3月号画像
A5判・192頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之 画伯)
2013年3月号の主な内容 (No.172)

[今月号の特集]

続発する寺院帳簿開示裁判(1)…住職の解任をせまる檀家に帳簿閲覧権は認められるか
寺院運営をめぐり檀家と意見が分かれた。すると総代会の決定だとして「住職解任」の通知が送られてきた。さらには「寺の帳簿を閲覧、コピーさせよ」と提訴。関東地方の禅宗寺院でいま起きている裁判は、他人事でない大問題だ。住職解任を望む檀家の閲覧請求にも住職は応じなければならないのか。


続発する寺院帳簿開示裁判(2)…責任役員に財産目録の開示を求められたら住職は拒めるか
またしても書類閲覧請求の争い。首都圏の日蓮宗寺院住職が法類の責任役員から「財産目録などを見せろ」と提訴された。しかし住職はその請求には「不当な目的がある」と拒んだのだ。その根拠とは?



宗教法人の認証行政は適切に行われているのか
いうまでもなく日本国憲法は政教分離の原則を掲げ、国家権力による宗教の介入を許さない。しかし京都仏教会は「宗教法人の認証についてこの原則が守られていない」と一石を投じた。宗教法人の認証行政の何が問題なのか。文化庁の認証審査基準を掲載し、その問題点などを取材した。



原発被災寺院への賠償が進まない本当のわけ
原発事故で退避を余儀なくされた60カ寺は協力して東電に賠償を要求している。各寺院は故郷に帰れない檀信徒のために厳しい条件下であっても復興に向かって走り出している。ところが寺院の土地や建物に対する賠償は一向に進まない。なぜか!? 東電と寺院の賠償の状況をリポートする。



絵馬の創意工夫で寺院活性化する全国の住職たちの苦心と成功
古くからお寺になじみ深い絵馬だが、現代的でユニークな絵馬を布教に生かし、お寺を活性化している全国の住職に学ぼう。香川・天台寺門宗金倉寺、山口・臨済宗南禅寺派雲林寺、和歌山・高野山真言宗慈尊院、東京・天台宗系単立正宝院、兵庫・高野山真言宗瑠璃寺、高知・真言宗豊山派善楽寺の実践。



困っている人を見ればどんなことでも心を繋ぐ人情和尚あり
子供や保護者の相談にのり、うつに苦しむ村人を見守り、罪を犯した人と農業で汗を流す。群馬県利根郡昭和村の曹洞宗川龍寺の今橋憲雄住職は様々な救済活動に全力を注いでいる。困っている人がいれば、必ず手を差し伸べる人情住職だ。



日本に移民してきた多くの外国人仏教徒に寺院ができること
わが国に28万人以上はいると見られる外国人仏教徒。その方々が異国の地でも信仰を続けたいと願うのは当然のことだろう。国民の9割超が仏教徒のタイや7割超のスリランカなど仏教国の在日信徒により支えられ、同国僧侶が主宰するお寺とは? タイ仏教の東京・タンガマーイ寺院、千葉・ワットパクナム寺院、東京・ワッパープッタランシー寺院、またスリランカ仏教の千葉・蘭華寺の活動を見よう。



葬儀社の戦略に寺院が学ぶことはあるか
葬儀業界が先ごろ「新しい経営学習システム」を発足させたのをご存じだろうか。その第1回発表会では「過去最高の会員数達成」「顧客満足度が劇的に上昇」などの学習効果が葬儀従事者から報告された。どんな試みなのか。



日蓮宗山梨県第一部教化センターが行った葬儀アンケート驚愕結果
過疎化が進む地で葬儀に対する意識はどう変化しているのか。日蓮宗山梨県第一部教化センターではこのほど、管区内の寺院(143カ寺)・檀信徒・葬儀社の三者にアンケート調査を行ったところ、驚くべき結果が出たという。



