11月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2015年11月号の主な内容 (Vol.496)

[今月号の特集]

住職就任の道を断たれた副住職が門主をも被告にして何度も訴えるのはなぜか
憲法第32条には「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」とある。しかし訴権の濫用を問われることもある。こんなことを引いたのは、今、神奈川県の浄土宗寺院で何度も繰り返されている住職訴訟を見たからだ。何が問題なのか。


築地本願寺の元幹部2人が懲戒処分を受けたのはなぜか
7月、浄土真宗本願寺派の首都圏拠点である東京・築地本願寺の元副宗務長2人が懲戒処分を受けたことが同派『宗報』に公示された。重責の懲戒背景には何があるのか。取材をすると築地本願寺を取り巻く様々な状況が見えてきた。


参詣したいがお寺に行かれない檀信徒に住職は何ができるか
高齢や病気、遠方などを理由にお寺にお参りに行きたくてもなかなか行けない檀信徒が増えている。この悩みに住職は何ができるか。動画サイトを活用した年回忌法要、墓地ライブ配信など創意工夫で檀信徒とつながる全国各宗派の6カ寺の実践ルポ。


避難指示が解除されても放射線を恐れてお寺に帰ってくる檀家はいるのか
9月5日午前零時。原発事故以来4年半、帰宅困難区域に指定された福島県双葉郡楢葉町の避難指示が解除され、出入りが自由になった。楢葉町の住職は帰れるのか。救われるのか。4カ寺を取材した。



思わぬ鬼怒川決壊でまさかの避難所になった2カ寺の壮絶な実践
台風の影響を受けた未曾有の集中豪雨のため「平成27年9月関東・東北豪雨」では想定外のことが連続した。常総市の鬼怒川堤防がまさかの決壊。そこから10キロ以上離れているのにお寺まで水が押し寄せた。のみならず避難所になった2カ寺には住民らが大挙して駆け込んできたのだ。この困難を2人の住職はどのように乗り越えたのか。



お寺に最適なお灯明行事で参詣者を必ず誘う方法とは
何百何千もの灯明が灯される行事で、多くの参詣者を集めるお寺がある。その光景はいかにも幽玄にして幻想的。見た目に美しい。けれども、その準備や工夫や継続には思いのほか苦心があるようだ。評判が高い灯明行事を行う全国の各宗派の5カ寺に成功するための秘訣や心得を聞いた。



建築特集・・・お寺の屋根にチタン瓦が増えているわけ
お寺の屋根材にチタンが採用されて20年以上。価格は銅板の2.5倍と高値だが、近年、お寺や諸堂で葺くところが増えているらしい。いったいなぜか。チタン瓦を葺いた3カ寺の実例から学ぶことは何か。



晋山10年で荒れ寺を老若誰もが元気になるようなお寺にした住職の熱血布教
檀信徒の足も遠のいていたお寺を、わずか10年の間に県内外からも人々の集まるお寺にした住職がいる。たゆまぬ熱意をもって布教するのはなぜなのか。そこには住職を仏道に導いた強い縁、道心があったのだ。



不治の癌に罹り余命いくばくもない医師として住職として明らかにしたいこと・・・田中雅博(真言宗豊山派西明寺住職・普門院診療所内科医師)
多くの癌患者を看取り、家族への熱心なケアでも知られる医僧が「今度は自分の番です」と語りつつ迫真の『手記』を寄せられた。



「あの世」の存在を日本の仏教各宗派はなぜ説くのか(2)・・・藤山みどり(宗教情報センター研究員)
死んだらみな天国、いや極楽浄土に往くものだと日本人の多くは考えている。なぜそのような考えをもつようになったのか。第一、その根拠はなんなのか。宗派によって「死後」の説き方はいかに違うのか。どの「あの世」が一番いいか。



かつて天皇は仏教に帰依していた――天皇や皇室の本当の信仰を知りたい(3)・・・斎藤吉久(宗教ジャーナリスト)
昭和天皇の周囲には幼少のころからキリスト教徒がきわめて多かった。天皇陛下の真の信仰とは何か。



連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(5)
あまりに背を向けすぎたり、あまりに意識しすぎでは・・・玄侑宗久(臨済宗妙心寺派福聚寺住職/作家)




地元新聞記者の寺院現況リポート〔8〕
過疎寺院対策は僧侶の覚悟が試されると、超宗派で調査が始まった…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

お寺が役立っているか、墓や仏壇を将来どうするか――こうした質問を中国山地の寺院の檀家に訪ねる聞き取り調査が始まっている。しかも宗派を超えた協力体制だ。それだけ過疎地における寺院の状況は深刻かつ重要だといえる。




[寺院・住職に直言提言]
里中満智子 (マンガ家) … 「安心して死にたい―宗教は人間に必要です―」
岡井隆 (歌人/日本藝術院会員) … 「わたしの信条」




[ショートルポ]
●台風18号による鬼怒川決壊で自坊から救出された住職の使命●全国50近い寺社が被害を受けた「油かけ事件」のその後と容疑者の行方●真言宗御室派総本山仁和寺の門前に出光興産とローソンがガソリンスタンドとコンビニを建てるという暴挙●棚経で「御仏前」を窃盗した和歌山・西山浄土宗住職のその後




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【日蓮宗】霞が関で「呪殺」の幟を掲げた呪殺祈祷僧団に日蓮宗が驚いたわけ
【曹洞宗】宗門が画像共有アプリ「インスタグラム」を始めた目的とは何か








 [好評連載]

 コラム 盆踊り全国漫遊記〔3〕
 「盆踊りの季節は夏か秋か」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔55〕
 「提婆達多の破僧に対する釈尊の嘆きとサンガの基本」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!?〔26〕
 「親が死んでも勤めを休めない時代になったのか―忌引の激変」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔135〕
「膨大な一切経に東国武士は何を求めたか」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔17〕
 「寺請制度で寺院を増やした幕府が次は寺を圧迫した事実」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔26〕
 「住職および代表役員は労働者なのか」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 本当の創価学会問題〔52〕
「創価学会の機関紙という事実を隠して聖教新聞のCMをテレビが流す大問題」
  段勲 (ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔157〕
 「大本山研修会に参加した檀信徒のわがままを見て……」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔17〕
 「宗派と作る住職プログラム(後編)」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔25〕
 「日本人と現代仏教の位相(25)――『祈り』から『悼む』へ」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 70億人の宗教トレンド〔66〕
 「ウイグル族問題が中国を越えてタイの観光地まで襲撃されたわけ」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔47〕
 「“どっこいしょ”の語源を訪ねてみれば……」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔114〕
 「マイナンバー導入への疑問――個人情報が政府に丸裸にされる恐怖」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔59〕
 「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「一億総活躍社会」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 橋口玲(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 住居不明で墓地管理費を長期未納している者の永代使用権取り消しと遺骨の取り扱い方
質問2 寺院のホームページに誇大な表示や虚偽を掲載したら罰せられるか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 住職として参加する会合や接待や贈答品は交際費で計上していいですか
質問2 住職や副住職の業務上の個人支出にかかわる特定支出控除とは何ですか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「日本人の美意識たる千利休の心とは何か」


 在俗の説法者〔160〕 「12歳の少女の至言」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔64〕 「仏教者が怒るとき」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔75〕 「ブッダの葬儀」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔6〕
 「落語家の修業とお坊さんの修行とどっちが大変?」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 そもそもお葬式セミナー〔151〕 「葬儀が激変したわけ」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔203〕 「21世紀における所得の集中は20世紀初頭の水準に戻ってしまった」
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔40〕 「LINE(ライン)」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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