2月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2012年2月号の主な内容 (No.159)

[今月号の特集]

初めての統計徹底比較分析 仏教教団60年の推移から分かること
寺院離れ、檀家離れが叫ばれて久しい。では実際に、寺院や僧侶や檀信徒は減っているのか、増えているのか。昭和25年から平成22年までの60年間の増減推移を文化庁の『宗教年鑑』を手がかりにしてその現実を探った。


理由を告げず忽然と姿を消す住職や僧侶の現実と宗派の対応
昨年2月、突然、曹洞宗の修行道場の老師が消えた。また他宗派でも所属しているお寺と連絡がとれなくなる僧侶が現実にいるという。そうした問題に直面した寺院、そして宗派はいったい、どうしたらよいのか。



500年以上も薬師堂が建つのに国有地だなんておかしいぞ!
地域の信仰を集める歴史ある薬師堂なのに国はその土地について寺院の所有権を認めない。なぜなのか。人々の信仰心を踏みにじるこの判断は正しいといえるのか。やむなく国を提訴した臨済宗寺院の主張と国側の反論。



阪神淡路大震災から17年 被災した寺院はいかに復興できたのか
阪神淡路大震災で全壊・全焼した高野山真言宗理性院(神戸市東灘区)、浄土真宗本願寺派順照寺(神戸市須磨区)、浄土真宗本願寺派浄徳寺(神戸市兵庫区)、浄土宗親王寺(芦屋市)の4カ寺が歩んできた復興までの道のりと知られざる課題。そして神戸の住職たちの東日本大震災被災地への思いとは。



檀家が法事をしたくなる秘策はあるか?
親から子へと受け継がれる法事の仕来りだが、最近は簡略化傾向が見られたり、法事をしない檀家まで増えているという。一大事! どうしたらいいのか? 法事をやらせる秘策を実践している住職に学ぼう。



国が人生終末プランを立案しているのを知っていますか?
経済産業省は先頃、国民の人生終末期にかかわる報告書を発表した。「生前から死の準備を!」と意識改革を呼びかけると共に、支援する担い手側には宗教関係者も位置づけられている。いったい、何が狙いか。やはり本音は産業振興策なのか。



東日本大震災で「葬式はいらぬ」の風潮は変わったか
「大震災で一番ショックを受けたことは?」「棺や遺影、骨壷、位牌、それに僧侶の読経は必要か」など、大震災後のアンケートから人々の宗教に対する意識変化を探る。



仏道と武道で人々を救い駆け込み寺にした豪胆住職道
DV被害者や非行少年がいると聞くと、すぐに駆けつけ自ら保護する住職がいる。千葉県市川市の真言宗系単立清龍寺観音院、瀧澤猛龍住職は空手流派の宗家で十段の腕。お寺を全国でもきわめて稀なシェルターにし、町の治安と人々の心を守っている。



失敗しないお寺の太陽光発電導入〔2〕…設置業者とメーカーの選び方
太陽光発電を導入する際に知っておくべき8つの重要ポイントをはじめ、設置業者の良し悪しを見分ける4つのチェック項目、各メーカーによる機能の違いなど……。お寺が賢いユーザーとなるための実践情報を取材した。



隠されていたものが顕わになった今、東日本大震災後の思想はいかにして可能か…赤坂憲雄(民俗学者/福島県立博物館館長/東日本大震災復興構想会議委員)
はや1年になろうとしているのに3500人近くの人が行方不明。この一事からしても東日本大震災の猛威が分かる。その大惨事に、東北学を提唱する民俗学者は何を問うか。



節分の豆まきも、雛祭に草餅も、家族あるゆえに行われるもの…神崎宣武(民俗学者/岡山県宇佐八幡神社宮司)
四季の折り目節目に伝統行事があるのが日本文化の特徴だ。伝統行事には必ず食事の約束事もある。といっても、その仕来りや理由が忘れられつつある。改めて確認しておこう。



