5月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2014年5月号の主な内容 (Vol.478)

[今月号の特集]

違法土地処分で住職罷免か宗派離脱か裁判か。宗派も所轄庁も前代未聞の大事件
寺院の土地を売れば宗派に礼録を納めるのは多くの宗派の常識だ。だが中京圏でも有数の高野山真言宗別格本山興正寺は所有地約2万坪を約100億円で売却したにもかかわらず礼録を納めなかった。宗派にこれを咎められた住職は宗派離脱を宣言、宗派は住職を罷免。所轄庁はどう判断するのか。取材をすると、次々に前代未聞の事実が発覚した。


お寺の崖から転落死した遺族に巨額請求された住職の実話
不特定多数が来るお寺には安全配慮義務があると知るべきだ。たとえ落ち度がなくても境内でケガでもしたらお寺の責任とされかねない。事実、鎌倉市の浄土宗寺院では泥酔した参拝客が境内の崖から落ちて亡くなったことからなんと遺族に損害賠償8500万円を請求されたのだ。住職の迫真の体験談に学ぼう。



お寺を「津波避難所」と誤った町の看板が招いた悲劇
津波が来たら町内の曹洞宗江岸寺に逃げること。東日本大震災のあの日まで岩手県大槌町・町方地区の誰もがそれを信じていた。町が設置した看板にそう指示されていたからだ。だが大津波はお寺にも及び、看板を信じて避難していた多くの人々のうち約20人の尊い命が失われた。ところが今になって「看板は誤りだった」というのだ。なぜか。



司直が指摘した前受金2兆3345億円をも集める冠婚葬祭互助会の実態と解約金の不当
京都の消費者団体が互助会の大手企業に対して高すぎる解約手数料条項の差し止めを求めた高裁判決があった。裁判で明らかにされたのは互助会の詳細な収益構造だ。裁判官は「互助契約は葬儀で儲けるための口実だ」としたのだ。重大判決から互助会問題を考える。



10宗派調査・・・宗派は新聞等に活動を掲載してもらう対策をしているか
宗派は所属寺院や檀信徒にメディアを通じて自らの活動や方針を伝える義務があるといったら過言だろうか。少なくとも最新の布教スローガンくらいは新聞に報じてほしいものだ。では今、10大宗派はどんな広報体制なのか。問題はないか。



お寺にホームページは本当に必要か?効果はあるか?
インターネットで情報を送受信するのが当たり前になった現代、ホームページを作るお寺も増えている。だが昨今、「作らなきゃよかった」なんて声も聞こえる?なぜか。お寺にホームページは本当に役立つものか検証する。



外国人も日本人も子供も大人も誰でもタダで学習支援に寺門全開!
「困っている人を助けたい」と熱き住職が始めた「てらこや塾」は日本語が分からない外国人も勉強が苦手な日本人の子供も大歓迎。誰でも無料で学べる。三重県伊勢市の浄土宗慶蔵院の前島格也住職は「お寺を地域の拠り所に」と邁進中だ。



カラス、ハト、ハチなど空からの動物被害にお寺はどう対処すべきか
気づいた時には大切な伽藍が穴だらけ、糞だらけになって手遅れ。こんな被害が全国で多発している。お寺を襲う鳥虫たちの仕業だ。防護策はあるのか。ムササビ、カラス、ハト、キツツキ、ハチからお寺や参詣者を守る対策などを取材した。



山号額を見直そう!創意工夫の山号額8カ寺に学ぶ
山門や本堂の新築、晋山の記念に山号額、寺号額を作りたいと考える住職も少なくない。お寺の顔だけにじっくり工夫したい。山号額を新調した寺院や業者に成功の秘訣を聞いた。



幽霊を見たという人に僧侶はどう向き合うか(1)・・・高橋原(東北大学実践宗教学寄附講座准教授)
「幽霊でもいいから会いたい」と訴える遺族の顔がテレビに映し出された。NHKスペシャル「亡き人との“再会”」の衝撃的シーンが今、多くの僧侶たちに様々な問題を投げかけている。この震災地における心霊現象を調査している宗教学者の報告。



