12月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2015年12月号の主な内容 (Vol.497)

[今月号の特集]

肉親の遺骨を寺にまさかの「ゆうパック」で送り付ける「送骨」の実態
一昔前なら想像すらできなかったことだ。遺骨を郵便でお寺や霊園に送り付ける「送骨(そうこつ)」という現象。マスコミが盛んに取り上げているが、本当に流行っているのだろうか。法律上は問題ないか。「送骨」サービスを受け入れるお寺や霊園にその実態を取材した。


寺院の不動産管理で必ず交渉に勝つための方法を裁判に学ぶ
土地を貸してあげているのに寺院が悪者にされたことはないだろうか。ならば出て行ってくれと思うのが住職のホンネではないか。しかし法律では借地人の立場は守られている。どう対処したら寺院が裁判に勝つことができるのか。地代増額、更新料、境界線、借地権問題を学ぼう。


不意の災害でお寺の施設は避難所になれるか
いつ起こるか分からない災害に、寺院は何が求められているか。何ができるか。備蓄をはじめとして、どのような準備をしておくべきか。市町村や町内会と災害協定を結ぶ2カ寺と仏教会3団体、災害避難所にくわしい識者に聞いた。


いざという時のためにも……お寺に井戸を防災用にも備えよう
相次ぐ自然災害に近年、井戸を作る自治体や住宅が増えている。いざという時は避難所にもなるお寺だけに、他人事ではいられない。新しい井戸の設置から古井戸の再生までその実際と費用を見よう。



広告で目立つ樹木葬に将来性はあるのか
最近数を増やしつつある樹木葬墓地だが、事業としてどのような管理・運営が必要なのか。また、どんな樹木葬墓地を造成すれば人が集まるのか。里山型にシンボルツリー型など樹木葬を実践する3カ寺とNPO法人、公営墓地を取材した。



供花に枯れない花のブームの真実
三重県松阪市のとある海辺の町では、お墓参りが住民の憩いの場となり毎日人が訪れている。その町ではいま、なんと「枯れない花」が供花としてブームになっているというのだ。「枯れない花」とはいったい何なのか。供花にふさわしい枯れにくい花は他にもあるのか。供花のきまりごとは宗派によってあるのか、各方面に話を聞いた。



廃校になった小学校を老人ホームに再生した住職5人の奮闘
過疎化、少子高齢化は今や日本全国どの地域にも大きな悩みだ。この課題に大胆な方法で動き出した栃木県の住職たちがいる。なんと株式会社を立ち上げて廃校になった小学校を介護付有料老人ホームに再生。地域の活性化にもつながると大きな期待がかかる。



新連載 宗教団体の資金活動における法的責任を問う(1)…藤原究(杏林大学総合政策学部准教授)
祈祷料や供養料が刑事事件や損害訴訟となる例が後を絶たない。伝統仏教寺院が当事者となるケースもあるだけに、その法的責任を知っておく必要があるだろう。宗教を利用した資金獲得活動の何が問題か。宗教被害者にどんな救済法があるか。民法の専門家のリポート。



新連載 臨床仏教師の役割と実践(1)…神仁(全国青少年教化協議会/臨床仏教研究所上席研究員)
伝統仏教60宗派以上が集まり結成している全国青少年教化協議会が平成25年より「臨床仏教師」を提唱し、本格的な活動を始めた。今なぜ臨床仏教師が必要なのか、その役割と実践を問う。



住職考案の楽しい仏さまの切り絵を学ぼう…天野高雄(高野山真言宗高蔵寺住職)
高野山真言宗寺院住職の上梓した『仏さまのほほえみ切り絵』(角川書店)が話題になっている。一枚の紙から思い思いの尊像を作ることができるこの切り絵、お正月の吉祥アイテムに恰好かもしれない。著者考案の切り絵をご指南いただいた。



かつて天皇は仏教に帰依していた――天皇や皇室の本当の信仰を知りたい(4)・・・斎藤吉久(宗教ジャーナリスト)
国や側近たちの手で皇室の宗教観や伝統祭祀が危機に瀕しているという。無宗教の側近たちに囲まれたなかで、今上陛下はいまひとりで皇室の伝統と尊厳を守ろうとしているように見える。



