11月号画像
A5判・206頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2014年11月号の主な内容 (Vol.484)

[今月号の特集]

御嶽山はこれからどうなるのか―「神の山」と今から向き合うために―御嶽信仰研究第一人者の緊急リポート…中山郁(國學院大學教育開発推進機構准教授)
突然の大噴火によって長野県と岐阜県にまたがる御嶽山はその姿を一変させた。かつては潔斎をした者しか入山できなかった信仰の山が、近年、誰もが観光気分でも登れるようになった。そこに問題はなかったのか。


宗派の後任住職登録は後継紛争を未然に防ぐ効力があるのか
後継者を事前に指定しておける「後任住職登録制度」。その趣旨は、未然に後継者紛争を防ぐことにあろう。だが住職の気が変わったり、登録者に不行跡があったり、檀徒の賛同が得られなくなったらどうなるのか。伝統仏教各宗派に尋ねた。



「墓じまい」「離檀料」と寺院を誤解させるような報道がなぜ横行するのか
最近、「墓じまい」という奇妙な言葉を新聞やテレビ、インターネットで目にするようになった。いわゆるお墓の改葬のことだが、この事象と必ずセットで報じられるのが「お寺の離檀料」トラブルだ。一体「離檀料」とは何なのか。その事実、背景には何があるのか。



今こそ葬儀はお寺の御堂でしてほしい! その実践と実効果
どんなお寺の本堂も民家よりは広いはずだ。なぜ広いかといえば本尊様のもとに人々が集う場だからだ。これを原点とすれば、特別の会館でなくともお寺で葬儀をするのは当然。事実、遺族に寄り添って納棺、通夜、葬儀を行い大好評の横浜市・曹洞宗大藏寺、神戸市・時宗普照院、千葉市・日蓮宗本円寺の実践をルポ。



試行錯誤30年を経て独自の瞑想道場を開いた僧侶の真実路
仏教の瞑想が静かなブーム。なかでも鎌倉の一法庵が人気だ。住職は山下良道師。だが、一朝一夕に賛同者を得たわけではない。在家出身で曹洞宗僧侶からビルマに渡り、そして帰国し瞑想道場を開く。その30年に何があったのか。



ウイルスや毒を持つ生物から寺や参拝者を護るにはどうするか
デングウイルスやセアカゴケグモなど、本来日本にはいないはずのウイルスや外来種が連日ニュースで取り沙汰されている。来年以降も発生が予想されるだけに、棲息地となりうる寺院や墓地は参拝者や墓参者の安全のためにも感染の症状や対策を知っておくべきだろう。



エンディングノートは何のために必要か 仏教版エンディングノートの布教力
終活という言葉が定着しつつあるが、それに伴いエンディングノートも各種市販されている。しかしその多くは仏事や葬儀を軽んじ宗教欠如のものも少なくない。これを憂慮して独自のエンディングノートを作った住職に取材した。新潟県・日蓮宗妙光寺、京都府・浄土宗西寿寺、神奈川県・日蓮宗妙法寺、長野県・臨済宗妙心寺派長昌寺、兵庫県・浄土真宗本願寺派報恩寺、京都府・日蓮宗大立寺、浄土宗総合研究所の7冊を紹介する。



拝観料とは文化財鑑賞料か寺院へのお布施か…藤田和敏(相国寺史編纂室研究員)
有名寺院では拝観料が当然になっている。が、そもそもこうした拝観料はいつ誰によって始められたのか。その歴史を辿ると寺院が国の政策に蹂躙されてきたことが分かる。しかも問題は今も続いているだけに無関心ではいられない。



連載第4回 お寺はなぜ捨てられるか――島根県石見地方の現実に見るべきこと
「過疎寺院を立て直すにはどうすべきか住職3人のホンネ」…田原由紀雄(ジャーナリスト)

