6月号画像
A5判・212頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2016年6月号の主な内容 (Vol.503)

[今月号の特集]

現地リポート 熊本地震で被害寺院の住職が遭遇した全くの想定外とその後の対応
死者・安否不明者合わせて50人、関連死20人もの被害をもたらした熊本地震。600カ寺以上が被災したが、この想定外の大地震に熊本の寺院では何が起きていたのか。そして住職は被災地で何を行ったのか。物資の配布や炊き出しなど、休む間もなく支援に奔走した熊本の住職の声とその活動を現地取材した。


寺院も衝撃! 国の特別天然記念物の日光杉が倒れ日光東照宮に家屋損壊の賠償責任!
国の特別史跡・天然記念物に指定されている栃木県の日光杉並木。だがその1本が台風で倒れ、民家を直撃。事故の損害賠償を求め訴えられたのは管理者の栃木県ではなく、所有者の日光東照宮だった。責任は誰が負うべきか。司法の判断は? そして今まさに倒木の危機に直面する天然記念物の桜の対策に苦慮しているお寺がある。


なぜ起きた!? 市が課税ミスで5200万円をお寺に返却した前代未聞
半世紀近く、大阪府貝塚市のお寺の境内地約1500坪が誤って課税されていたことが、このほど判明した。返還金は約5200万円に上る。なぜ役所も、当のお寺も気づかなかったのか。


ついに国会で追及された! 寺院の貧困ビジネス大問題
東京都足立区の単立寺院が生活保護受給者を対象にさいたま市で貧困ビジネスを行っている!? と本誌3月号で報じたこの信じがたい事件に新たな展開だ。なんとこの寺院施設が衆議院厚生労働委員会において取り上げられ、施設の運営実態が問題視されたのだ。そして国会では、当寺の問題を端緒に「貧困ビジネス」の規制法案が提起された。



宗門が行った住職の懲戒処分の当否を司法は裁断できるのか
身分や地位を不当に奪われたと思ったら人は裁判所に駆け込むほかないかもしれない。ここに取り上げるのは曹洞宗によって懲戒された横浜市の曹洞宗寺院住職による提訴だ。司法は宗教教団が独自でなした懲戒について干渉することができるのか。



新連載第2回 データ分析から限界宗教法人とされる寺院
寺院の将来が危ぶまれているのは人口減だけではない…石井研士(國學院大學教授・副学長)

日本の全市区町村の約半数にあたる896自治体が、2040年には消滅する可能性があるとされる。人口予測による分析だが、そうした自治体にある寺院もそれに影響されて約3割が危機にあるという。そのきわめて深刻な実態などを前号から続いて分析する。



広告盛んな自動搬送式納骨堂は本当にお寺のためになるのか?
狭い敷地でも数千基を収容できる自動搬送式納骨堂ビルが、大都市で次々と建設されている。だが機械式だけに永続性など維持管理の面に不安の声も出ている。すでに運営を始めている東京都や横浜市の4カ寺の実際を取材した。



ペット墓地固定資産税とペット供養法人税を糺す! 宗教法人のペット供養への課税処分は間違っている…石村耕治」(白鴎大学法学部教授)
近年、課税庁も司法も寺院が行っているペットの供養や墓地・納骨堂に対して突然、税金を課してきた。しかしこれは憲法にも触れる大問題だという。宗教法人税制に詳しい法学者が、ペット供養課税を糾弾する。



労使訴訟の教訓…本山が宿坊料理人に賠償を命じられた根拠と金額
「過重労働を強いられ、うつ病になった」と京都の真言宗御室派総本山仁和寺が、境内にある御室会館の料理長から損害賠償を含む約4700万円を求められた裁判に判決が言い渡された。司法はいかに判断したのか。



貧窮者に毎朝炊き出しを行う檀家40軒の山寺住職のすばらしき菩薩行
毎朝3時に起きて生活困窮者のために炊き出しを行う。常人ならまずできないことを、一日も欠かさず行う愛知県岡崎市の浄土宗西山深草派寺院住職がいる。のみならず、仕事や生活の悩み相談にも乗り、何百人もが住職の菩薩行に救われているのだ。捨身のすごい生き方をルポルタージュ!



市民の植樹で沿岸10キロを「森の防潮堤」にする住職の志が実現しつつある
1万人をも超える人々が沿岸に集い、数十年後のために「千年希望の丘」に植樹をする姿がある。宮城県岩沼市を「いのちを守る森の防潮堤」によって大津波から守るためだ。政府も大きな関心を寄せ法改正をも促したこのプロジェクトを推進したのは仙台市の曹洞宗寺院住職である。



第11回本誌「住職関心事アンケート」結果(2)
第11回「住職関心事アンケート」の結果をご報告しよう。今回は「『死んだら親や伴侶に会えますか』と聞かれたら?」「全くお参りしなくてもお寺が永代に供養と管理をする『永代供養墓』を設けていますか?」の2問。仏教教義を現実に照らしあわせ、仏教者はどう回答したのか。



