10月号画像
A5判・206頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2015年10月号の主な内容 (Vol.495)

[今月号の特集]

住職の殺人未遂事件に御仏前の窃盗!? あるまじきお寺の事件の真相
8月、耳を疑う事件がお寺で立て続けに起きた。愛知県の真宗大谷派寺院では50代のお寺の後継者が知人の住職に突然、包丁で切りつけて殺人未遂で逮捕。和歌山県有田市ではなんとお盆の棚経先で西山浄土宗寺院の住職(44歳)が檀家の仏壇に供えてあった御仏前を盗み歩いた容疑で逮捕されたのだ。地元の衝撃はただならない。事件の真相は何か。現地取材リポート。


各宗取材・・・住職引退後の身分と権利はいかに保障されているか
「住職は終身」という言葉は過去のものになるかもしれない。長寿社会の日本では生きているうちに、住職を交代するお寺が増えているからだ。だが住職引退後の僧侶に対して宗派はきちんと制度的対応や身分保障をしているか。さらには引退した住職はいま何を思うか。各宗派の実状と前住職たちのホンネを取材した。


厚生労働省年金局が寺院への厚生年金加入促進を「一旦停止」した本当のわけ
「高飛車な態度で加入を迫る」と不評だった日本年金機構による寺院への厚生年金加入促進キャンペーン。だがこの7月、厚労省はそれを「一旦停止」するとした。しかし、宗教法人なら加入が原則という立場を変えたのではない。理不尽だが、今後どうなるのか。


どのお寺も必ずすべきマイナンバー対策入門
この10月からマイナンバー制度が始まる。一般企業だけでなく寺院の事務手続きにも大いに影響があることをご存じだろうか。新制度で寺院にどんな義務が生じ、何を用意すべきか。危険はないか。政教分離に抵触しないかを取材した。



寺院が建てる永代供養墓に将来性はあるのか
永代供養墓といえばお墓の跡継ぎがいない者や使用料の安さで受けている印象がある。が、今後も寺院はこうした需要に応えるべきか。あるいは寺院の活性化のためには別の永代供養墓の形を提案していく必要があるのか。永代供養墓を実践する、東京・真宗大谷派證大寺、新潟・真宗大谷派長徳寺、兵庫・曹洞宗永澤寺に取材した。



文化財として伽藍を守る住職の艱難辛苦と遂行に学ぶ
本誌先月号で紹介した『朝日新聞』文化財世論調査では、文化財の管理や補修について回答者の5割以上が「公的補助を増やす」と答えた。では現に文化財を有するお寺はいかに修復事業に臨んでいるのか。最新のネット勧募から公益財団設立まで実に様々であることが分かった。



多くの患者を看取ってきた医僧が今度は自分の番だと悟った日
自坊に診療所を開き、がん患者を診察、最後まで看取っている住職といえば栃木県芳賀郡益子町の真言宗豊山派西明寺の田中雅博住職(69歳)が名高い。患者家族への手厚いケアでも知られる人だ。実はその田中住職が不治のがんに罹った。いま、どのような日々なのか、迫真のドキュメント。



新連載 「あの世」の存在を世界の仏教そして日本仏教各宗派はどのように説いているのか・・・藤山みどり(宗教情報センター研究員)
「死んだらどうなりますか」「幽霊っていますか」と問われたことのない住職はいないだろう。その時いかに答えているのか。新宗教を含めて仏教の各宗派はどう説いているのか。



新連載 廃仏毀釈の中で天皇陛下も仏教を捨てたのか(2)・・・斎藤吉久(宗教ジャーナリスト)
国家第一の仏弟子とされ、歴代天皇の多くは譲位後に出家されている。それほどに日本の象徴たる天皇は仏教に帰依していた。にもかかわらず明治政府は廃仏毀釈を強行した。そのとき天皇や皇室はどうされたのか。



連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(4)
全山ともどもに今年ほど雨が楽しみだったことはない・・・玄侑宗久(臨済宗妙心寺派福聚寺住職/作家)




