1月号画像
A5判・184頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2011年1月号の主な内容 (No.146)

[今月号の特集]

年頭提言 人生を仕分けたがる人々へ…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派福聚寺住職・芥川賞作家)
近頃、住職が寄れば、きまって「『葬式は要らない』なんて」という話題になる。それに檀家からも同じような問いかけをうける。「葬式は要らない、戒名は要らない、お墓も要らない」症候群にどう答えたらいいのか。


年頭提言 住職たちよ! 公益性なんかに脅えるな…洗建(駒澤大学名誉教授・宗教法学会元理事)
公益法人改革により、「お寺も公益性がないと課税される」などという不安の声が聞こえてくる。では、「お寺の公益性」とは何か。法と宗教制度に精通する研究者が住職にエールを送る。



注目のリポート 余命宣告されたガン患者に住職は何ができるか
わが国では3人に1人がガンで亡くなっている。医師から告知を受けて余命すら分かる時代に、僧侶は何ができるだろうか。ガンを患い1年の生存確率が20%と宣告された28歳の僧侶や、3度もガンを患った僧侶、それに、ガン患者に寄り添って懸命にケアに取り組む住職たちにその実践を詳しく聞いた。



大銀行に巨額融資返済を訴えられた寺院マンション経営と霊園の教訓
銀行からお金を借りたことのある人ならその恐ろしさは知るところだ。東京の浄土宗寺院、千葉の曹洞宗寺院も、事業を行うために億単位の融資を銀行から受けたが、その返済を求めて提訴され、苦境に立たされている。銀行は事業の失敗には極めて冷酷なのだ。



有名温泉ホテルを買収した寺院が立ち退けと市から提訴されたわけ
愛知県の真宗大谷派寺院は葬祭業と福祉事業を営むために、倒産・競売に付された国定公園内の温泉に建つ超有名観光ホテルを買収した。ところが市はなぜか営業を許可せず、ついには地代滞納で明け渡しまで提訴した。市の不当ないじめなのか!?



驚くべき判決 檀家に本堂建築寄付に応じない法的権利はあるか?
仙台市の臨済宗妙心寺派寺院が本堂新築を責任役員会で決議。「1軒86万円以上」の寄付を募ったところ、檀家が建築差し止めを訴えた。さらに「寄付する義務はない」「寺の財務帳簿を全て開示せよ」と第2の提訴。司法が下した判決は、実に重いものだった。



笑う門に極楽あり! お寺で落語会のススメ
「お寺を地域の人が楽しめる場所にしたい」と考えているのなら、落語会はいかがだろう。群馬県天台宗金剛院の「友引寄席」、東京都真言宗智山派寳幢院の「たから寄席」、東京都浄土真宗系単立最尊寺の「永住亭」に落語会を成功させる秘訣を取材した。



50歳を過ぎて得度した会社社長が新宗派を開いたという。本当!?
在家出身の会社社長が50歳を過ぎて得度。ところが、その後の受け入れ先がない。そこで、千葉県佐倉市に自ら新寺を建立し、新宗派「仏陀空也宗」を開いたという。あやしい集団ではないのか。いったいどんな活動をしているのか。



極楽を目に映す「二十五菩薩来迎会」を復活させた住職
お念仏さえ唱えれば誰にでも浄土からお迎えがあるように、という浄土思想の根幹でもある二十五菩薩聖衆来迎。その貴重な練り供養が、このたび滋賀県の浄土宗新善光寺でよみがえった。しかも保存会まで設立されたというのだ。二十五菩薩の来迎とは何か。その実際ルポ。



[徹底調査]
遺骨混入疑惑 ボーンビジネスなどと報じられた戦没者遺骨収集事業の何が問題か
戦後65年が過ぎてなお海外に眠る日本人戦没者の遺骨は114万1000柱に上る。先ごろ、日蓮宗住職も関わるフィリピンの遺骨収集事業に「フィリピン人の骨が日本兵の骨と称して売られている」という疑惑が持ち上がった。何が起きているのだろうか。


前代未聞の展覧会 和歌山県立博物館の仏像盗難展示ただいま開催中!
和歌山県立博物館で異例の展覧会。「緊急アピール・文化財の盗難多発中!」(平成23年1月10日まで)が開かれている。展示物はびっくり仰天。県内で起きた仏像盗難の実情を伝えるものばかり。


いま若者らの神仏詣でが急増しているわけ…石田佳宏(大和総研金融・公共コンサルティング部主任研究員)


青年会よ! 何でもやろう何でも言おう(第8回) 全日本仏教青年会




[寺院・住職に直言提言]
椎名誠 (作家) … 「カイラス偽巡礼の記」
三屋裕子 (スポーツプロデューサー) … 「『健康寺子屋』に思いを込めて」




[ショートルポ]
日蓮宗寺院がこうむったテレビ公害とは何か/ 暴力団と組んで他宗寺院を乗っ取り懲役3年の僧侶/浄土宗西山禅林寺派寺院の介助犬支援/竜巻で鎌倉の寺院本堂の屋根に被害が


 [好評連載]

 新連載 仏教ことわざよもやま漫歩
 「朋友に3つの要素あり」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・寺院住職)


 葬式仏教正当論
 「インド仏教滅亡の要因に葬式がある」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 創価学会解体新書
 「カリスマの喪失を恐れ始めた秘密主義的教団の行方」
  丸山照雄
(宗教評論家)


 住職・寺族のための医心仏心
 「タバコは認知症を予防するって本当か」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 日本仏教実践思想論
 「近世社会に仏教は何が期待されたか」
  島薗進
(東京大学教授・日本宗教学会会長)


 仏凡不二を問う
 「行動する仏教をたずねて」
  釈徹宗
(相愛大学教授・浄土真宗本願寺派住職)


 現代葬儀詳細論
 「香典は誰が出し誰が受け取るか」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 中世寺院の実像
 「中世の学僧にして戒律なきが如しか」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学教授)


 つっぱり和尚骨山日記
 
 「我が村にも起きた老人の孤独死」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記
 「寺の庭をいつもきれいにするのは誰の仕事かしら」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 秘められた祈りの形講座
 「自らの死を知るということ」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 我他彼此二仏中間
 「これからは自宅で平穏死」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 色即是空の科学事始め
 「水が100グラム50円は高い!」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 住職のための今月のことば
 「暴力装置」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 68億人の宗教トレンド
 「タイの人々が選ぶ戒律生活」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 税金相談 … 実藤秀志(公認会計士・税理士)
 質問1 年金型生命保険の二重課税によって税金はどれくらい還付されますか
 質問2 住職の息子や妻に仏教の学校や通信教育を受けさせる際の税金はどうなりますか


 法律相談 … 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
 質問1 宗旨不問とした永代供養墓に来た敵対する新宗教徒を断れますか
 質問2 檀家の依頼で後見人になり、死後にお布施をいただくことはできますか



[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本『働く君に贈る25の言葉』


 在俗の説法者 第102回 「2度目のゴール」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か 第6回 「正月のめでたさ」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座 第17回 「隠された悲しみ」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門 第105回 「中国人が信じたもの―陰陽五行説とは何か」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第93回 「『今昔物語』の行儀」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第146回
  岩坪眞弘 (高野山真言宗住職)



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