連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(6)
存在するだけで安心感を放散するような僧になれるか・・・玄侑宗久(臨済宗妙心寺派福聚寺住職/作家)




地元新聞記者の寺院現況リポート〔9〕
僧侶や坊守たちの五感に訴える営みが寺院参詣者を増やしている…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

お寺は大きな可能性に満ちている。住職や寺族がそれぞれ個性を活かし、門戸を開けば人々は目を向けるものだ。伝統音楽から現代音楽、そして虫の音を聞くためにお寺に老若が集う仏縁づくりもある。その一例を紹介する




[寺院・住職に直言提言]
粟津則雄 (文芸評論家/日本藝術院会員) … 「私と仏教―父母との読経を偲ぶ―」
安西篤子 (作家) … 「ふしぎな御縁」




[ショートルポ]
●開運祈祷詐欺事件で寺院が家宅捜索を受けた。警察が動き始めた狙いとは何か●戦後70年やっと朝鮮半島出身者の遺骨115柱が僧俗の手で母国に帰れた日●大震災で多くの檀徒を亡くして決意したテレホン法話、1000話達成の継続力




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【天台宗】高校からの奨学金を増額した訳と対象校を減らした理由
【浄土宗】寺族が寺院に不適当と認められれば保護をやめられる規定を作った背景








 [好評連載]

 コラム 盆踊り全国漫遊記〔4〕
 「なぜ船の上で踊るのか」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔56〕
 「提婆達多に付いていった500人の比丘を救った舎利弗と目連」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔35〕
 「人はなぜ宗教の聖地を作り出し巡礼を繰り返すのか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授/宗教社会学者)


 秘められた祈りの形講座〔120〕
 「国家の安泰から商家民家にまで信仰された五大力の謎」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 激変する葬送にいかに対処すればよいか!?〔27〕
 「散骨を商売とする者の出現で分かってきたこと」
  内藤理恵子
(宗教学者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔136〕
「一切経の輸入に中世僧俗は何を願ったか」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔18〕
 「諸宗寺院法度によって水戸藩では寺院の6割が破却された」
  圭室文雄
(明治大学名誉教授)


 本当の創価学会問題〔53〕
 「メディアを攻撃し筆者も襲った創価学会がなぜ今一転してメディアを利用するのか」
  段勲 (ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔158〕
 「おっかないお墓の水桶事件で思い知らされたこと」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔18〕
 「寺院社会貢献活動の実際(おてらおやつクラブ)」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔26〕
 「日本人と現代仏教の位相(26)――なぜグリーフケアか」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 70億人の宗教トレンド〔67〕
 「チュニジア国民対話カルテットがノーベル平和賞を受けた光明」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔48〕
 「日本の小さな住居にひそむ仏教を想う」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 色即是空の科学事始め〔114〕
 「『戦争法』成立のケガの功名」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 古今東西名著万巻のススメ〔45〕
 「道元撰述『典座教訓』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔60〕
 「妻子珍宝及王位」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「子宮の起源」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 町内会から災害時に寺院を避難所にしてほしいといわれた際の協定書の作り方と留意すべきこと
質問2 境内の石灯籠や五輪塔に上った子供がケガしたら寺にも責任が及ぶのか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 豪雨で領収書や会計書類が流されたが税務申告や納税は延長が可能ですか
質問2 寺院の収入が少なすぎるので課税されない最低限の給与額にしたい





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「毎日カレンダーをめくって味わう名言集」


 在俗の説法者〔161〕 「仮設住宅に戻りたい」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔65〕 「喧嘩腰でいいのか」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔76〕 「絆は全身全霊で」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔7〕
 「お坊さんになったからには【神対応】でお願いします」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 そもそもお葬式セミナー〔152〕 「会葬者の減少化」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔204〕 「自分を信じることしか自分を変えられない」
  峯岸正典
(曹洞宗長楽寺住職)


 いまどきマンガ説法〔41〕 「金輪際」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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