1月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2014年1月号の主な内容 (Vol.474)

[今月号の特集]

東日本大震災で被災された住職が今だから言えること言いたいこと(15ページ大特集)
東日本大震災から間もなく3年が経つ。本誌は主な被災寺院に次の8問のアンケートを行った。❶現在の寺院の状況(建物の復興、檀信徒の動向、寺院活動)、❷国や自治体に言いたいこと、❸宗派や宗門に言いたいこと、❹全国の寺院、僧侶、仏教界に言いたいこと、❺檀信徒に言いたいこと、❻社会や地域の人々に言いたいこと、❼大震災から今にいたるまでで一番うれしかったこと、❽大震災から今にいたるまでで一番苦しかったこと、嫌だったこと。被災された住職の魂の、真実の叫びを聴いていただきたい!


寺院から出土した貴重な文化財を壊した行政の責任
鎌倉の日蓮宗寺院から貴重な文化財の鉄壷が出土した。ところが鎌倉市の不手際のせいで保存処理が叶わず、粉々に壊れてしまった――。寺院から文化財が出土しても即、寺院のものにはならない。遺失物扱いとなり半年間待たねばならないのだ。では、その間の所有権は誰に帰属し、保管責任者は誰か。はからずも文化財行政の盲点が見えてきた。



新興仏教寺院の撤去を求めた看板の名誉毀損訴訟と司法の判断
福井県越前町の町立中学校前に大宗教施設の建設計画が持ち上がった。新興宗教団体、「念佛宗三寶山無量壽寺」の福井別院だ。地域の半数が建設反対を表明したものの、大施設は完成した。同宗は住民が建設後もなお設置しつづけた《ここに不安と恐怖の念佛宗はいらない》と書いた看板を名誉毀損だと裁判に訴えた。地裁、高裁まで争った同裁判に司法はどう判断したか。



伽藍建築をかならず成功させる「寄付趣意書」の実際と作り方のコツ
今日、多額の寄付を仰がねばならないお寺の建設事業は勇気がいることだ。檀家を納得させ、無事に落慶したお寺はどんな寄付趣意書をもって、何に気を使ったのか。本堂新改築を成し遂げた埼玉・真言宗豊山派宝光寺、東京・浄土宗正受院、神奈川・曹洞宗大長寺の実際に学ぼう。



やればできる! 法事の現代化に成功しているお寺に学ぶこと
檀家が法事をしなくなったと嘆く住職が増えている。が、これに黙っていたのでは寺院も仏教も廃れてしまいかねないと、勇気をもって、法事の革新に挑戦、実践している住職は決して少なくない。長野県・浄土宗長谷寺、滋賀県・真宗大谷派良覚寺、神奈川県・真宗大谷派最勝寺、兵庫県・天台宗法泉院、広島県・浄土真宗本願寺派道教寺、そして岩手県曹洞宗青年会の工夫次第でできる法事の現代化の実例と効果力。



通夜や葬儀でさえも法話に耳を傾けなくなってしまった人々にどう向き合うか…酒井大岳(曹洞宗長徳寺住職)
今日、お寺に無関心な檀家が増えていると悩む住職は少なくないかもしれない。加えて、仏法の話をしても真剣に聴いてくれないという問題もある。なぜそうなったのか。原因はさまざまあろうけれど、では、どうしたらよいのか。いまからの説法者への問題提起。



直葬の増加で火葬場が告別の場ではなくなるかもしれない…武田至(一般社団法人火葬研・代表理事)
今、火葬場の職員に心の葛藤がみられる。第一は直葬の増加による告別の長時間化だ。第二は多死社会の到来で次々と来る遺体に対応するには遺族の焼香も僧侶の読経も制限しなければならなくなるからだ。火葬場から焼香も読経も消える日が来る!?



