9月号画像
A5判・208頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2014年9月号の主な内容 (Vol.482)

[今月号の特集]

老住職の息子2人の後継争いが門徒を二分するほどの裁判になった訳
門徒1000軒を超す東北屈指の真宗大谷派寺院で現実に起きている後継争いに何を学ぶべきか。宗派に後継者として登録してあるのは兄だが、住職はその後、弟に寺を継がせようとした。が、後継者が決まらぬまま住職は病に臥してしまい、ついには裁判に。紛争の現場をリポートした。


年回忌表や奉納板などどこまで檀家の情報を掲示してよいか
「過去帳」は住職以外、閲覧禁止なのは常識だ。人権にかかわるからだ。では、本堂に檀家の年回忌表を掲示したり、境内に寄付金の芳名額を建てたり石に刻んだりすることはどうか。こんな素朴な疑問が先ごろの曹洞宗宗議会で問題提起されたのだ。各宗派の対応指針と法的見解を取材すると共に、現場の住職たちの本音にも迫った。



目の前にある里山を活かせば過疎地もお寺も生き返る!
どんな地域にも人を活かす自然や物語があり、地域回生の源がある。そのことに着目できるのは住職だった! 経済至上主義ではなく、自然と人間の営みを大切にしながら地域振興をはかる里山資本主義とお寺の新たな動きを追う特集第2回目は、千葉県山武市川崎地区と天台宗宝聚寺、京都市北区中川北山町と浄土宗宗蓮寺、茨城県稲波干拓地域と真言宗豊山派大聖寺、岡山県美作市殿所地区と高野山真言宗真休寺の実践をルポ。



入れ墨のある者が入門を求めてきたら道場はどうすべきか
入れ墨(タトゥー)を気軽に入れる若者が増えている。だが、僧侶の場合はどうか。浄土宗では入れ墨がある人の修行入門の是非を議論している。道場を持つ全宗派にとっても重要な問題だ。



社会福祉法人バッシングのなか、仏教系の社会福祉法人の経営は大丈夫なのか
いまマスコミは社会福祉法人を袋叩きにしている。介護保険制度で以前にはなかった“儲け”が生まれ、内部留保も数億円単位で持ち、役員の不正が後を絶たないからだ。では、仏教系の社会福祉法人にも危機は迫るのか。



寺院建築最新ファイル:悲願の本堂とユニーク納骨堂に見る住職の志
伽藍新築は住職の一世一代の聖業。お寺の置かれた環境や条件で規模や形は千差万別だが、住職の志が檀信徒の心を動かすことは間違いない。先ごろ落慶したばかりの千葉県市原市・真言宗智山派稱禮寺の約90年ぶりに再建された新本堂と、愛媛県今治市・曹洞宗野間寺のブータンの僧院を模したユニークな永代供養堂を紹介しよう。



500人が安楽に暮らせる老人ホームを育てる住職の粉骨砕身
こんな老人ホームで暮らしたいと思うのではないか。徳島市の真言宗御室派願成寺、大西智城住職は型にはまらない仏教的な発想で、大規模な老人ホームの運営に力を注いできた。朝は仏間でのお勤めに始まり、ホーム内結婚も大歓迎。心底お年寄りの身になって、安心を与えている。



自分に合った道具を選んできれいに剃髪する方法
きれいに剃り上げてある頭は見ている方も気持ちがいいものだ。バリカンやカミソリ、シェーバーなどさまざまだが、これぞ僧侶というような頭にするには、その人の肌や髪質に併せた道具選びが必要になる。売れ筋商品や剃髪の仕方をメーカーに取材した。



新連載第2回 お寺はなぜ捨てられるか――島根県石見の現実に見るべきこと
「宗門の紹介事業で入寺した住職が解任を要求された訳」…田原由紀雄(ジャーナリスト)

石見地方の寺院を訪ねると窮状が目に迫ってくる。将来、存続できるお寺は2割にも満たない地域もある。老住職が寺を去り朽ちるだけのお寺や、宗派の後継者紹介事業で入寺を喜んだはずの住職と門徒が対立したお寺もある。



