[今月号の特集]

僧堂で傷害事件まで起きたのはなぜか

二人の雲水が僧堂内で飲酒した揚げ句、口論となり一人の雲水が死亡した。臨済宗の大本山専門道場でおきた傷害致死事件である。厳しく律せられているはずの僧堂でまさかの事態だが、こうしたことは他の僧堂でも起こり得ることなのか。各宗派の専門道場の規律はどうなっているのか。


金融破綻で住職寺族や伽藍を守る宗派共済は大丈夫か

困ったときに頼りになるのが共済である。 だが、保険会社はここ十年で激しく再編が進み、さらにはまたも逆ざやの見通しだ。 必要なときに破綻などされたらたまらない。では、各宗派の共済制度は大丈夫なのか。 いざというときにこの宗派の寺院住職でよかったと言えるような制度になっているのか。 十宗派に取材した。


宗教法人破綻で100人以上の墓地使用権が無効になった異常な事態

経営破綻した宗教法人の墓地が競売に付される事態が起きた。 落札業者が墓地使用者に求めたのが「解決金40万円を支払わなければ墓地は使わせない」という前代未聞の通告だ。 しかも、最高裁まで業者の主張を認めたというから信じがたい。墓地使用者は「高額の永代使用料を払ったのに、今さらどうすればいいのか」と泣いている。 何が起きているのか。



宗務総長を特命住職にした宗派が訴えられたのはなぜか

西国33札所の名刹が揺れている。きっかけは住職が単立化を考えたこと。 だが、所轄庁はそれを認証せず、裁判でも敗訴。そんな中で住職は遷化したが、宗派が特命した後任住職はなんと宗務総長で、 責任役員も財務部長と広報室長だった。寺族は寺から立ち退きの強制執行を受け、現在消息不明。 寺族を支持する前総代は宗派に対し裁判を起こしたが……これは酷いことなのか?


大都会に寺子屋心理カウンセリングルームを開き都会人を救う住職

寝る間も惜しんで現代人の悩み相談に応じる40歳の心理カウンセラー住職がいる。 活動窓口も多彩で、六本木に寺子屋心理カウンセリングルームを開いたり、バーテンダーとして客の悩みにのったり、 企業のカウンセラーをつとめたり、さらに夫人と共に内観研修所まで開設。 活動背景にあったのが、意外な境遇だった。


檀家寺だって秘仏ご開帳を成功させる方法

善光寺のご開帳が盛況だ。秘仏のご開帳は普段はお寺に来ない人にも仏教に関心を持ってもらえるチャンスだ。 だが、大寺と違って檀家寺でご開帳をするのは大変なことだ。そこで、ご開帳を成功させている檀家寺に工夫や成功の秘訣を聞いた。


時を隔てて行う秘仏ご開帳の心得と功徳…松尾心空(西国第29番松尾寺山主)

西国33札所では各寺それぞれにご本尊をご開帳中だ。77年ぶりにご開帳をする札所寺院の実践と教えとは。


新連載 経済活動に宗教は何をもたらしたか…芹川博通(比較思想学会会長)

経済を抜きに人は生きられない。古今東西の宗教は経済に善と悪、すなわち経済倫理を示した。 混迷の今だからこそ仏教の経済倫理を説こう。


[徹底調査]

各宗賦課金は今どうなっているのか(8) 浄土真宗本願寺派の場合・新基準で平均85万円の訳

宗費・賦課金調査第8回目は、浄土真宗本願寺派を取り上げる。 同宗は平成17年、約40年ぶりに賦課金制度を新しくした。住職は新制度で公平になったと感じているのだろうか。意見を聞いた。


住職必修寺院建築講座(5) 木造瓦葺き本堂の耐震工法…木内修(清水建設㈱/木内修建築設計事務所・棟梁専攻建築士)

木造瓦葺き本堂で最も懸念されるのが耐震力だ。だが、新工法でこの問題をクリアーできるという。 工費を抑えた耐震性木造本堂を紹介しよう。


[寺院・住職に直言提言]

上田正昭  (歴史学者) … 「死を見つめて生きる」

塩野米松 (作家) … 「仙人以前の死生観」


[ショートルポ]

住職たちが猛反対するスーパー堤防とは/宗派火災共済金横領住職実刑と本堂再建/寺院架空経理の白紙領収書窃盗は冤罪か/駒澤大学154億円損失は誰のせいか



 [好評連載]

 日本仏教実践思想論 「慈悲こそ仏教だと説いてよいか」
  島薗進
(東大教授/日本宗教学会会長)


 創価学会とは何か 「公明党元委員長の『黒い手帖』を創価学会が恐れる理由」
  島田裕巳
(宗教学者)


 今からの仏心エコロジー説法 「対馬を潤す仏神に遭う」
  岡田真美子
(兵庫県立大学環境人間学部教授・日蓮宗寺院住職夫人)


 漢字仏教徒然行脚 「今月の漢字『寺』」
  興膳宏
(京都大学名誉教授)


 つっぱり和尚の骨山日記 「いつか檀家が発見してくれるでしょう、和尚がこの寺に残すものって?」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 今こそすべき現代葬儀詳細分析論 「棺の形で故人の階層が分かった時代」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 中世寺院の実像 「葬送専門の僧侶が生まれた史実」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 ブッダの本当のことばをあるがままに説く講座 「生まれにより人は決まらず」
  宮元啓一
(國學院大学教授・インド哲学)


 秘められた祈りの形講座 「邪法とさえいわれる謎めいた飯綱権現とは何か」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 我他彼此二仏中間 「ご真影は各地に巡回すべきか動かざるべきか」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 色即是空の科学事始め 「ウシのゲップに教えられ」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 自然の説法お寺の庭づくり 「美しい土塀をつくる」
  高取忠彦
(日本造園組合連合会理事長)


 新医心仏心 「抗うつ剤で最も恐ろしい副作用は?」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 なんたって寺族の言い分 「お寺の奥さんは代休もらえるの」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 住職のための今月のことば 「高速代とトキ」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 60億人の宗教トレンド 「ロシア正教会はなぜ大躍進しているのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者)


 法 律 相 談 …長谷川正浩 (弁護士) ・ 平松和也 (弁護士)

 税 金 相 談 …実藤秀志 (公認会計士・税理士)



[法話特集] 別冊付録



 お説教のタネ本 「アンパンマンのマーチもタモリの弔辞も伝道なり」


 在俗の説法者 第82回 「だから生きるんだ」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職)


 伝承説話の智慧 第86回 「決めつける心」
  亀井鑛
(真宗大谷派「同朋新聞」前編集委員・NHK「こころの時代」司会者)


 親と子の相談説法 第20回 「夫に1人娘を奪われたと嘆く妻のホンネ」
  富田富士也
(教育・心理カウンセラー)


 仏教儀礼入門 第85回 「中国儒教の始まり」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第73回 「神話としての死」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第126回
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


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