11月号画像
A5判・192頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2012年11月号の主な内容 (No.168)

[今月号の特集]

宗派偽装が横行している葬祭業界の実態!?
葬儀現場でとんでもないトラブルが起きている。喪主が頼んだ宗派と違う僧侶がやってきて、堂々とお経をあげ葬儀を執り行ったというのだ。「産地偽装ならぬ宗派偽装は許せない」と喪主は怒り心頭。なぜそんなことが起きたのか。まさか葬儀業界で横行しているのか。その第一弾!


先代の長男が住職になれず教区幹部住職の乗っ取りだと吹聴している真相
埼玉県の浄土宗寺院では10年間も住職不在の状態が続いた。せっかく先代の父が懸命に寺院を発展させたのに、兄弟で跡目を争ったのだ。今、その兄弟はお寺に入れない。教区幹部が住職に就いたからだ。問題の現実と真相を探った。



門徒の遺志でお墓を改葬し撤去したら血縁者から「墓を返せ」と訴えられた裁判
墓地を運営するお寺にきわめて重要な最高裁判決があった。「自分が死んだら墓はお寺に返す」と永代経をあげた門徒の遺志どおりに住職は墓を改葬した。ところがその後、血縁者がお寺に怒鳴り込んできたのだ。広島市の浄土真宗本願寺派寺院が陥った墓石原状回復訴訟を現地に取材した。



政府が伝統に反する非宗教を国民に押し付ける大問題…斎藤吉久(宗教ジャーナリスト)
改正教育基本法では「伝統と文化」の尊重を強調していながら、国は各種の儀式儀礼や宮中祭祀などについてそれを反故にするかのごとき姿勢を見せるようになったその実態。なぜなのか。



修学困難な若者を寺院が支える奨学金の実際
若い人たちの学業を支援してあげたい。そんな思いから独自の奨学金制度を立ち上げた寺院や仏教団体がある。どんな苦労があるのか。そして喜びは? 神奈川県・曹洞宗善光寺と三重県・浄土宗念佛寺の奨学金給付活動、また広島日タイ友好協会、仏教伝道協会の取り組みを紹介する。



稚児行列を成功させる実践 住職に聞く必須10大ポイント
稚児行列は子供にも親にも親しんでもらえる絶好の行事だ。岐阜県・浄土真宗本願寺派西順寺の三浦真智住職、岩手県・曹洞宗龍門寺の玉手俊覚住職、神奈川県・高野山真言宗萬蔵寺の河本冏文住職の3人に稚児行列を成功させる秘訣を聞いた。



大震災に負けず無檀家寺を「縁日」行事で地域の絆に育て上げる住職の志
11年前、長らく無住で檀家ゼロだったお寺が毎月、縁日を始めた。福島市飯野町の天台宗五大院だ。縁日を開くのは鈴木行賢住職と地域の人たち。東日本大震災後も負けずに続け、放射能に不安な町の人たちの拠り所となっている。町おこしにもつながり、荒れ寺も必ず輝くと教えられる。



前代未聞の超モダン本堂に住職がこめた思い
見たこともない伽藍が古刹に生まれ、注目されている。名古屋市の天台宗成願寺の新伽藍だ。屋根が丸く、全面ガラス張りの超モダンな本堂。なぜこんなに斬新なデザインなのかと住職に尋ねると、最新耐震構造のみならず、深い願いが込められていた――。



みんなが知りたい! 白足袋の洗い方
洗っても洗っても落ちない白足袋の黒染み。真っ白に洗いあげる方法はないものか? 足袋洗い歴数十年の住職や住職夫人がとっておきの洗い方を伝授。クリーニングのプロ住職にも聞いた。



いじめ問題の核心(2) どのように対処すればいじめを終わらせることができるか…芹沢俊介(評論家/NPOシューレ大学アドバイザー)
いじめはなぜなくならないのか――それは、いじめがなぜに行われるのかを真剣に知ろうとしないからだという。第一に、なぜ人はいじめの標的にされるのか。そしていじめから人は自殺するというのは本当か。