増え続ける孤独死の実態から見えること(1)…結城康博(淑徳大学教授)
年に3万人近くの「孤独死」があるといわれるが、いったいなぜ、誰にも看取られることなく、しかも何日もその死が発見されないのか。孤独死の増加は偶然か、必然か。その現実を見よう。



第9回本誌「住職関心事アンケート」結果(4)
前号に引き続き、毎年恒例の本誌「住職アンケート」の結果を発表する。今回は「住職の2013年最も印象深かった本」3冊を紹介しよう。住職たちはどんな本に心動かされたのか。



好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【真宗大谷派】集団的自衛権への反対を宗派のみならず教区も表明した訳
【曹洞宗】裁判終結後の旧多々良学園への原因究明はどうなるか
【高野山真言宗】第三者委員会の代表者に本山住職会が猛反発した本音



[寺院・住職に直言提言]
周防正行 (映画監督/脚本家) … 「まさに修行の場でもあった」
関容子 (ノンフィクション作家) … 「武蔵坊と法界坊」




[ショートルポ]
●悲願成就! 栃木県の臨済宗妙心寺派浄因寺が365段を8分で上がれるモノレール敷設●鳥取県・国宝投入堂の天台宗三佛寺正善院の火災復興で町議会紛糾●日本山妙法寺の平和行進で警察がビラ配りを規制した大問題!





 [好評連載]

 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔3〕
 「住職が書き代官に出した寺請証文の実際からわかる事実」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔3〕
 「会計がお寺の安心を強化する」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔121〕
 「火災75年にして法勝寺再建が始まる」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 今からの宗教酔眼千里眼〔11〕
 「日本人と現代仏教の位相(11)――お迎え現象はあるか」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 パーソナルブッディズム〔23〕
 「指導者の自我という忘れられがちな問題」
  小池龍之介
(正現寺住職)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔12〕
 「葬儀から香典(香奠)の儀礼がなくなってもいいのか!?」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔41〕
 「かつてなした悪行を善行をもって覆う者とは何か」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 秘められた祈りの形講座〔109〕
 「生き物を自然に返す『放生会』の功徳と知るべき教訓」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 本当の創価学会問題〔39〕
 「衆院選挙でピーク時より180万票も減らした“選挙功徳宗教”の実態」

  段勲
(ジャーナリスト)


 つっぱり和尚骨山日記〔189〕
 
 「施餓鬼大法会ひかえ炎天下の最大イベント『全山清掃』は時代の最先端を行ってます」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔143〕
 「お寺の中で生きる女性の立場はとっても微妙です」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 70億人の宗教トレンド〔52〕
 「なぜ人々は険しいカイラス山を五体投地して繰り返し巡るのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔33〕
 「永代供養墓に何を刻字すればいいか」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔100〕
 「微量放射線被曝限度の真実――年間100ミリシーベルトか1ミリシーベルトか」
  池内了
(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学者)


 古今東西名著万巻のススメ〔34〕
 「凝然著『八宗綱要』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔45〕
 「一人当千」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「危険ドラッグ」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 平松和也(弁護士)・ 長谷川正浩(弁護士)
  質問1 檀家のおばあさんが息子に酷い目にあっているとしたらどうしよう
  質問2 責任役員2人に理由を告げず解任通告したら納得できぬと言われた


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 副住職の妻が寺務員として働くが給与はいくらにしたら節税できますか
  質問2 宗教法人が車やバイクを持つ際に税務上どんなことに留意すべきですか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「損得ずくめの相場にも知るべき人生極意あり」


 在俗の説法者〔146〕 「残された答え」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔50〕 「世の中みな本能寺の変」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔61〕 「末期の水をとる」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 仏教儀礼入門〔149〕 「袈裟の名称と形と用」
  多田孝正
(天台学会元会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔137〕 「各宗派の故人を送る文――天台宗の歎徳文」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔189〕 「迷うくらいならどっちでもいい」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


 いまどきマンガ説法〔26〕 「ブラック」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






Copyright (C) 2006-2014 kohzansha. All Rights Reserved.