10月号画像
A5判・208頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2014年10月号の主な内容 (Vol.483)

[今月号の特集]

繰り返す自然災害に警戒区域指定も避難対応も無力なのか
8月20日の真夜中、広島市北部を襲った集中豪雨は凄まじい土砂災害を引き起こし、74人もの死者を出した。うち43人がお寺の檀徒だった。生死を分けたのは防災対策の不備という声もある。被災地のお寺はどんな危機意識を持っていたのか。現地に取材した。


暴排条例でお寺は露店が出せなくなるか
祭事や縁日に露店はつきものだ。ところが、いつも来ていた露店が1店も来なくなってしまったお寺がある。自治体の暴力団排除条例のせいだったのだろうか。現に暴力団に資金提供していた露天商の組合もあったのだ。それでお寺も露店を呼べなくなるのか。寺院、露天商、警察などに暴排条例以後の状況を取材した。



所轄庁への書類提出を拒絶している寺院数と過料処分の実態
18年前の宗教法人法改正で宗教法人は毎年、所轄庁に「備え付け書類」を提出するのが義務となった。だが平成24年中、1万4400もの宗教法人が提出していないことが分かった。提出しないと過料が科されるが、実際はどうなのか。



人口密集圏だけでなく各地にできる永代供養墓は本当にお寺を発展させるか
少子化や未婚者の増加で後継者の要らない永代供養墓の需要が近年ますます高まっているという。そんな声に応えようと全国各地で永代供養墓を建立するお寺も増えてきた。だが本当にお寺の役に立つのか。東京・真宗大谷派等覚寺、日蓮宗寺院、広島・臨済宗妙心寺派金龍寺、群馬・曹洞宗瑞岩寺の4カ寺の実践に学ぼう。



超絶特技を活かし若き兄弟でみんなのための明るいお寺興し
香川県丸亀市の真宗興正派善照寺は今、青年住職・副住職兄弟の特技で脚光を浴びている。兄の三原貴嗣住職は小さなボールを蹴るフットバッグの日本代表、弟の俊亮副住職はプロのジャグラー(曲芸師)。お寺興しも活気に溢れている。その現場ルポ!



お寺で子ども心理相談を続ける住職に学ぶ心悩む人への接し方
人に話せぬ悩みや不安な思いを打ち明ける場がお寺だ。しかし、複雑化した現代社会ではそうした人と向き合うにはさまざまな問題もある。そんななか、子ども相談室を自坊に開いた住職がいる。東京都港区の日蓮宗長久寺の渡部公容住職がその人。貴重な経験を取材した。



女性門徒が仕掛けた寺院を拠点にするエコライフの実際
浄土真宗本願寺派の女性門徒が呼びかける地球環境のために良い実践が全国の寺院にじわじわ広がっている。宗派を超え、どれもお寺ですぐ取り入れられるもの。エコライフとはどんなものなのか。



お寺にAEDは本当に必要なのか
AED(自動体外式除細動器)の民間使用が認められて10年。境内に設置するお寺も増えているが、現実に新たな課題が生じているという。いざという時に使えないというのだ。なぜなのか。



認知症が防げる食べ物が分かりました!
年を取って認知症になる人と、ならない人の違いは何か。先ごろ九州大学は食生活と認知症予防に関係があるという研究成果を発表し、世界から大きな注目を集めた。ボケ防止にいい食べ物とは何か?