「空海密教」を名乗る教団施設で暴行死の謎
京都市の仏教系単立宗教法人「空海密教大金龍院」で、この9月、信者9人が信者男性を暴行し死亡させる事件が起きた。信者らは暴力の理由を「教義に反してタバコを吸った」と語ったという。どんな事件なのか。



葬祭業者売上高ランキングに見えるもの
直葬をはやらせたのは新興葬儀業者だという声もあるが、業界全体の「景気」はどうなのか。先ごろ葬祭会社売上高が公表された。そこには確かな変化があったのだ。



[寺院・住職に直言提言]
山崎章郎 (医師) … 「おむかえは来ましたか―在宅医療のパイオニア岡部健の死―」
石川英輔 (作家) … 「妻を弔う」





寺院諸施設建築最新ファイル〔40〕
富山県射水市・浄土真宗本願寺派聞光寺 老朽化した鐘楼堂を建築専門学校「職藝学院」生が修復

[ショートルポ]
● 韓国曹渓宗東国寺の曹洞宗「懺悔文」石碑建立をめぐる大問題のその後 ● 西日本の寺院を襲った税務署からの『お尋ね』文書と全日本仏教会の見解 ● 東京都・浄土宗光源寺の女性ボランティア隊が福島の被災者支援に大活躍





 [好評連載]

 新連載 今からはじめる未来の住職塾〔1〕
 「良いものは磨きをかけ、無いものは創ろう」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長/浄土真宗本願寺派僧侶)


 新連載 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔2〕
 「いまも若者が惹かれて行くカルトがなぜに問題なのか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔20〕
 「災いから身を護る呪術を釈尊はいかにして認めたか」
  奈良康明
(仏教学術振興会理事長・駒澤大学名誉教授)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔19〕
 「なぜ仏教は個人ではなく僧伽を必要としたのか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔99〕
 「大災害の世に山岳寺院が必要だった史実」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 本当の創価学会問題〔19〕
 「創価学会と公明党は暴力団と親密な関係にあるという報道は本当か」

  段勲
(ジャーナリスト)


 今なお続く寺領収奪の暗雲〔8〕
 「異教徒の埋葬依頼を寺院は拒めるか」

  池谷四郎
(弁護士)


 秘められた祈りの形講座〔94〕
 「仏教をひろめたアショーカ王の仏舎利塔を祀る功徳」

  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔23〕
 「心動ぜざれば山王の如し」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 つっぱり和尚骨山日記〔167〕
 
 「結果の出たカルテを見つつ大先生が下した一言『よいところ一つもありません』の訳」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔121〕
 「檀家さんがお持ちになるお供物の大切さを知って」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔11〕
 「たかが家紋、されど家紋、その扉を…」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔14〕
 「安然著『斟定草木成仏私記』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔78〕
 「『生活の電力シフト』を提案する」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 我他彼此二仏中間
 「手遅れ気味の大腸がん手術をして余命を楽しんでいます」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「秋分の日」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔31〕
 「スリランカ在家の人々はなぜお寺をたずねて僧侶に日々お布施をするのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 宗門の職員が公金を横領したのに宗門が「処分なし」としている問題
  質問2 地代や貸したお金や事故の示談金、それに税金の時効は何年ですか?


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 住職である自分の死後はお寺を出ねばならない妻のために住居を買ってあげたいが節税策は?
  質問2 税制改正で減価償却率が変わったと聞くが寺院にどう関係して節税には役立ちますか?





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「わが国に死生学をひろめた上智大学・デーケン先生の癒しの言葉」


 在俗の説法者〔124〕 「切り裂かれたもの」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク風代表)


 生きるとは何か〔28〕 「生は死を併せもつ(下)」
  亀井鑛
(NHK「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔39〕 「周産期の不思議」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔127〕 「中国の念仏が日本へ―慧日・承遠・法照からの浄土教―」
  多田孝正
(天台学会会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔115〕 「北条義時の葬儀」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔168〕
 
「人は懸命に頑張る姿に魅力を感じるのだ (『ヨシズ』オーナー秋葉好江)」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


 いまどきマンガ説法〔4〕 「猫も杓子も」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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