1月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2016年1月号の主な内容 (Vol.498)

[今月号の特集]

人口減少で寺院消滅なんかよりももっと深刻なのはお寺が足りないことだ!
少子高齢化、地方の過疎化は深刻だ。だが一方で、大都市の人口密集地域でも重大な問題が起きている。折しも12月には大手インターネット通販サイトで、僧侶まで注文できると話題になった。こんな“商売”が世間で大手を振れるのも人口に比して、お寺が少なすぎるからではないのか。そのデータ分析と実態リポート。


「住職は独身の老師」という慣習に反したと寺檀紛争になった名刹の真相
未だにこんな寺檀紛争があるのかと妙に感じ入ってしまったことだ。問題になっているのは、老師でなければだめ、独身でなければだめ、という慣習があるという愛媛県の臨済宗妙心寺派寺院だ。新任住職の妻帯が発端だった。本当にそんな慣習があるのか、現地に取材した。


衝撃の裁判 納骨堂になぜ固定資産税をかけるのかと寺院が提訴に至ったわけ
石川県金沢市の曹洞宗寺院が都心の超一等地に納骨堂ビルを建て、宗旨宗派不問として募集を始めた。するとなんと、東京都が固定資産税を課税したのだ。同寺は「境内建物だから非課税」と抗議したが都は「宗教活動にあたらず課税対象」と一歩も引かず、ついには訴訟に。前代未聞か!? 課税の理由を取材した。


TPPで日本の消費社会が変わるとしたら住職に何ができる・・・仙田陽高 (真言宗豊山派住職)
参加12カ国の経済規模は世界全体の4割。そのTPP(環太平洋パートナーシップ)交渉で平成27年10月、日本もついに大筋合意した。関税原則撤廃という事態だが、寺院と住職の生活にどうかかわるか、取材した住職の呟き・・・・・・。



火災を経験した寺院に学ぶ防火対策
伽藍の保護は住職の使命だ。人々の浄財で建てられたものならなおさらである。ご本尊も過去帳も燃えてしまったら取り返しがつかない。が、寺院の火災は昔から多いのも事実だ。自坊の防火対策の再確認が急がれる。不幸にも実際に火災に遭った住職と防火の専門家に取材した。



龍谷大学ラグビー部の監督はなんと住職だ!
ラグビーW杯の日本代表の大活躍に沸いた昨年。だが熱闘は大学のフィールドでも繰り広げられている。宗門大学の龍谷大学ラグビー部はここ数年、めきめき力をつけているが監督は、なんと、いや、やっぱりか、住職なのだ。広島県の浄土真宗本願寺派住職で、元日本代表のラガーマンだった。



寺院でこそ困った人々のお世話をしたいと志した住職の福祉行
仏門はみんなのためのものと境内に福祉施設を立ち上げ地域の“よりどころ”となっている富山県高岡市の曹洞宗のお寺がある。社会福祉士などの資格をもち、在家から晋山した住職の実践に寺院の未来が見える。



友引が決まらない「旧暦2033年問題」とは一体なぜか
迷信といわれつつも、友引や大安などの「六曜」が人々の生活に何かと影響しているのが現実。だが、その六曜が決められなくなるらしい。17年後の2033年のことだが、旧暦を作るときのルールに問題が生じ、冠婚葬祭の日取りが大混乱になるかもしれないというのだ。果たしてその謎とは?



新連載 日本人の死生観が急変しつつある現象を読み解く(1)・・・佐藤弘夫(東北大学大学院教授)
各種統計でも日本人の大多数は年に一度はお墓参りをするという。ところが最近、そのお墓への思いが急変している。たとえば遺骨の葬法をはじめ肉親の死に対する営みにも予想外の変化が見える。それはなぜなのか。



発見された奈良・大本山興福寺僧侶の「日記」で判明した神仏分離を迫られた僧侶らの衝撃・・・吉川聡(奈良文化財研究所歴史研究室長)
決して忘れてはならない。わずか150年前、廃仏毀釈で多くの寺院が破却された。奈良の大刹、興福寺もその猛威にさらされた。その時、僧侶はどうしたのか。先頃、発見された興福寺僧侶が綴った日記でその事実が明らかになった。



宗教団体の資金活動における法的責任を問う(2)…藤原究(杏林大学総合政策学部准教授)
宗教者や信者が求めた祈祷料や供養料や献金が不法行為とされ、損害賠償はもとより刑事責任も追及される裁判例がある。その上、宗教者の上部団体、たとえば寺院や宗派さえ被告とされるケースがある。その判決から何を学ぶべきか。