住職も知っておきたい小銭から紙幣までを包む折形礼法…山根一城(山根折形礼法教室主宰))
会費や謝礼、誕生祝いや香典、お布施など日々の暮らしで、お金をやり取りする場面は実に多い。市販の封筒を使わずとも礼法にのっとった正式な包み形があるという。



[寺院・住職に直言提言]
河野多惠子 (作家/日本芸術院会員) … 「佛教と私」
半藤一利 (随筆家) … 「夏目漱石の死生観」




[ショートルポ]
●大阪府の曹洞宗寺院で起きた撞木落下事故の被害者が寺に対して3000万円の賠償訴訟
●お寺の名義を山口組系幹部に貸した東京都の黄檗宗住職が詐欺容疑で逮捕された!
●神奈川県の真言宗智山派圓能院が設置した本尊と燈籠を守る最強免震テーブル100万円の画期的
●納骨堂の販売にコンサルティング会社を使ったら失敗! なのに裁判で寺院敗訴の教訓





 [好評連載]

 新連載 いまさら師匠に聞けないこと〔2〕
 「漢字の読み方をちゃんとしよう」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 今、超人気の小池龍之介の「現代寺院のためのパーソナルブッディズム」〔9〕
 「輪廻転生。うーん、保留。」



 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔11〕
 「無常を観ることがなぜに生きるための救いとなるのか」
  奈良康明
(東方研究会常務理事・駒澤大学名誉教授)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔11〕
 「釈尊が説法によってむしろ人を害すと考えた真実」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔90〕
 「弾圧は日蓮の法華宗にも及んでいた史実」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 秘められた祈りの形講座 〔87〕
 「節分になぜイワシの頭にヒイラギを挿し、豆まきをするのか」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 今こそすべき現代葬儀詳細分析論〔37〕
 「白布祭壇から彫刻祭壇に変化した訳」
  山田慎也
(国立歴史民俗博物館准教授)


 本当の創価学会問題〔11〕
 
 「世界宗教と高言し会員数200万人とされるSGI(創価学会インタナショナル)の真の目的と現実」
  段勲
(ジャーナリスト)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔14〕
 「獅子奮迅の力」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 つっぱり和尚骨山日記〔158〕
 
 「自分が何やっているか全く分からなくとも務まるのが住職と葬儀社ってなぜ?」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔112〕
 「除夜の鐘を学生たちと147回も撞き終えて…」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 古今東西名著万巻のススメ〔5〕
 「アダム・スミス『道徳感情論』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 住職・寺族のための医心仏心〔42〕
 「糖尿病の治療になぜインスリンなのか」
  高田明和
(浜松医科大学名誉教授)


 色即是空の科学事始め〔69〕
 「アリの7割は怠け者って!?」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 我他彼此二仏中間
 「私が『先進国の長命は“悪”である』と宣言したわけ」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「部分と全体」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 68億人の宗教トレンド〔22〕
 「インド近代化に翻弄されつつもなお自己主張をやめないシク教徒とは」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 橋口玲(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 住職失格なので檀家総代が裁判所に訴えれば解任してもらえますか
  質問2 書籍や書類や契約書を電子データ化して仲間と共有するのは違法ですか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 住職の人間ドック費用を経費として寺院の会計から支出できますか
  質問2 東日本大震災の復興税制は寺院や住職個人にどんな影響がありますか


 寺院諸施設建築施工ファイル〔37〕
  鹿児島県・真宗木辺派吉田寺の寄せ棟造り1間半四面の鐘楼堂


[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「『自分が最低だと思っていればいい』という名言」


 在俗の説法者〔115〕 「父と子の絆」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か〔19〕 「一切の有情は皆もて」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔30〕 「呼吸とスピリチュアル」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔118〕 「中国で説かれた懺悔」
  多田孝正
(天台学会会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔106〕 「仏式葬儀の始まり」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔159〕
 
「光だ光だという人にはいつか光が射してくるし闇だ闇だという人にはいつまでも闇が続く」
  田中治郎
(みち書房代表)



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