8月号画像
A5判・184頁・全頁2色刷
(表紙/牧進 画伯)
2009年8月号の主な内容 (No.129)

[今月号の特集]

晋山1年で宗派離脱を企てた新住職の主張は正当か

寺歴は約500年、檀信徒1000軒の臨済宗妙心寺派の大刹が今年6月、突然の宗派離脱を宣言した。それも単立化を決めた住職がお寺を継いだのはわずか1年前なのに、「檀信徒の9割が私を支持してくれている」(住職)と主張している。本当なのだろうか。それに、こんな大きな決断に至る背景には何があったのだろうか。


移植手術のためには脳死を人の死と決めた法律の是非

臓器の移植に関する法律があっという間に改正されてしまった。ところが、人の生死の大問題なのに仏教界の意見はほとんど取り上げられていない。宗派の見解 はどうなっているのか。僧侶にどんな問題がふりかかるのか。寺院住職にとっての臓器移植法改正の是非を問う。


寺院の御詠歌が隆盛したのは昇級制度と組織力だけではない!? 御詠歌講リポート(2)

詠歌が宗派を超えて大発展した理由には、昇級制度をきちんと構築したことにあるが、それだけではない。熱心な指導者や寺族の尽力がある。御詠歌に力を入れている浄土宗、真言宗豊山派、臨済宗妙心寺派を取材した。


23年間で70人もの子供を育て上げた里親寺院実話

「傷ついた子供の命に光をあててやりたい」。その願いを持って、この23年間で70人もの里子をお寺に迎えて家族同然に育ててきた大阪の真宗大谷派寺院がある。なぜそんなことができるのだろうか。取材をすると、お寺ならではの強いつながりがあった。


御開帳終わって善光寺の天台宗一山が貫主を訴えた根拠とは?

今年「御開帳」を果たした善光寺の天台宗側が揺れている。ここ数年の間、一山25カ寺の大半が「貫主には徳がないから辞めてくれ」と罷免要求をしており、貫主は勿論それを拒否。だが、一度は貫主と一山代表が和解書を交わしたという。しかし後に貫主が「和解書は白紙だった」と主張したことで対立は再燃、とうとう一山は貫主を法廷に訴えた。


副市長として活躍した元住職が逮捕された収賄容疑!?

北陸地方の中堅都市にある浄土真宗東本願寺派寺院の元住職は、副市長として市政にその力を発揮していた。だが一方で、市内で起きた談合事件に関与したという黒い噂も絶えなかった。当局は元住職が袖の下を受け取っていたとし逮捕。元住職はその賄賂を「寺の普請や法要に使った」と供述しているのだ。


限りなく優しい現代社会の病…斎藤環(精神科医)

自殺やうつ病をはじめとする現代人の心の病をどう理解すればよいか。いかに仏道修行を重ねている住職にもこの問題は容易ではない。ひきこもりなど若者の心 に向き合っている精神科医の注目の特別リポート。


なぜに現れるのか現代の幽霊の正体

「なぜに現れるのか現代の幽霊の正体」 「幽霊を見たが障りはありますか」といった相談を受けたことはないだろうか。「観た」というのだから、「幽霊なんていないよ」と切り捨てるわけにはいかない。それでは、幽霊の正体とは何か。新進の妖怪研究家による幽霊=霊魂分析論。


第4回「住職関心事アンケート」結果発表(パート3)

毎年恒例、住職のホンネを知る読者アンケートの結果を発表! 最終回の今号は「昨年もっとも印象深かった本」。住職方はどんな本を読み、どのような印象を持ったのか。


[徹底調査]

寺院は宗派の財政にどれだけ貢献しているか 各宗賦課金リポート(10)

これまで9回にわたり伝統仏教十大宗派の宗費・賦課金の現状を見てきた。各宗派とも地域や寺院間の格差をなくすため、さまざまな工夫をしている。そこで、 最終回は各宗派の1カ寺平均負担額、25年間の値上がり額、人件費の割合など、全比較を試みた。


[寺院・住職に直言提言]

川本三郎 (評論家) … 「家内に先立たれて」

近藤富枝 (作家) … 「私と信仰」


[ショートルポ]

浄土宗本堂再建資金の檀家夫婦横領事件/ 本願寺派福岡教区が福岡市に講義した訳/ 門跡寺を落札したのは名だたる古刹/ 独り暮らし高齢門徒をパソコン電話で繋ぐ



 [好評連載]

 仏凡不二を問う 「認知症高齢者施設とお寺力」
  釈徹宗
(兵庫大学教授・浄土真宗本願寺派住職)


 日本仏教実践思想論 「全き慈悲を実践できるのは誰なのか」
  島薗進
(東大教授/日本宗教学会会長)


 現代葬儀分析 「棺に入れる穀類から分かること」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 中世寺院の実像 「神仏習合と廃仏運動が繰り返された史実」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 創価学会とは何か 「政権交代劇の中で最大の焦点は創価学会の戦略なりや」
  島田裕巳
(宗教学者)


 つっぱり和尚の骨山日記 「なぜ多くのお寺が十三仏の掛け軸をかけないかやっと分かりました」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分 「地球温暖化防止を考える会に入ってしまいました」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 自然の説法お寺の庭づくり 「つる科植物を育てる」
  白井昇
(日本造園組合連合会理事長)


 秘められた祈りの形講座 「宗派超えお寺に祀られる天狗の異相にたがわぬ霊験譚」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 我他彼此二仏中間 「若者の死を待ち望む医療がまかり通っていいの?」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 色即是空の科学事始め 「宇宙をゴミの山にするな」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 医心仏心 「人はなぜうつ病になるのかを知ろう」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 仏心エコロジー説法 「平和を説く仏の勇気を」
  岡田真美子
(兵庫県立大学環境人間学部教授・日蓮宗寺院住職夫人)


 漢字仏教つれづれ行脚 「僧」
  興膳宏
(京都大学名誉教授)


 住職のための今月のことば 「カラスと共生」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 60億人の宗教トレンド 「イスラム指導者が国を司るイランで行われた大統領選挙の意味」
  荒木重雄
(アジア社会研究者)


 法 律 相 談 …加納雄二 (弁護士) ・ 平松和也 (弁護士)

 税 金 相 談 …実藤秀志 (公認会計士・税理士)



[法話特集] 別冊付録



 お説教のタネ本 「迷い多き生徒らに先生が教えた大切な言葉」


 在俗の説法者 第85回 「仲間っていいよな」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職)


 伝承説話の智慧 第89回 「夢のお告げ」
  亀井鑛
(真宗大谷派「同朋新聞」前編集委員・NHK「こころの時代」司会者)


 親と子の相談説法 第23回 「働きに出ない二十八歳の息子と父親の気持ち」
  富田富士也
(教育・心理カウンセラー)


 仏教儀礼入門 第88回 「中国仏教儀礼の緒」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第76回 「『十王経』の登場」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第129回
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


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