1月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2013年1月号の主な内容 (No.170)

[今月号の特集]

10大宗派調査① 各宗派の歳出に占める教化布教費と災害対策費の割合
宗派の活動は末寺が納める賦課金で支えられている。有意義な使い方をされているか気になる。そこで宗派は公金をいかに使っているかを徹底分析しよう。5年前と比べ予算は減ったのか増えたのか、第1回は教化費と災害対策費を比較した。


福島の母親と子供にせまる放射能差別の実態リポートその2
夫にも親にも理解してもらえない福島の母親たちの悩み、苦しみがひしひしと伝わってきた。差別されているのを知りながらもその痛みを誰にも話せない現実があった。前号に引き続き、放射能被害に直面している人々を現地に取材した。



東日本大震災からの出発として災害天罰論の本質に迫る〔1〕…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)
自然災害にしろ人為災害にしろ、遭遇した者は「なぜ自分が!?」と憤るだろう。それを天罰だといわれたら、絶句するほかあるまい。しかしこの言葉に隠されたものがあるという。日本宗教思想史の地平に見える影と光。



資産100億円を下らぬ都心一等地のお寺がなぜ業者に取られたのか
土地資産だけでも100億円近くはあったといわれる都心一等地の曹洞宗寺院が忽然と消えた。境内地も墓地も人手にわたり、今は雑草がはびこっている。調べると、境内地ばかりか約1000坪におよぶビルが建ち並ぶ寺有地も業者にわたっていた。お寺に何が起きたのか!?



各宗寺院で大成功しています! お寺の婦人会を作ってよかったこと
「婦人会がなければ、お寺は回らない」。ある住職夫妻の実感だ。日頃の寺院運営から年中行事まで、お寺に女性の力は欠かせない。女性たちの活躍の場となっているのが女性檀信徒を対象にしたお寺の婦人会だ。会を組織して、お寺も女性も輝かせている北海道・浄土真宗本願寺派妙法寺、宮城県・臨済宗妙心寺派禪興寺、三重県・曹洞宗龍祥寺、福井県・浄土真宗本願寺派本向寺、長崎県・真宗大谷派福浄寺の活動を紹介する。



遺品整理の業者と遺品供養のお寺、日本初の遺品整理士住職も誕生している
亡き人の「遺品」をどうすればいいか。一昔前なら話題にもならなかったことがいま問題視されている。遺品整理の専門業者も登場し、既に対応しているお寺もある。住職にも決して無縁ではない深刻な事態だ。



寺檀活性化に取り組むお寺〔その1〕
荒れ寺を年5万人超の花の寺に変えた住職の精進と志

群馬県利根郡川場村の臨済宗建長寺派吉祥寺は、年5万人を超す参詣で賑わう花の寺だ。春夏の花々、秋の紅葉、冬の雪吊りと景観を見れば人気のほども納得。けれど30年前は人も訪れない寂しいお寺だった。村上英行住職が資金のない中、知恵を絞り、檀家と共に一代で築き上げたというから驚嘆。



寺檀活性化に取り組むお寺〔その2〕
日曜学校で過疎の地に仏教を根付かせた50年に学ぶ

地域のつながりが希薄化している現代にありながら仏教教化で過疎地を繋ぎ止めているお寺がある。三重県伊賀市の浄土宗長泉寺、角出誠堂前住職が開設した日曜学校は今年で51年目。成功の秘密を探った。



震災も師父逝去も乗り越え伽藍復興を遂げた不屈の寺族ドキュメント
神戸市須磨区の高野山真言宗弘誠寺は阪神淡路大震災で伽藍が全焼。5年後には住職が亡くなった。だが住職夫人だった澤田庚秀さんはこの大ピンチにめげず、見事に伽藍を復興したのだ。波乱の人生と不屈の歩みに学ぶ。