地元新聞記者の寺院現況リポート〔7〕
沈黙してはならぬと原爆戦争の惨さを語り続ける僧侶たちの本音…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

人がどう思おうと、自らが受けた原爆の惨状を告白することの辛さはその現実と同じく本人にしか分からないはずだ。何が起き、何をし、何ができなかったか。悔恨は今も重い。けれども語らねばならないと立ち上がった僧侶たちがいる。




第10回本誌「住職関心事アンケート」結果報告(4)
第4回目は「2014年最も印象深かった本」。住職方がこの1年間に読んだ本の中で最も印象に残った3冊を尋ねた。寄せられたご回答を報告しよう。




[寺院・住職に直言提言]
中村桂子 (生命誌研究者・JT生命誌研究館館長) … 「同志としての住職への呼びかけ」
渡部陽一 (戦場カメラマン) … 「戦場カメラマンが見た世界の宗教」




[ショートルポ]
●アニメ『となりのトトロ』ゆかりの地に埼玉県の真宗大谷派寺院が計画した墓地事業が猛反対される訳●戦時供出で今も多くの寺院に残る石やコンクリート製やドラム缶の梵鐘は何を伝えるか




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【真言宗豊山派】身元調査お断りと過去帳開示禁止の各宗派の取り組み
【浄土真宗本願寺派・真宗大谷派・臨済宗妙心寺派】宗派の規則をネットに公開するのが常識になる!?
【高野山真言宗】ハイリスクな資産運用で前宗務総長への提訴全会一致








 [好評連載]

 コラム 盆踊り全国漫遊記〔2〕
 「踊り念仏から盆踊りへ」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔54〕
 「破僧を質す釈尊の最後通牒に対する提婆達多の返答とは」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔34〕
 「大東亜戦争とイスラーム国を宗教者はいかに考えるか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 秘められた祈りの形講座〔119〕
 「金神や鬼門など祟りを作り出した謎と仏教の対処法」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!?〔25〕
 「デザインを施した骨壷が増え始めたのはなぜか」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔134〕
「中世に『大般若経』が全国の寺に流布したのはなぜか」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔16〕
 「寛文年間に急に建立された檀家寺はその後どうなったか」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 本当の創価学会問題〔51〕
「またも急浮上したポスト池田大作名誉会長の思惑と学会員を惑わす新たな難題」
  段勲 (ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔156〕
 「棚経に来なくて結構と言われてしまったけれども」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔16〕
 「宗派と作る住職教育プログラム」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔24〕
 「日本人と現代仏教の位相(24)――人を悼むとは何か」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 70億人の宗教トレンド〔65〕
 「米国とイスラムの問題は宗教対立でも文明の衝突でもないわけ」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔46〕
 「防災袋に般若心経を入れたいわけ」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔113〕
 「家庭にもエネファームって――いざという時に自前でライフラインを」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 古今東西名著万巻のススメ〔44〕
 「中野孝次著『清貧の思想』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔58〕
 「屠所の歩み」
  勝崎裕彦
(大正大学学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「エンブレム」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 本間久雄(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 住職の言うことを聞かなくなった当寺の護持会をどうすればいいのか
質問2 台風で隣地の崖が崩れて寺の墓地に大被害が出たが寺に、賠償責任はあるか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 他寺や教区の事務や経理を善意で教えているがそのお礼に税金はかかりますか
質問2 住職が教職の給与を毎月お寺に貸し続けたが死後の相続でどうなるか心配です





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「世界でもっとも貧しい大統領の心に響く演説」


 在俗の説法者〔159〕 「沖縄戦の語り部」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔63〕 「戦没者を悲しむ」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔74〕 「後遺症からの学び」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔5〕
 「お坊さんは何事も知っといたほうがいいとはいえ……」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 そもそもお葬式セミナー〔150〕 「最期の備えとして」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔202〕 「努力できる――それが幸福」
  峯岸正典
(曹洞宗長楽寺住職)


 いまどきマンガ説法〔39〕 「エンブレム」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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