4月号画像
A5判・212頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2017年4月号の主な内容 (Vol.513)

[今月号の特集]

本堂建築事業に異議を唱えた檀家に離檀を勧告したお寺の根拠
お寺と檀家は信仰共同体。だが今日、その関係性や意識も変化している。東海地方の曹洞宗寺院が本堂と檀信徒会館の新築事業を計画したところ、その寄付について一部の檀家が強く反発。おまけに境内で反対ビラをまいた檀家に住職は自発的離檀を促した……。


待ち望んだ庫裡改修建築が手抜きだらけで居住もできず怒りの裁判
まさかお寺の庫裡改修工事が粗放に行われるなんて思いもしなかった。不具合の数は実に30を超える。業者は完成というが、壁や床にひび、雨漏り、建物全体のゆがみなどがあるのだ。しかも断熱材や床板など見えない部分はもっとひどい。大阪の浄土真宗本願寺派寺院と京都の建築業者が争った欠陥庫裡損害賠償訴訟の教訓。


1寺院で数万区画という大規模機械式納骨堂をなぜ自治体は認可するのか
名古屋市で実に1万区画と2万区画に上る大規模機械式納骨堂が相次いで開設される。そんな区画数が本当に必要なのか。そもそも機械式納骨堂には疑問が山積みだ。遺骨を機械で運ぶことに違和感があるし安全性も必要性も永続性もあるのか。納骨堂の経営を審査する自治体は、一体いかなる基準で認可しているのか。



養子の新住職が養親の前住職夫妻に1億4000万円の賠償を訴えた訳
長野市の天台宗寺院に養子に入った住職が、あろうことか、養親の前住職夫妻に1億4000万円もの巨額賠償を求めて提訴した。両者は養子縁組の際に「関係悪化の時は離縁。養子は住職の地位を失う」との覚書も交わしているから、ことは後継者問題にもかかわる事態だ。



10宗派「宗報」特集① 宗派は寺院に宗侶に本気で生きた情報を発しているのか
宗派からお寺に届く定期刊行物で最も重要なのが公報誌「宗報」だ。正しい情報の共有があってこそ、宗派も寺院もその機能を効率よく発揮できる。では、どの宗派が激動の時代の寺院や宗侶のために、最も生きた情報を掲載しているのか。10宗派の「宗報」を比較、点検しよう。第1回は浄土宗、曹洞宗、日蓮宗の現場だ。



宗教年鑑にある信者数は新聞報道のとおり“どんぶり勘定”なのか
毎年文化庁が公表する『宗教年鑑』に記載された各教団の信者数は各教団の申告をうのみにした“どんぶり勘定”だ、宗教界が襟を正すべき問題だと『産経新聞』が書いた。本当なのか。各宗派に“どんぶり勘定”なのか取材した。



寺院の火災補償は火災保険と建更共済どちらがいいか
昨年12月の糸魚川大火を見て、思わず、自坊の火災補償を見直した住職もあるだろう。現下、損保会社の火災保険も農協の建物更生共済も「全壊しても再建できる」タイプに補償内容が変わりつつある。いくらの掛け金でどれだけ補償してくれるのかシミュレーションした。



お掃除ロボットをお寺で使うならどの機種がいいか
「全自動」をPRする家庭電化製品が次々に発売されているが、ロボット掃除機もその一つ。当然、導入を思案する住職もいるはず。掃除は修行の一環と考え導入を躊躇する向きもあろうが、参考に大手6社の最新機種を全比較した。



在家から新寺建立してなおかつラオスに中学校も建てた熱血住職の教化力
新寺建立にはよほどの道心、それに行動力がないと難しい。だが、高校教師をしながら神奈川県伊勢原市の住宅街にお寺を建て、さらに昨年、東南アジアのラオスに中学校まで建てた真宗大谷派住職がいる。そのエネルギーはどこから来るのか。住職の心の軌跡。



新連載 誌上セミナー新連載 やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔1〕
「どんな環境や条件でも新たな宿坊づくりでお寺はよみがえる」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

18年前に独力で宿坊研究会を立ち上げ各地の寺社をめぐりその魅力を発信し続ける筆者の縁は大きく広がっている。そうした活動から得た今日の寺院活性化の在り方を学ぼう。



短期連載 近づく超多死社会にお寺が求められていること〔1〕
「葬儀やお墓を業者に任せきりのままでいいか」…小谷みどり(第一生命経済研究所主任研究員)

葬儀はしない、お墓もいらない――こんな声がふつうに聞かれるようになったのはなぜか。新聞やテレビには“終活”の文字があふれている。まるで人々の不安を煽るように。しかしこれでいいのか。いまお寺に求められていることは何か。



これからの葬送を考えるための提言〔2〕
「故人の埋葬改葬について現行の法律にいかなる欠陥があるか」…森謙二(法社会学者/茨城キリスト教大学教授)

「埋葬義務」の制度化を求めると法社会学者の筆者は提言する。今日の“送骨”や“墓じまい”の現況を危惧するからだという。檀家として寺院墓地に永代にわたり埋葬された故人を勝手に他所に改葬していいのかと問う。



好評連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!?〔42〕
「葬送激変でも欠かせない棺に何が起きているか」…内藤理恵子(宗教学者)