過疎の波に翻弄される島根県石見地方の寺々。住職の住まなくなったお寺や廃寺に追い込まれるケースが相次いでいる。地域共同体の弱体化もある。しかし「お聴聞がしたい」という門徒は少なくない。地域の実情をよく知る僧侶3人に、宗門の問題や胸のうちを語ってもらった。



好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【日蓮宗】宗勢調査で分かった檀信徒の減少を現代宗教研究所が二次分析した深刻な事実
【天台宗】中央布教師養成所の開設で布教の質は本当に向上するか
【高野山真言宗】名古屋市八事・別格本山興正寺を揺るがす単立化騒動の最中、突然、宗派に振り込まれた5億4千万円とは何か



[寺院・住職に直言提言]
さとう宗幸 (シンガーソングライター) … 「慈愛」
今野敏 (小説家) … 「日本人の信仰心教」




[ショートルポ]
●匿名の誹謗中傷の手紙による金閣寺を襲った労働争議●数十年かけて丹精した花のお寺がシカやイノシシの食害に●神奈川県川崎市の住民が「遺体保管所」に猛反発するわけ





 [好評連載]

 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔5〕
 「宗門人別帳作成による全員仏教徒政策と檀家制度の成立」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔5〕
 「これからはお寺での葬儀を」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔13〕
 「日本人と現代仏教の位相(13)――亡き人とのかかわり方」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 パーソナルブッディズム〔25〕
 「行を捨て言葉のみに退却したがゆえに」
  小池龍之介
(正現寺住職)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔14〕
 「ペットの死に号泣する者に寺院は何ができるか」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔43〕
 「死後の世界について釈尊はどのように説いたのか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 本当の創価学会問題〔41〕
 「創価学会になぜ入会して何に引かれたのか? 何が嫌になったのか?」

  段勲
(ジャーナリスト)


 秘められた祈りの形講座〔110〕
 「日本だけになぜ草木塔はあるのか、なぜ今も建てられているのか」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔25〕
 「台湾の現代仏教の巨大化は民主化といかに関係するか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔17〕
 「宗教法人に対する固定資産税の非課税問題」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔123〕
 「本堂の柱に寄進状を刻字した本当の理由」
  井原今朝男
(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 つっぱり和尚骨山日記〔191〕
 
 「知恵ある先哲よ、なぜ四十三回忌と四十七回忌を作ってくれなかったのでしょう」
  髙橋芳照
(高野山真言宗住職)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔145〕
 「たった独りで留守番中なのに台風直撃! 境内が水に襲われた!」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 70億人の宗教トレンド〔54〕
 「突如として建国宣言して欧米を震撼させるイスラム国とは何か」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔35〕
 「故人の夢を見たという人への答え」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔102〕
 「復活したDDTの功と罪と――かつて無害とされ今は有害とされる薬が……」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔47〕
 「涅槃を現ずるは喩えば月蝕の如し」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「死亡記事」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 平松和也(弁護士)・ 長谷川正浩(弁護士)
  質問1 お寺のHPに他人の著作や写真やNHKニュースを掲載してよいか
  質問2 体裁は公益事業であるが問題あれば所轄庁は停止命令を出せるか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
  質問1 相続税法改正ですがどうすれば子供がいない住職の財産を住職夫人に多く遺せますか
  質問2 数期振りに収益事業が黒字になったが過去の赤字や未払い給与に繰り越せますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「注目されるアドラーの個人心理学の箴言」


 在俗の説法者〔148〕 「すべてが優先席です」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔52〕 「政治家に学ぶこと」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔63〕 「痛みを見守る術」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 仏教儀礼入門〔151〕 「袴や装束雑具の用途」
  多田孝正
(天台学会元会長・大正大学名誉教授)


 そもそもお葬式セミナー〔139〕 「各宗派の故人を送る文――浄土宗の引導」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔191〕 「苦しい悲しい思いをしたことが私の支えとなっている」
  峯岸正典
(曹洞宗住職)


 いまどきマンガ説法〔28〕 「ドラッグ」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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