新連載第3回 お寺はなぜ捨てられるか――島根県石見の現実に見るべきこと
「寺が減り続ける過疎でも檀家50軒あればやっていける!?」…田原由紀雄(ジャーナリスト)

過疎化の進行で寺々が窮地に立つ島根県石見地方。しかし大阪に出て開教に成功し、立派な寺を建てた住職がいる一方で、地域に根ざした地道な活動に徹する住職もいる。どんな可能性があり、何が必要とされているのか。



増え続ける孤独死の実態から見えること(2)…結城康博(淑徳大学教授)
誰にも看取られることなく最期を迎えるのはどんな人か。不幸にも孤独死してしまったのか、いや、自ら望んでそうなったのか。一人で暮らす高齢者だけの問題ではないという。人の最期を引き受ける住職も無関心ではいられない。



好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【浄土宗】70歳以上の非住職僧侶にも僧階課金がなされるようになった背景
【臨済宗妙心寺派】予算2000万円をかけて檀信徒の名簿をデータ化した効果はあったのか
【浄土真宗本願寺派】僧侶になるための得度習礼に事前講習を義務付けた訳



[寺院・住職に直言提言]
坂田明 (サックス・クラリネット奏者) … 「住職も人間もいのちの仮の姿かな?」
平川祐弘 (東大名誉教授) … 「ラフカディオ・ハーンと日本の宗教」




[ショートルポ]
●亡き住職の妻が他寺住職のブログの削除を求めて提訴した文言とは?●東電がようやく発表した原発退避区域の墓石賠償の想定基準と進まぬ被害116カ寺への賠償●災害時にお寺は遺体安置所になることができるのか千葉光明寺と千葉市が締結した協定内容●改名制度悪用の出家詐欺事件に実刑判決が下ったが住職はなお容疑否認





 [好評連載]

 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔4〕
 「キリシタン摘発の末端に檀那寺がいかに組織化されたか」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔4〕
 「宗教法人としてのガバナンスを考える」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔12〕
 「日本人と現代仏教の位相(12)――亡き人とのかかわり方」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 パーソナルブッディズム〔24〕
 「他人の欠点をあげつらうことによって」
  小池龍之介
(正現寺住職)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔13〕
 「宮型霊柩車が街から急速に姿を消しつつある真相」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔42〕
 「比丘の10個の疑問に釈尊はなぜ答えなかったのか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 本当の創価学会問題〔40〕
 「なぜ創価学会に入会したのか? 何に疑問を持って脱会したのか?」

  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔24〕
 「福祉は宗教の事業であったことを今改めて問うために」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔16〕
 「住職と寺院に対する所得税の訳」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔122〕
 「判明した寺の柱や石に刻まれた寄進願文」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 つっぱり和尚骨山日記〔190〕
 
 「ウーム、えらいことになった。住職が民生委員や警察に救いを求めたら笑われる」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔144〕
 「法事に子どもが来なくなったら檀家寺の将来は!?」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 70億人の宗教トレンド〔53〕
 「チベットの仏教徒はなぜマニ車を回して男女交合尊を拝むのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔34〕
 「子どもに声をかけると通報される社会」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔101〕
 「新しい自分を発見する旅を――カラーの名のついたツーリズムのすすめ」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 古今東西名著万巻のススメ〔35〕
 「中村元著『仏典のことば』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔46〕
 「一切衆生悉有仏性」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「土石流と列島」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 本間久雄(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
  質問1 借金のため墓地継承者を赤の他人に指定した遺言に寺院は従うべきか
  質問2 隣地の崖崩れで境内地に危険が迫ったが地主が全く不明の際の対処


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 ふるさと納税とはどんな仕組みで寺院にはどんなメリットがありますか
  質問2 消費税8%になって1円未満の端数がよく出るがどのように税務処理すべきですか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「損得ずくめの相場にも知るべき人生極意あり」


 在俗の説法者〔147〕 「看取る看取られる」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔51〕 「わが内なる竹光」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔62〕 「家族に真実を」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 仏教儀礼入門〔150〕 「法衣の名称と形と用」
  多田孝正
(天台学会元会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔138〕 「各宗派の故人を送る文――真言宗の諷誦文」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔190〕 「善友にしたがわずして癡人に親しみ 善根を勤めずして悪業を営む」
  渡邉照敬
(元真言宗智山派智山教化センター長)


 いまどきマンガ説法〔27〕 「妖怪」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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