2月号画像
A5判・184頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2011年2月号の主な内容 (No.147)

[今月号の特集]

死を前にした仏教の真価 老病死を生きる ①老を生きる 余命30年超時代の生き方を求めて…吉元信行(大谷大学名誉教授・真宗大谷派住職)
物があふれ寿命も世界一になった日本。人が目指す幸福の条件を満たしたかに見える日本だが、誰にもおとずれる「死」の問題は前にもまして深まっている。今こそいよいよ仏教の真価が問われよう。この問題に仏教学者の答えは?。


注目の判決 お寺で集めた檀信徒会費は誰のものかが争われた裁判
山口県の浄土宗寺院で、お寺のために檀信徒から集めてきた檀信徒会費の預金の処分権をめぐり、檀信徒会がお寺を訴える事件が起きた。預金名義はお寺だが、檀信徒会は「我々はお寺から独立した団体であり、預金は檀信徒のものだ」と主張。司法はどう判断したのか?



共同墓地の所有権をめぐってお寺同士が争う真相と本質
東京都の真宗大谷派寺院が曹洞宗寺院を提訴した。明治時代から10カ寺で使っている約2200坪の共同墓地がなぜか現在、すべて曹洞宗寺院1カ寺だけの名義になっているので、大谷派寺院は「うち50坪はこちらに所有権があるし、参道の通行権もある」と主張したのだが……



宗費長期未納の住職が宗派から罷免・提訴されてなおも……
「なぜ宗費を払わねばならないのか。宗費の義務化は権利の濫用だ」――。35年の長きにわたり宗費を滞納して罷免された三重県伊勢市の臨済宗妙心寺派寺院の住職は、立ち退きを求められた裁判でこう真正面から争った。裁判所が出した判断は?



諷誦文で寺檀を結束させる住職あり
葬儀で読む「諷誦文」。これに人一倍心血を注ぐ住職がいる。東京都の真言宗系単立喜福寺の住職は檀家が亡くなると、遺族にじっくり取材し、一人ひとりにオリジナルの諷誦文を作る。30年で600以上の諷誦文を作り、檀家との関係は「最高にいい」という。



書道で日展文部科学大臣賞の達人住職が荒行で得た道心
書の道に道心をかける。そんな風に表現したくなる住職がいる。東京都の日蓮宗戒行寺住職だ。日展、現代書道二十人展など数々の賞に輝き、主宰する書道会の門人は7000人以上。しかしその歩んできた道は在家より弱冠20歳で晋山するなど驚くことばかりだった。



琵琶説教師として全国行脚する青年住職
筑前琵琶を手に全国でお説教を行う青年住職がいる。滋賀県の浄土宗西願寺住職だ。自らを琵琶説教師と名乗り、澄んだ声で諸行無常を説いて歩く。不思議な縁に導かれてのことだという。



[徹底調査]
人骨で作った「骨仏」がいま脚光を浴びている!
誰でも仏様にしてくれる「骨仏供養」。お墓の無縁化が進む昨今、骨仏ができるお寺が脚光を浴びているという。広島県・浄土真宗本願寺派敬覚寺、香川県・浄土宗法然寺、京都府・浄土宗大本山金戒光明寺、石川県・浄土真宗系単立孝真寺の骨仏供養をリポート。


静かなブーム お寺を楽しくする羅漢像
表情豊かな羅漢像はお寺を明るく温かい雰囲気にしてくれる。ユニークな羅漢像を祀って訪れた人々を楽しませたり、地域の人や檀家とたくさんの羅漢像を彫って心の安らぎを生み出している3カ寺(埼玉県真言宗豊山派定福院、栃木県曹洞宗祥雲寺、神奈川県浄土宗浄慶寺)に実践を聞いた。


素朴な疑問から……「障害」か「障碍」なのかどちらを使うべきなのか、取材しました


青年会よ! 何でもやろう何でも言おう(第9回) 静岡県曹洞宗「劇団寺子屋」




[寺院・住職に直言提言]
梓林太郎 (小説家) … 「山の戒め」
高島俊男 (中国文学者/エッセイスト) … 「富永仲基の画期性」




[ショートルポ]
角川映画が映画『ZEN』製作者を訴えたって!?/時宗に6カ寺しかない踊り念仏を守るための広島県正念寺のプロジェクト/浄土宗駒込大観音仏頭すげ替え事件最高裁判決/茨城県浄土真宗本願寺派の梵鐘無断売却住職刑事裁判の結果


 [好評連載]

 仏教ことわざよもやま漫歩
 「市に禍を買う」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・寺院住職)


 葬式仏教正当論
 「人々の心の呻きに応えない宗教は滅びる」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 創価学会解体新書
 「米ソ情報部をも動かした創価学会・共産党の協定とは何だったのか」
  丸山照雄
(宗教評論家)


 住職・寺族のための医心仏心
 「お酒は脳の病気を起こすって本当!?」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 日本仏教実践思想論
 「在家仏教運動の先駆は江戸期にあり」
  島薗進
(東京大学教授・日本宗教学会会長)


 仏凡不二を問う(最終回)
 「ギリギリの状況で宗教者が関わることができる領域とは何か」
  釈徹宗
(相愛大学教授・浄土真宗本願寺派住職)


 火葬と火葬場の実態(最終回)
 「人を荼毘に付す場で今何が起きているのか!?」
  武田至
(一般社団法人火葬研副会長)


 今にいたる中世の寺院 僧侶や在家その実像
 「戒律を破る中世の学僧に何を見るか」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学教授)


 つっぱり和尚骨山日記
 
 「和尚が崖から落下し九死に一生を得たのは寺世話人のおシッコのせい」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記
 「寺族のお葬式の仕方に特別な配慮がいるのかしら」
  鏡島眞理子
(曹洞宗寺院住職夫人)


 秘められた祈りの形講座
 「七福神はなぜ今も信仰されるようになったのか」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 お寺活性化講座
 「住職の仕事は人とのつながりを求めること(東京都・日蓮宗経王寺)」
  神仁
(全国青少年教化協議会主幹)


 我他彼此二仏中間
 「医も僧も常識だったはずのホームサービスの復活を!」
  大村英昭
(関西学院大学教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 色即是空の科学事始め
 「たかがミミズされどミミズ」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 寺の庭づくり
 「春待つ草木の育て方 シモクレン・ハクモクレン・コブシの手入れ」
  白井昇
(日本造園組合連合会理事長)


 住職のための今月のことば
 「スポーツ禁止」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 68億人の宗教トレンド
 「タイの人々はなぜ托鉢に熱心に応え寺詣でをするのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 税金相談・税制改正特集 … 実藤秀志(公認会計士・税理士)
 質問1 住職寺族の家計に平成23年度税制改正はどんな影響を及ぼしますか
 質問2 袈裟衣や経本や新聞・書籍の代金や宗費なども控除が認められますか


 法律相談 … 橋口玲(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
 質問1 前住職が独断で山林に造った無許可墓地の法的責任を新住職が問われますか
 質問2 突然パソコンにわいせつな画面が映し出され料金を請求されました!


 寺院諸施設建築施工ファイル
  宮城県曹洞宗龍昌寺の本堂と愛知県臨済宗妙心寺派廣福寺の七福神永代供養塔


[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本『聖書88の言葉』


 在俗の説法者 第103回 「お母さんの手記」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か 第7回 「みな行き先は一つ」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座 第18回 「代理戦争の和解」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門 第106回 「五戒を説く苦心」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー 第94回 「『今昔物語』の遺体遺棄」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧 第147回
  田中治郎 (文筆家・みち書房代表)



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