人が亡くなれば必ず必要なのが「棺」である。それでは、今日の葬送激変のなかでその棺もやはりさまざまに激変しているのだろうか。多死社会の到来で需要も急増している棺の製造工場や専門業者に取材した。

 新刊告知 
 この連載を元にした単行本、内藤理恵子著『あなたの葬送は誰がしてくれるのか――激変する供養のカタチ』(本体価格2,900円)がたちまち大反響です。遺族・葬送・お墓参りと納骨・供養・終活など30項目にわたって葬儀や供養の激変を克明にリポートした本書は、読めば読むほど葬送を通じて寺院住職への期待が高まっていることがはっきりと分かります。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)(20)
「『起こるまでは考えない』をモットーに年に一度の小さな夫婦旅行にて」……玄侑宗久(臨済宗妙心寺派福聚寺住職/作家)




障害者を快く迎えるお寺にしよう〔14〕
「国の補助金もあるのになぜ障害者の賃金は小遣い程度なのか」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

「国から補助金もらって自分たち職員は生活しているのに、障害者には数千円とか1万円程度しか支払っていない」と障害者の福祉事業所の経営者は憤る。この言葉の真意を問う。



連載 寺院と僧侶と檀家の近世史実〔33〕
「江戸の庶民に信心あれば死に至る病もなおると説いた霊験記」…圭室文雄(明治大学名誉教授)

火難災難除けや豊作大漁祈願など江戸の庶民が大山不動によせた信仰の姿をこれまで見てきたが、そのご利益の中で最も多いのが病気なおしだ。霊験記はいかに布教したのか。



連載 本当の創価学会問題 〔69〕
「網の目のごとく池田大作名誉会長を頂に全国に管理職を乱立させたのはなぜか」…段勲(ジャーナリスト)




[寺院・住職に直言提言]
黒沼ユリ子 (ヴァイオリニスト/音楽教育家) … 「私の『音』の記憶と人生の第一楽章」
籔内佐斗司 (東京藝術大学大学院教授/彫刻家) … 「仏教と仏像」




[ショートルポ]
●寺院が仏具店に貸していた東京の土地に反社会的勢力が闖入した揚げ句に裁判となった不穏な紛争●築地本願寺の本堂で行った「謎解き脱出ゲーム」イベントに若者200人集結の大成功●台湾南方バシー海峡に散った戦死者20万人超のために日本人が全資産を投じて建てた潮音寺の現況




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔72〕
「父王を廃した阿闍世王はどのようにして優婆塞になりえたか」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)


 既刊告知 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第2巻(本体価格2,400円)が第1巻ともどもに大好評。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。心の危機に釈尊は何を救いとしたのか、原典に学ぶ最良の教えを人生に活かしましょう。



住職のための今月のことば「鎌倉街道」 …稲垣真澄(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊告知 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を宗教、葬送、社会など14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むためのヒントや説き方の実例集としても最適。







 [好評連載]

[好評連載]
 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔48〕
 
「僧俗に問われる身代わりの宗教性とは何か」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔152〕
「栄西や道元が乗った商船から分かる史実」
  井原今朝男 (国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)


 色即是空の科学事始め〔131〕
 
 「真実が通用しなくなる時代――ポスト・トゥルースからオルタナティヴ・ファクトへ」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔38〕
 「寺院も関係する外国人入国規定」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔173〕
 「お寺を巡回する衣屋さんは寺族のサポーターかな」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔34〕
 「お寺が企業と付き合う心得」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎 (『未来の住職塾』講師)


 今からの宗教酔眼千里眼〔42〕
 
「日本人と現代仏教の位相(42)――超宗派の近代仏教社会事業」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 いまさら師匠に聞けないこと〔62〕
 「2月に食べさせられる『シモツカレ』って?」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 70億人の宗教トレンド〔83〕
 「アウンサンスーチーが少数民族虐殺者と非難されたのはなぜか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 古今東西名著万巻のススメ〔59〕
 「平井富雄著『脳と心』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔76〕
 「竹の葉に掛けし衣」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔20〕
 「お盆行事には『火』の演出も」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 長谷川正弘(弁護士)・ 平松和也(弁護士)
質問1 檀家から遺骨を宅配便で送りたいといわれたが法的に問題はないか
質問2 寺院墓地に愛犬も埋葬したら他の檀家に墓地規則違反だと怒られた


 税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 空き家と土地を買い礼拝施設等にしたいが改築前に非課税となりますか
質問2 住職が認知症を患ったが寺院や個人名義の銀行預金は引き出せますか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「開運・長寿のための戒語・金言・名句集」


 在俗の説法者〔177〕 「リバーサイドホテル」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)


 生きるとは何か〔81〕 「やはり愚者になりて」
  亀井鑛
(NHKEテレ「こころの時代」元司会者)


 スピリチュアルケア講座〔92〕 「四十九日を終えて」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔23〕
 「お話が上手になるためのとっておきのお話!?」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 そもそもお葬式セミナー〔168〕 「いまからの葬儀に」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)


 法語伝道聖句三昧〔220〕 「歩歩是道場」(禅林類聚)
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔57〕 「聖地巡礼」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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