6月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2015年6月号の主な内容 (Vol.491)

[今月号の特集]

全国の寺社を襲う連続液体事犯の不気味な目的とお寺の被害対策
この4月、奈良の古刹で発覚した謎の“液体かけ事件”は、またたくまに全国16都府県50近い寺社で同様の被害が広がり、現在も進行形だ。これほどまでに寺社を、それも国内外に知られる名刹や社ばかりを意図的に狙う犯人の目的は何か。捜査はどこまで進んでいるのか。防御策はあるのか。前代未聞の事件とその対策を現地に取材した。


住職晋山たった1年で檀家の大多数から辞任を強要されている真相と本音
檀家180軒の田舎のお寺に若い住職夫妻が迎えられた。だがわずか1年も経たないうちに、檀家の8割が住職辞任を求めるとんでもない事態になった。いったい何が原因なのか。山梨県の浄土宗寺院で起きた他寺も無視できない檀権の実態と紛争の真相。



緊急リポート 釈尊のふるさとネパール大地震で寺院はどんな被害を被ったか!?・・・スダン・シャキャ(種智院大学准教授)
4月25日にネパールを襲った大地震は死者9000人に迫る大規模災害となり、今なお救援活動が続けられている。建物被害も大きく、歴史的建造物の倒壊も報じられているが寺院はどうなのか。釈尊の生誕地ルンビニは大丈夫か。故国を憂慮するネパール仏教研究者がリポート。



現代日本人の4割が臨終に体験しているという「お迎え」体験の意味と仏教との関係・・・諸岡了介(島根大学教育学部准教授)
瀕死から生還した人が「三途の川を見た」と話すのをよく聞く。しかし今日、研究者の調査によると臨終の際に見るのは両親など親しい故人が多いという。しかもそれは実に穏やかなものらしい。のみならず、かなり多くの人が「お迎え」体験をしているという。住職はこれをどう受け止めたらよいのか。



ネット時代は寺社に奉納される絵馬にも個人情報の保護が必要か
境内に奉納された絵馬を見て、他人の願い事をほほえましく思った経験を持つ人は多いだろう。だが、この行為が個人情報保護法に抵触するとしたらどうか。現にネット上に他人の絵馬の写真を掲載する不届き者がいるというのだ。すでに寺社では絵馬の願文に目隠しシールを貼る動きがあるが、こんな対策も必要な時代なのか。



お寺の将来も左右する寺院の結婚支援活動を成功させる実践
全国で密かなブームが広がりつつある。僧侶が企画してお寺で行う結婚支援活動、すなわち婚活がにわかに活況を帯びているのだ。では、実際にどんな体制で寺院は婚活支援を行っているのか。婚活支援に取り組む臨済宗妙心寺派静岡東教区第三部「いちえの会」、山形県の長井市仏教会、兵庫県明石市の曹洞宗雲晴寺、千葉県市川市の日蓮宗本光寺の実践を取材した。



カウンセラー報告〔4〕僧侶であることの危機を乗り越えて…富田富士也(教育・心理カウンセラー)
お寺に生まれた息子や娘がかかえる心の葛藤に両親はいかに寄り添えばよいのか

寺族が危ない!? お寺に生まれたことで周囲から特別な目で見られ、自らもお寺というバイアスから抜け出すことができない子。その子らを育てる父も母もまたお寺抜きに暮らせない心の閉塞と矜持をかかえていた。あるお寺の「家族」から「寺族」への懸命な日々を伝える。



5年目の3・11に寄せて〔2〕東日本大震災で分かった慰霊と傾聴の欠かせない意味…伏見英俊(智山伝法院非常勤講師)
時が経つほど被災者に本当に何が必要なのか、鮮明になるものだ。それだけに、寺院や僧侶にしかできない行いが問われる。未曾有の大震災で人はいかに弔われ、供養されたのか。境内を仮埋葬地に提供したお寺、被災者に寄り添い続ける傾聴活動などの記録。



地元新聞記者の寺院現況リポート〔3〕
過疎のお寺はいまどうなっているか 人が減っても檀家の数が少なくても住職と坊守の道心あればこそ道は開く…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