奈良県で自殺が少ないのは宗教のおかげなのか?
全国統計を見ると、常に自殺者の多い県と少ない県がある。なぜなのかと思っていたら、これについて、奈良県が宗教者にもきわめて興味深い報告をまとめた。全国でも奈良の自殺が少ない理由とは何か。



書は人なり筆跡診断のススメ 筆跡により人の性格が分かる!?…森岡恒舟(日本筆跡診断士協会会長)
人により様々な筆跡があるのはご存じのとおりだが、それを子細に見ると、書き手の人間像が分かるというのだ。警視庁で数多くの筆跡を鑑定し、さらに心理学を応用して筆跡診断学を創設した筆者の書き文字の不思議な世界。



[寺院・住職に直言提言]
鹿島茂 (フランス文学者) … 「『愛のリレー』を」
佐川光晴 (作家) … 「いいお経が聴きたい」




[ショートルポ]
●業者が神木を薬剤で枯らしているって本当か●アニマルビハーラに勤しむ大阪府真宗大谷派常称寺・今井響流坊守の本当の思い●大阪市浄土真宗本願寺派西教寺の築200年の木造本堂に生命を守る耐震シェルター第1号





 [好評連載]

 今に生きる人々に伝えたい仏教の実践的解釈論〔24〕
 「いのちを生かす殺生はゆるされる不殺生戒を問う」
  奈良康明
(仏教学術振興会理事長・駒澤大学名誉教授)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔23〕
 「釈尊が超能力を使い多くの人々を教化したわけ」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔103〕
 「山伏が民衆の生活に深くかかわった史実」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 本当の創価学会問題〔23〕
 「創価学会の国際組織SGIの平和提言と学会財務の激しいギャップはなぜか」

  段勲
(ジャーナリスト)


 秘められた祈りの形講座〔96〕
 「回転式の経蔵を考え出した大士と秘められた功徳」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔6〕
 「なぜ多くの人が教団の勧誘に乗って言いなりになるのか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今からはじめる未来の住職塾〔5〕
 「リーダーシップこそがお寺の未来を拓く」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長/浄土真宗本願寺派僧侶)


 つっぱり和尚骨山日記〔171〕
 
 「『檀家になってのうま味は何よ』と訊かれてどう応えるか未だ決定的な答えはなし」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔125〕
 「近ごろのお寺さんにもわが娘にもこれって愚痴かしら」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔15〕
 「肉を食べるお坊さんは失格か!?」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔17〕
 「プラトン著『パイドン』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔82〕
 「iPSノーベル賞への直言―ガン化やクローン人間問題の未解決―」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔27〕
 「普皆回向」
  勝崎裕彦
(大正大学仏教学部長・浄土宗住職)


 我他彼此二仏中間
 「日本仏教は『聖』ではなく『遊』に向かう」
  大村英昭
(大阪大学名誉教授・浄土真宗本願寺派僧侶)


 住職のための今月のことば
 「体罰」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔35〕
 「いま民主化で脚光のミャンマーにいきづく上座仏教と民間信仰」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 平松和也(弁護士)・ 長谷川正浩(弁護士)
  質問1 父が緊急入院したがガンの告知はしないように医者に強制できるか
  質問2 後任決まらず辞任代表役員と代務者が並立したら権限はどちらにあるか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 高齢の母の老人ホーム入居費や生活費を子や孫が出したら贈与税がかかりますか
  質問2 平成25年度税制改正で宗教法人や住職、寺族の税務にどんな影響がありますか





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「衣食足りると礼節忘れるというユダヤ人に学ぶ」


 在俗の説法者〔128〕 「命を救ったコメント」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔32〕 「蟻はどうしたのか」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」司会者)


 スピリチュアルケア講座〔43〕 「自利と利他」
  井上ウィマラ
(高野山大学准教授)


 仏教儀礼入門〔131〕 「廃仏と復仏の中で―三武一宗の法難(2)―」
  多田孝正
(天台学会会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔119〕 「夢窓疎石の活躍」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔172〕 「当たり前のことを当たり前に」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


 いまどきマンガ説法〔8〕 「火車」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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