臨床仏教師の役割と実践(2)…神仁(全国青少年教化協議会/臨床仏教研究所上席研究員)
臨床仏教師といっても、近代日本の病院では僧侶に役割は与えられてこなかった。しかし、諸外国ではそうではない。とりわけ台湾の先進的な実践から多くを学ぶ必要があるという。台湾国立大学附属病院の臨床仏教宗教師に学ぶ仏教者の緩和ケア。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(7)
価値観の違う人々の和合こそ究極の共生だといいたい・・・玄侑宗久(臨済宗妙心寺派福聚寺住職/作家)




地元新聞記者の寺院現況リポート〔10〕
過疎を嘆く前にお寺の方から檀徒に呼びかければ必ず効果がある…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

「外に出た門徒に対して、何もせずに過疎、過疎だと嘆いても始まらない。これからは受け身ではなく、こちらから出て行って古里を離れた人にも手を差し伸べる必要がある。ピンチをチャンスに変えたい」と語る住職たち。その実践を取材した。




好評連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔28〕…内藤理恵子(宗教学者)

「無宗教葬儀が急に増えているというのは本当か」




[寺院・住職に直言提言]
宝田 明 (俳優) … 「戦争を知らない子供たちへ」
田原総一朗 (ジャーナリスト) … 「今でも現役を続けているわけ」




[ショートルポ]
●住職後継者が道心を捨て悪業に閉ざされた徳島市・浄土真宗本願寺派青年僧侶の殺人事件の刑罰●埼玉県のお寺の霊園計画に住民が市の墓地許可の取り消しを求めて提訴した理由●仏教界に衝撃与えた「出家詐欺」主犯格の元住職に実刑●真言宗御室派総本山仁和寺門前のコンビニとガソリンスタンド建設計画を中止に追い込んだ住民パワー




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【真宗大谷派】64年も続けたラジオ伝道を終えた訳と他宗派の聴覚伝道動向
【臨済宗妙心寺派】師家も雲水も安心して修行できる僧堂保険が必要な訳








 [好評連載]

 色即是空の科学事始め〔116〕
 「科学国際ランキング下落の訳――中国に抜かれて日本は世界第3位から第6位に」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔57〕
 「比丘500人を救い出した舎利弗と目連に釈尊はどう応えたのか」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 秘められた祈りの形講座〔121〕
 「インド仏教からお風呂が修行や信心の場になった訳」
  豊嶋泰國
(宗教民俗研究者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔137〕
「地方武士も仏教知識や教養は相当に高かった史実」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔19〕
「長く僧侶が営んでいた神仏習合の神社から仏教を一掃した訳――恐るべき水戸藩の廃仏毀釈」
  圭室文雄 (明治大学名誉教授)


 本当の創価学会問題〔54〕
 「創価大学は創価学会が日本社会を支配する天下取りのためだった!?――創価大学の野望か」
  段勲 (ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔159〕
 「仏教婦人会の大会をみんなの汗と涙で終えました」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔19〕
 「コンサルティングの活用法」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔27〕
 「日本人と現代仏教の位相(27)――グリーフケアの実際」
  島薗進
(上智大学教授・宗教学者)


 70億人の宗教トレンド〔68〕
 「チベット自治区成立50周年でいよいよ徹底される共産党統治」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔27〕
 「寺院がなすべきマイナンバー対策」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所所長教授)


 古今東西名著万巻のススメ〔46〕
 「南方熊楠著『十二支考』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔61〕
 「怨親平等」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 住職のための今月のことば
 「流動社会」
  稲垣真澄
(ジャーナリスト)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔5〕
 「正月と盆は繋がっている」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 本間久雄(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 伽藍建築のために受けた寄付金だが建築した後に余ったらそのお金は返すべきか
質問2 葬儀斡旋や信者獲得や永代供養を募集するNPO法人は違法ではないのか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 単身赴任の住職候補者が帰省する際や海外出張時の交通費は課税対象ですか
質問2 マイナンバーの扱いにお寺は税理士などと改めてどのような契約をすべきですか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「年明けや申年にも使えそうな日本仏教伝道句」


 在俗の説法者〔162〕 「ノーサイドの瞬間」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔66〕 「『オマエモシヌゾ』から」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔77〕 「あの世はあるか」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔8〕
 「新幹線の車内で出会った恐ろしい話と、あきれた話」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 そもそもお葬式セミナー〔153〕 「戒名ネット販売!?」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔205〕 「年の初めに人生の棚卸をしよう」
  渡邉照敬
(真言宗智山派延命院住職)


 いまどきマンガ説法〔42〕 「ミシュラン」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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