10月号画像
A5判・184頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2011年10月号の主な内容 (No.155)

[今月号の特集]

震災特集(1) 沈黙か賛否か、原発に対してちゃんと見解を表明した伝統仏教宗派はあるか
未曾有の危機にある原発問題に仏教各派は世の中に何を訴えているのか。また、青森県六ヶ所村や宮城・女川原発、広島などで原発問題に取り組む僧侶たちのホンネとは!?


震災特集(2) 福島第二原発建設阻止を最高裁まで闘った住職あり
福島第一原発は大事故となったが、そもそも原発設置自体、国の過ちではなかったか。今から40年も前に福島第二原発の安全性に疑問を抱き訴えた同原発から6キロの浄土宗宝鏡寺、早川篤雄住職の闘いの軌跡。



震災特集(3) 身を寄せて悲しみを生きる力に変える場としての寺院になろう …島薗進(東京大学教授・日本宗教学会会長)
東日本大震災の地に立ち尽くす人々。家族も家もふるさとも失った人々。そこで仏教は何ができるのかと問わざるを得ない。いや今こそ僧侶や寺院の力が試されるときではないか。3・11以後の仏教を問う。



震災特集(4) 放射能被害軽減のため原発事故終息に協力を …田中雅博(真言宗豊山派住職・元国立がんセンター研究員)
放射能の恐怖が日本中を覆っているが、その危険度を知らないための不安が大きく影響している。60歳以上の僧侶は「福島原発行動隊」に参加して危険な原発事故現場の作業員を助けよう。



各宗調査 身体障害者や高齢者は住職になれるのか
障がいを持つ人や高齢者が「自分も出家し、住職になって教えを広めたい」と発心した時、住職になるための教師資格を取得するにはどんな道があるのだろうか。伝統仏教教団の現状と課題。



暴力団排除条例で祭礼や葬儀はどう規制されるか
この10月1日に全国47都道府県で施行された暴力団排除条例。葬儀依頼や祭りについて、住職はいかに留意すればよいのか。



映画『コクリコ坂から』の原作者は住職です
今夏大ヒットしたスタジオジブリの新作映画『コクリコ坂から』(宮崎吾朗監督)の原作者はなんと東京都の浄土宗西念寺の佐山哲郎住職。その素顔は俳句から経本まで手がけるマルチ編集者だった!



富士山麓に命を生き返らせる自然体験道場を開山した住職の道心
富士山近くの山梨県南都留郡忍野村にある真宗木辺派慧光寺はユニークな自然体験のできるお寺。山下證善住職が在家から紆余曲折を経て出家し、9年前に開いた新寺の奮闘ルポ。



お寺を活性化させるために… お寺のフリーマーケットや朝市が大盛況の理由
かつて法要日に境内に市が立ったお寺は多い。いまフリーマーケットや朝市を住職自ら始めたお寺が大活況している。千葉県・真言宗豊山派円東寺/東京都・単立世田谷山観音寺/奈良県・霊山寺真言宗大本山霊山寺の成功のヒケツ



[徹底取材]
寺院建築にかかせない国産材は大丈夫か
日本古来の伝統建築の伽藍再建に、遠くアフリカやカナダで伐り出された木材が用いられているという。それはなぜか。木材確保の危機に国もついに動き出した。



モノレールは本当にお寺に役立つか
高齢の参拝者のために急な坂や階段に「モノレール」を設置するお寺が増えている。便利そうだが工事費用やランニングコストはどのくらいなのか。危険はないのか。実際に設置しているお寺やメーカーに詳しく聞いた。



お寺の備え 大震災から仏像や石塔、墓石を守る最新免震装置
仏像や石塔用の免震装置が開発され、注目されている。その仕組みと実際を取材した。



[寺院・住職に直言提言]
石井幹子 (照明デザイナー) … 「なぜ明かりなのか」
森田正光 (お天気キャスター・気象予報士) … 「恵みと災い紙一重」




[ショートルポ]
●津波で流された宮城県南三陸町の西光寺になぜフリーメイソンが仮本堂を寄付したのか!?
●浄土宗財務職員が宗派の公金約7億円を先物取引に使い込んだ損害賠償訴訟の判決
●仏教を悪用し高島易断をかたる宗教法人「幸運乃光」の霊感商法被害者訴訟の判決


[青年会よ!何でもやろう!何でも言おう!]
第16回/栃木智山青年会「被災地の土砂を集めて慰霊供養」




 [好評連載]

 新連載! 古今東西名著万巻のススメ〔1〕
 「幸田露伴著『努力論』を読む」
  芹川博通
(前比較思想学会会長・日本宗教学会評議員)


 今、超人気の小池龍之介の「現代寺院のためのパーソナルブディズム」〔5〕
 「葬式仏教『仕事』論」



 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔7〕
 「悟りを追求する仏教なのになぜ現世利益の祈りを認めるのか」
  奈良康明
(東方研究会常務理事・駒澤大学名誉教授)


 最新版仏教文化基礎講座〔7〕 はじめての人に仏教を説くために
 「沙門ゴータマはなぜに苦行を放棄したのか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔86〕
 「捨戒妻帯した親鸞はなぜ僧たり得たのか」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 秘められた祈りの形講座〔84〕
 「信仰とは何かを深く思わせる見目麗しい女性の出家譚」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 本当の創価学会問題〔7〕
 「幹部は何のために信徒に巨額財務を求めたり選挙を煽っているのか」
  段勲
(ジャーナリスト)


 今こそすべき現代葬儀詳細分析論〔33〕
 「葬儀祭壇が使われ始めたのはいつか」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔10〕
 「不惜身命」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 つっぱり和尚骨山日記〔154〕
 
 「お盆も無事に乗り越え入院も間近になるというのにまたまたお寺に多事多難が……」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔108〕
 「3000円という画家気取りのお乞食さんがやって来ました」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 住職・寺族のための医心仏心〔38〕
 「満腹になっても別腹があるわけ」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 色即是空の科学事始め〔65〕
 「あらゆる生物は24時間体制」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 我他彼此二仏中間
 「医師のほとんどは穏やかな自然死を見たことがない」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「二つの倫理」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 68億人の宗教トレンド〔18〕
 「ヒンドゥー教によるカースト差別はなぜいつまでもつづくのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 当寺の僧侶を他寺の葬儀や法事に派遣すると収益事業にあたりますか
  質問2 寺院の危機管理のために住職の給与を減額して妻を無給にできますか


 法律相談… 橋口玲(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 急に認知症を患った住職の志だった寺への寄付を実現させてあげる方法とは
  質問2 公務員退職後、世話になったと話す者が檀家となり寄付をされたら収賄になるか


 寺院諸施設建築施工ファイル〔35〕
  鳥取県・曹洞宗本光寺の木造伝統工法の本堂


[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「悩んだり迷ったりしたら先人の至言に学ぼう」


 在俗の説法者〔111〕 「この友ありてこそ」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か〔15〕 「落ちてこそ〈前〉」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔26〕 「ネットワーキング」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔114〕 「僧はどうあるべきか―道安『僧尼規範』による―」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔102〕 「『源氏物語』の葬儀(1)」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔155〕 「欲望は無限に再生産され『矢に射られたかのように、悩み苦しむ』」
  田中治郎
(文筆家)



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