11月号画像
A5判・190頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2011年11月号の主な内容 (No.156)

[今月号の特集]

震災犠牲者供養や公有地の宗教施設で政教分離行政の破綻か!?
役人は日本を無宗教社会にしようとしているのか――。そんな声が大震災の地から漏れ聞こえる。犠牲者に僧侶が法要をしようとしたら遺骨安置所への出入りを禁じられたのだ。また北海道であった政教分離最高裁判決の影響も広がっている。公有地にある住民が利用する宗教的施設に目くじらを立てているのだ。全国の20自治体に見解を取材した。


震災トラブル 大震災の中で寺院が直面した消費者問題・・・宮下修一(静岡大学大学院法務研究科准教授)
人の弱みにつけこむ輩が今次の大震災にも現れているという。それも寺院や宗教にかかわる被害者が増えているというから看過できない。その様相から住職は何を学ぶべきか。



滝行で中2少女窒息死の悲劇はなぜ起きたか
8月、熊本県の中山身語正宗玉名教会で中2少女が滝行で窒息死した。事件後、傷害致死罪で逮捕起訴されたのは教会の僧侶と実の父親だった。事件の真相を宗門に取材した。



仏教講座総覧 団塊世代に仏教を学ぶ門戸は開かれているか
還暦を過ぎた団塊世代に仏教に興味を持つ人が増えている。もっと体系的に学びたいという声もあるはずだ。いま社会人が学べる仏教通信教育や公開講座は何があるのか。



ペット供養を宗教行為と認めない行政は正しいか
またもや、ペット供養に関してお寺への課税問題が裁判になっている。こんどは供養そのものではなく、死んだ動物を埋葬するいわゆる墓地に対する固定資産税が争われているのだ。関東地方の浄土宗寺院と課税当局の主張に耳を傾けよう。



霊園事業の教訓 千葉県真宗大谷派寺院の立て替え金返還訴訟
都市開教の一環として計画された霊園開発事業が頓挫。お寺は「墓地経営中止届」を出すはめになり、工事業者を訴えた。行政も困惑する墓地トラブルに学ぶ。



浄土真宗本願寺派宗勢基本調査で分かった寺院住職の窮状
年収はどのくらい? お布施の平均額は? 住職と坊守の給与は? 大教団の宗勢基本調査から浮かび上がる寺院の実態とは。



自作実演の大人向け「夜の紙芝居」で感動を呼ぶ住職
バーや居酒屋で会社帰りのサラリーマンなどに紙芝居を演じる住職がいる。その優しい語りを聴くと疲れも忘れると評判だ。岐阜県・曹洞宗林昌寺の宮地直樹住職の活動ルポ。



お寺を活性化させるために… アート展をお寺で開こう
美術館ではなく、お寺で現代アート展を開く新たな動きがある。作家にも来場者にも「新鮮!」と好評で町おこしにもつながっている。長野県・曹洞宗玄照寺/滋賀県・天台真盛宗東光寺の成功の訳



[徹底取材]
どんな掲示板が伝道に最適か
道ゆく人にそっと語りかける伝道掲示板の力は侮れない。人々の足を止める掲示伝道句とはどんな言葉か。栃木県・真言宗智山派花蔵院/東京都・真宗大谷派等覚寺/福岡県・真宗大谷派明願寺/千葉県・真言宗豊山派正延寺/東京都・天台宗金嶺寺の伝道句をご紹介しよう。お寺に最適な掲示板もメーカーに取材した。



「震災と宗教を考えるシンポジウム2011―もうひとつの生き方を探る」ルポ
安全神話の崩壊や原発問題……。図らずも震災はこれまでの経済至上の考えを問い直す契機になっている。サルボダヤ会のアリヤラトネ博士、政府復興構想会議委員の玄侑宗久住職、元法相の杉浦正健氏、上智大グリーフケア研究所所長の高木慶子さん、東大の島薗進教授、臨床仏教研究所の神仁上席研究員は・・・。



被災地活動 ホームレス支援者僧侶が見た震災7カ月目の課題と展望・・・川浪剛(真宗大谷派僧侶)
大阪・釜ヶ崎で路上生活者の支援をしていた筆者は東日本大震災発生4日目には被災地に立っていた。それから7カ月、いま見えてくるもの、思うこと…。



[寺院・住職に直言提言]
阿刀田高 (小説家) … 「浅はかながら思う」
都倉俊一 (作曲家・プロデューサー) … 「ときに宗教は信仰を超えた共同体帰属意識」




[ショートルポ]
●高僧は本当に嘘をついたのか? 善光寺天台宗大勧進貫主辞任要求訴訟の控訴審判決
●奈良・浄土真宗本願寺派寺院名義の霊園で起きた石材店同士の争いの背景には何が
●お寺が振り込み詐欺のタネに! 高野山別格本山持明院永代供養墓の詐欺事件の真相


[青年会よ!何でもやろう!何でも言おう!]
第17回/臨済宗青年僧の会「超宗派『住職学』の開講」




 [好評連載]

 新連載! 古今東西名著万巻のススメ〔2〕
 「儒教の第一級経書『大学』を読む」
  芹川博通
(前比較思想学会会長・日本宗教学会評議員)


 今、超人気の小池龍之介の「現代寺院のためのパーソナルブディズム」〔6〕
 「仏教という記号」



 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔8〕
 「個人も社会にも救いとなる一切皆苦の正しい教え」
  奈良康明
(東方研究会常務理事・駒澤大学名誉教授)


 はじめての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔8〕
 「沙門ゴータマは苦行の否定から何を覚ったか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔87〕
 「行から信へと展開した仏教を親鸞に見る」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 今こそすべき現代葬儀詳細分析論〔34〕
 「祭壇を用いず葬儀ができた時代の形」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 本当の創価学会問題〔8〕
 「名誉会長30年来の側近だった学会重鎮が日蓮正宗に入信した波紋」
  段勲
(ジャーナリスト)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔11〕
 「一味の雨」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 つっぱり和尚骨山日記〔155〕
 
 「巨木倒壊!『まあ、死んだ子のトシを数えてもしょうがない』と諦めました」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔109〕
 「消防署の本堂庫裡への立ち入り検査がありました」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 住職・寺族のための医心仏心〔39〕
 「血糖値が高くなるとなぜに恐ろしいのか」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 色即是空の科学事始め〔66〕
 「放射能を正しく恐れる態度」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 我他彼此二仏中間
 「震災地に僧侶あり。法義は内心に深くたくわえよ」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「タイムマシン」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 68億人の宗教トレンド〔19〕
 「パレスチナ国連加盟申請で米国イスラエル陣営に何が起きたか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 大震災で倒壊した檀家の墓碑修復費をお寺が出したら課税されますか
  質問2 太陽光発電を導入したいが設置や売電や補助金に税金はかかりますか


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 かつて国や宗に寄付要請された忠魂碑の敷地を遺族が主張してきたら
  質問2 違反駐車をしたのは副住職なのに、なぜお寺に違反金納付命令なのか





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「気仙沼市立階上中学校の卒業式における卒業生代表・梶原裕太君の答辞」


 在俗の説法者〔112〕 「やっと会えました」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か〔16〕 「落ちてこそ〈後〉」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔27〕 「災害ケアから学ぶ」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔115〕 「咒用楊枝浄水縁起―『出三蔵記集』による―」
  多田孝正
(天台宗住職・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔103〕 「『源氏物語』の葬儀(2)」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔156〕 「百億年の歴史が今体に流れてる」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)



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