過疎に負けて活動をやめてしまうお寺も確かにあるが、地域に心和む場が減るからこそ、住職が、坊守がすすんで門戸を開ける努力を惜しまない例もある。おにぎりを持ち寄る「おにぎり会」、音楽で地域をつなぐ「音楽寺」などの実践リポート。



檀家から不要になった仏壇の処分を頼まれたらどうするか
近年、住宅事情によるスペースの問題や少子化による後継者の不在といった理由から、不要となる仏壇が増えているという。お寺でも今後、仏壇の処分について相談されることが多くなるだろうがそんな時どうしたらよいか。不要仏壇の正しい始末の方法。




わずかな檀家でもできる地域を盛り立てる住職のユニーク教化力
30軒に満たない檀家にもかかわらず本堂を新築し、さらになんと特技のマジックで老若男女を惹きつける住職がいる。滋賀県蒲生郡竜王町の真宗佛光寺派常信寺の楠本恭久住職の地域に開くお寺づくりの実践とアイデア。




激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔21〕…内藤理恵子(宗教学者)

「月参りが減っているというのは本当なのか? いったいなぜか?」




住職も知るべき認知症との向き合い方〔6〕…杉山孝博(公益社団法人「認知症の人と家族の会」副代表理事/川崎幸クリニック院長)
「早期発見と受診の実行それに日常生活の送り方で認知症も予防できることが証明されている」




[寺院・住職に直言提言]
金子兜太 (俳人・日本藝術院会員) … 「私の他界観」
窪島誠一郎 (『無言館』館主/作家) … 「『寄付金』と修行」




[ショートルポ]
●NHKやらせ疑惑に発展した出家詐欺事件だが実際にあったのか? 裁判とその後●所有権裁判そしてバラバラになった広島県福山市の阿弥陀如来像を約半世紀ぶりの修復に導いた地域の懸命●国も学校も注目! 長野県・真言宗豊山派浄光寺の新スポーツ「スラックライン」の大好評





 [好評連載]

 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔50〕
 「ついに実行された釈尊暗殺計画とその結果」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔30〕
 「日本にも宣教する韓国キリスト教の実力とその信者獲得策」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 秘められた祈りの形講座〔115〕
 「なぜ境内に経塚や文塚など様々な塚を建てたのか」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔130〕
「巻数(法会報告書)で判明した地方でも武士や僧侶との個人的関係から法要が営まれた史実」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔12〕
 「現存する寺院本末帳からわかる全国の各宗派寺院の分布状況」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 本当の創価学会問題〔47〕
「折伏を仏法対話とか友好活動などと言い換えた創価学会員のホンネを聞く」
  段勲 (ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔152〕
 「境内の緑を壊して墓地に変えてしまう時代だからこそ・・・・・・」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔12〕
 「何がお寺を繁栄させるのか」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔20〕
 「日本人と現代仏教の位相(20)――自死に向き合う僧侶」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔22〕
 「寺院も関わる行政手続法の中身」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 70億人の宗教トレンド〔61〕
 「ジハードが西欧との血に染まる戦いにならざるを得なかった訳」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔42〕
 「亡き人と絆を結びなおすためのグリーフケア」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔109〕
 「大空をドローンが支配する――無人殺戮兵器が突き進む先に何があるのか」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 古今東西名著万巻のススメ〔40〕
 「円仁著『入唐求法巡礼行記』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔54〕
 「油尽きて火の消ゆるが如し」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「ドローン余波」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 「終活ノート」を優先して葬儀の方法も戒名のお布施も自筆遺言どおり実行しない遺族への対応策はあるか
質問2 ネットオークションで仏画を落札して代金も払ったのに送ってこないがどうしたらよいか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 先代が遺した倉庫内の仏具や茶道具や書画骨董を売却する際の税務会計方法を教えてください
質問2 寺院の会計簿に亡くなった先代や総代への貸付金が記帳されていたがどう対処すべきですか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 新連載 露の団姫のお笑い仏教寄席
 「落語家はプロ 坊さんはアマ お見知りおきを」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 お説教のタネ本「うつむいたままでは虹は見つけられない」


 在俗の説法者〔155〕 「仮設住宅の現実」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔59〕 「嘘か真か真美人」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔70〕 「津波復興太鼓」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 そもそもお葬式セミナー〔146〕 「葬儀を支える3条件」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔198〕 「秋葉山から火事」
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔35〕 「飛行」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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