聖域たる墓に国や自治体はどう対応しているか・・・村上興匡(大正大学文学部教授)
寺院からすれば墓地は文字通り聖域たる宗教施設に他ならない。しかし同じ墓地でもこれを許認可する行政からすれば全く異なって見える。公共性・公益性という観点だ。この双方の視座から墓地行政の推移や実際を見る。



好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【浄土真宗本願寺派】各寺の「過去帳」取り扱いに関する宗門基準を改正した深刻な要因
【曹洞宗】宗門校「多々良学園」破綻の宗派責任裁判が解決金上限10億円で解決するか
【高野山真言宗】宗門財政と低金利で災害見舞金制度廃止と新設の賛否とは



[寺院・住職に直言提言]
下重暁子 (作家、エッセイスト) … 「仏縁を得て」
岳真也 (作家) … 「脱原発と仏の教え」




[ショートルポ]
●葬儀社ビジネスでお寺まで不審を被る事態になったことが住職の声で明らかになった●奈良の名刹、當麻寺の景観と環境をめぐるごみ処理場裁判の結果●名古屋市・曹洞宗徳林寺の手作り宿坊「みんなの家」のユニークな建設目的





 [好評連載]

 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔117〕
 「中世の寺院にとって宗派とは何だったのか」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 今からの宗教酔眼千里眼〔7〕
 「日本人と現代仏教の位相(7)」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 パーソナルブッディズム〔19〕
 「独りに戻りじっくり実感していること」
  小池龍之介
(正現寺住職)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔9〕
 「ネットで格安を売りにする業者の葬儀で驚いた」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔37〕
 「殺人鬼アングリマーラを釈尊はいかに教化し得たか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 本当の創価学会問題〔36〕
 「僧侶も戒名もない友人葬で創価学会員は本当に満足しているのか」

  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔20〕
 「開発僧の役割が済んだタイで解る社会参加仏教の真価」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔13〕
 「犯罪被害者の権利を護るために知るべき法規」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 つっぱり和尚骨山日記〔185〕
 
 「『俗語の声はなんとか普通に出るのに仏語になるとピタッと出ない』と和尚憂鬱」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔139〕
 「教区護持会の一泊二日研修旅行に住職と参加して」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 いまさら師匠に聞けないこと〔29〕
 「グリーフケアにもなる和食って!?」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔31〕
 「椎尾弁匡『共生の基調』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 色即是空の科学事始め〔96〕
 「日本は農業に向いていない!?――美しい田園は農業関係者の賜物です」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔41〕
 「倶会一処」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「ボラの大群」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 70億人の宗教トレンド〔49〕
 「『教会は貧しく弱き者と共に』というフランシスコ・ローマ法王は本気か」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 橋口玲(弁護士)
  質問1 単立法人から宗派に復帰するのに責任役員5人中2人が反対した場合の対応
  質問2 ひどい大雪で参詣者が境内や墓地でケガしたら寺院に責任はあるか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 公共事業のために境内地を売ったが法人登記の「基本財産総額」は変更すべきですか
  質問2 暴風雨と豪雪で倒れたお寺の樹木を3年間続けて売却したが課税されますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「潜在意識を活かせば幸福になれるという法則」


 在俗の説法者〔142〕 「天国からの祝辞」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔46〕 「幻影にすぎないか」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔57〕 「待ち続けているもの」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 仏教儀礼入門〔145〕 「礼拝の仕方と思念」
  多田孝正
(天台学会元会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔133〕 「派遣僧か菩提寺か」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔185〕 「人の命ゃ金じゃあ買えねぇ」
  渡邉照敬
(元真言宗智山派智山教化センター長)


 いまどきマンガ説法〔22〕 「秘密」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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