果てなき悲嘆の中で求められていること〔第1回〕…石井光太(ノンフィクション作家)
生老病死への向き合い方に大きな変化が生じた現代にあって、僧侶はいかにあるべきか。今もっとも注目されるノンフィクションの旗手による現代宗教者論――。



ヨガで寺院を活性化させる秘訣とは何か お寺に縁のない人々が仏教に触れる試みの現場ルポ
心身の健康を保てると女性を中心に人気の「ヨガ」。これを行事で取り入れるお寺が増えている。ヨガの場を提供するだけでなく、布教につなげている山梨県・真言宗智山派福光園寺、大阪府・高野山真言宗常光円満寺、東京都・天台宗圓融寺、山口県・曹洞宗願成寺の4カ寺を取材した。



バーのカウンターが修行の場という住職の超ユニーク仏道
毎夕、僧衣を着替えバーテンダーになる住職がいる。鳥取県東伯郡湯梨浜町、曹洞宗長栄寺の石賀正元住職だ。10歳で白血病を発症、20代で父を亡くし、懸命にお寺を守ってきた。それにしてもなぜバーの経営なのか。ここに至るまでの、あくまでも前向きな道心に圧倒される。



好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【浄土宗】金融資産約100億円を透明化させる資産運用規程の根幹
【臨済宗妙心寺派】全寺院の3割超が兼務寺院という現実に何ができるか
【高野山真言宗】金融資産の運用失敗で問われる宗務所の何が変わるのか



[寺院・住職に直言提言]
柳生博 (俳優/公益財団法人「日本野鳥の会」会長) … 「沈黙の森にするな」
冨士眞奈美 (女優/随筆家) … 「故郷のお寺を想う時」




[ショートルポ]
●福岡県・真宗大谷派寺院の住職が実の息子に殺害されたわけ●政教分離の壁を越えて原爆祈念堂に奉安された仏舎利はネール元首相が60年前に長崎市に贈ったものだった●「特定秘密保護法」に対して宗教界からはどんな声明が出されているか●愛媛県・真言宗智山派寺院の納骨堂訴訟判決――郵送による遺骨募集は国民の宗教的感情に背くものか





 [好評連載]

 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔113〕
 「天皇御願寺炎上の事実と歴史の評価の相違」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授)


 今からの宗教酔眼千里眼〔3〕
 「日本人と現代仏教の位相(3)」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 パーソナルブッディズム〔15〕
 「宗派を離れてつらつらと思うこと」
  小池龍之介
(正現寺住職)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔33〕
 「女性に出家を許した釈尊が比丘尼にまず説いたこと」
  鈴木隆泰
(山口県立大学大学院教授・国際文化学研究科長)


 秘められた祈りの形講座〔103〕
 「小倉百人一首に撰ばれた僧侶13人の歌で分かること」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 本当の創価学会問題〔33〕
 「国家主義を糾弾したはずの創価学会・公明党が政府追随に変節したわけ」

  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔16〕
 「日本でなぜペット供養が盛んとなったのか。そこに潜む問題とは何か」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔5〕
 「なぜ個性的なデザインを凝らす墓が増えるのか」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 つっぱり和尚骨山日記〔181〕
 
 「近づく救急車の音を聞いた和尚が檀家100軒で唯一のメル友婦人にメールしたこと」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔135〕
 「住職の海外出張中に檀家の葬儀発生! 周章狼狽の記」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔25〕
 「心の病いは狐憑きか脳の病気か」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔27〕
 「宮本武蔵著『五輪書』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔92〕
 「今バナナに迫っている危機――すべてクローンにされたがゆえに……」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔37〕
 「難中の難」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「二つの法則」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔45〕
 「中国政府が表明する“テロとの戦い”とはウイグル民族弾圧なのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 責任役員会で決議し住職申請したのに宗門は1年も放置したままだが提訴可能か
  質問2 お寺の家屋の借家人が長期行方不明だがどうすれば家財私物を処分できるか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 消費増税が間近ですが前払いで受けている寺の会報費の税率は何%になりますか
  質問2 寺院で運用中の株や債券を過失過多のため整理する際の帳簿処理方法を教えてください





[法話特集] ●毎号12ページの「法話特集」別冊が付きます。



 お説教のタネ本「自分自身が求めていたものそれは言葉でした」


 在俗の説法者〔138〕 「ダライ・ラマの祝福」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔42〕 「心の立脚地こそ」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔53〕 「来世があったら……」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 仏教儀礼入門〔141〕 「『五悔』を詳らかにする―四箇法要を理解するために―」
  多田孝正
(天台学会元会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔129〕 「葬儀に宗旨を見せる」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔181〕 「幸福っていうのは、不幸せでなければわからない――やなせたかし」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


 いまどきマンガ説法〔18〕 「餓鬼」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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