地元新聞記者の寺院現況リポート〔15〕
「過疎の寺院を支えている檀信徒の意識調査で判明した現実と今後」…桜井邦彦(中国新聞文化部記者)

お寺に日頃いかない人が4割だが、お寺は信仰上の重要な心のよりどころとする人は8割――。浄土真宗本願寺派寺院の中でも過疎が著しい地域で行われた門信徒の意識調査の結果だ。いずれの寺院にも貴重な示唆を与える内容である。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(10)
私は迷わず「檀家葬」にはしないことにした……玄侑宗久(臨済宗妙心寺派福聚寺住職/作家)




障害者を快く迎えるお寺にしよう〔4〕
「なぜ障害者ゆえに社会から隠されなければならなかったのか」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

事件に重要な背景があるにもかかわらず、新聞もテレビも全く触れないことがある。警察当局までもが、そう要請する。関係者に知的障害者がいる場合だが、はたしてそれで何を守ろうとしているのだろうか?



連載 寺院と僧侶と檀家の近世史実 〔24〕
「現在の神奈川から高野山や伊勢・京都への道中記からわかること」…圭室文雄(明治大学名誉教授)

徳川幕府の影響下、高野山奥之院に大名墓が次々建てられた。それも高野聖の活躍による檀那場の形成によるところが大きい。当然ながら、その動きは庶民の高野山参詣にも現れる。64日間に及ぶ高野山参詣道中記からその実態を探る。



連載 本当の創価学会問題 〔59〕
「機密文書が流出して租税逃れが問題になっているパナマと創価学会の深い関係」…段勲(ジャーナリスト)




[寺院・住職に直言提言]
横尾忠則 (美術家) … 「因果応報や魂の話をもっとしてほしい」
庄野真代 (シンガーソングライター・国境なき楽団代表) … 「寺コンやりましょう」




[ショートルポ]
●住職の娘が住職の死亡退職金1億円を求め浄土宗寺院を訴えた裁判に学ぶ教訓●物議をかもした京都古都税騒動の再燃もあるのか!? 京都市長の「観光客への課税」方針に地元マスコミ報道と仏教界の反応は?●浄土宗住職3人が共同出版した霊験集『信じますか?』は迷信に非ず!




好評連載 宗派そして宗派の最高議決機関で論議されていることは寺院や住職のためなのか、チェックしよう
【曹洞宗】10年ぶりの宗勢総合調査結果速報から分かった今後の寺院護持の問題
【真宗大谷派】死刑やテロや災害などに対してすぐに声明を出せるのはなぜか





住職のための今月のことば「超高層住宅」 …稲垣真澄(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 新刊告知 
 稲垣真澄が現代社会に斬り込む本誌連載がこの4月、ついに単行本『いつでも法話ができる 現代布教キーワード 必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)として新発売されました。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を宗教、葬送、社会など14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むためのヒントや説き方の実例集としても最適。







 [好評連載]

 色即是空の科学事始め〔121〕
 
 「自衛のためならば核兵器も 憲法と核兵器の関係に関する安倍内閣の見解に異議あり」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔62〕
 「僧侶はなぜ上座に坐るのか? その本当の理由を再確認しよう」
  鈴木隆泰
(山口県立大学教授)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔40〕
 
 「人口減少社会における寺院の今と未来(2)これからの寺院が高齢者の生き甲斐の場となるために」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔142〕
 「室町時代の寄進状から判明した、百姓によって村の地蔵堂が建立された史実」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔164〕
 「熊本地震に明日はわが寺わが寺族と覚悟しつつも……」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔24〕
 「僧侶のメディア露出を問う」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔32〕
 「日本人と現代仏教の位相(32)――ボランティア活動に僧侶がかかわる意義とは」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔73〕
 「安全保障法の発効で南スーダンに駐屯する自衛隊は何をするのか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔53〕
 「日本人はなぜ家族葬を認めたのか」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔66〕
 「無尽灯」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔10〕
 「なぜぶつかり合い踊りなのか」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 本間久雄(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 死後は葬儀も墓地も寺に任せるという檀家と交わす「死後事務委任契約」の作り方
質問2 国を逃れやって来た外国からの「難民」をお寺が修行僧として受け入れられるか


 税金相談… 実藤秀志(公認会計士・税理士)
質問1 マイナンバーで住職や副住職の給与や預金は丸裸にされてしまいますか
質問2 ゼロ金利やマイナス金利はお寺の資産管理にどんな影響がありますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「絶望から生まれた名言だからこそ希望はある」


 在俗の説法者〔167〕 「誰がお迎えに来るの」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔71〕 「顕真実か虚仮堕獄か」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔82〕 「初めての臨床実習」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔13〕
 「ものごとはとらえ方ひとつで心は変わるってホント!?」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 そもそもお葬式セミナー〔158〕 「四十九日忌の法話」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔210〕 「報道の独立性が重大な脅威に直面している」
  田中治郎
(文筆家/仏教塾「柏樹庵」主宰)


 いまどきマンガ説法〔47〕 「流通」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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