お寺の庭をいつも清々しくする庭師の選び方と費用…白井昇(日本造園組合連合会理事長)
大昔からお寺と庭は切っても切れない関係にあるが、美しい庭を保つには管理が不可欠だ。それには費用面もさることながら、腕の良い庭師を選びたいものだ。庭師のトップが「こんな業者だったら安心して任せられる」業者選びの秘訣を直伝する。



プロが教える法衣の上手な洗い方〔2〕…中田輝道(浄土真宗本願寺派長松寺住職/ナチュラルクリーン㈱最高顧問、社長代行)
絹製の法衣の手入れはどうすべきか? 汗シミやロウソクが付いてしまったらどうすればいい? 自坊で洗った白衣や襦袢の上手なアイロンがけの仕方は? クリーニングのプロ住職による伝授第2回。



[寺院・住職に直言提言]
渡辺えり (女優/劇作家) … 「私の願う仏教」
辰巳琢郎 (俳優) … 「宗教と宗教者の役割」




[ショートルポ]
● 臨済宗妙心寺派寺院が永代供養料と納骨料の返還を求められた重要判決 ● 建設業トップの「BCS賞」の栄誉に輝いた福島市の曹洞宗長楽寺の坐禅堂新築 ● 地域の防災避難所にもできる愛知県の真宗大谷派正願寺の伽藍新築 ● 尼さん駅長で人気上々の静岡県・曹洞宗東泉院の金田祥道副住職





 [好評連載]

 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔22〕
 「戒律はなぜ守らねばならないかを今こそ問おう」
  奈良康明
(仏教学術振興会理事長・駒澤大学名誉教授)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔21〕
 「出家した弟子たちに釈尊が求めたものとは何か」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔101〕
 「山伏は密教と山林修行の平安仏教である」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 本当の創価学会問題〔21〕
 「創価学会も公明党も名誉会長の鶴の一声で決まる時代は終わった!?」

  段勲
(ジャーナリスト)


 秘められた祈りの形講座〔95〕
 「雑草食い尽くすべく各種願いが託された馬頭観音の謎」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔4〕
 「韓国の新宗教『統一教会』はなぜ日本に進出できたのか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今からはじめる未来の住職塾〔3〕
 「今こそお寺にマーケティングが必要な訳」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長/浄土真宗本願寺派僧侶)


 つっぱり和尚骨山日記〔169〕
 
 「住職よ! 小なりといえどもこのいい加減さがいずれ国を滅ぼす喪中ハガキ亡国論」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔123〕
 「まさかの車椅子でご本山のバリアフリーに大感謝」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔13〕
 「お正月に話したい神と仏のこと」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔16〕
 「湯川秀樹著『科学と自然』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔80〕
 「未来に責任だけ負わせるな―世代間倫理としての原発問題―」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔25〕
 「菩提心は諸仏の種」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 我他彼此二仏中間
 「仏法領は地球のはてにまでおよぶ」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「知性のピーク」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔33〕
 「フィリピンのキリスト教徒とイスラム勢力は真に握手できるか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 葬儀社に僧侶を頼んだら望んだ宗派と違う僧侶が来た。提訴できるか?
  質問2 母の介護を条件に遺産相続した兄だが母を介護しないので相続をやり直したい


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 今年から税務調査の手続きや方法が変わるが寺院にどう関係するか
  質問2 寺院本来の公益部門と収益事業の経費按分は収入高の割合でよいか





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「僧侶が和歌を詠んだのは布教のためと分かる」


 在俗の説法者〔126〕 「極楽に観音さまよ」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔30〕 「オンリーワンがいい」
  亀井鑛
(NHKETV「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔41〕 「発達促進的環境」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔129〕 「三階教の隆盛と禁圧―再評価される無尽蔵院―」
  多田孝正
(天台学会会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔117〕 「北条時頼の葬儀」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔170〕 「失敗は有り難い(デザイナー・ドン小西)」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


 いまどきマンガ説法〔6〕 「冥土」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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