12月号画像
A5判・212頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2018年12月号の主な内容 (Vol.533)

[今月号の特集]

父親の墓を無断で破棄したと高齢の親族が訴えた裁判とお寺の責任
高齢でお墓を守れず後継もいないので「墓じまい」をしたいと相談された愛知県の浄土宗寺院の住職はこれを認め、墓を撤去した。ところがそこに親族が現れ、親族間で損害賠償となった。実はお墓を撤去した者は、墓参りはよくしていたものの、墳墓建立者の血縁ではなかったというのだ。お寺にも責任は問われるのか。


太陽光発電をこれからお寺の事業にしたら得か損か実地見聞
宗派を超えて住職たちが起業した太陽光による電力の小売会社が世の耳目を集めている。太陽光発電の電気を電力会社に売って収益をあげるお寺もある。だが、発電を始めるには設備投資も必要だ。引き比べたら得するものなのか。お寺が行う事業として太陽光発電に将来性は見込めるのか。2カ寺の実際例と太陽光発電の現況を取材した。


寺院の文化財修復で市の幹部と宮大工が起訴された波紋
国も地方も指定文化財の寺院建築は相当数あり、補修も盛んだ。その補修の一部には公費が使われる場合が多く、施工業者は入札で決められる。ところが三重県亀山市の真宗高田派寺院が持つ市指定文化財の山門修復の入札でなんと、贈収賄事件が起きたというのだ。市の文化財部門のトップと宮大工が逮捕された事件の真相と問題の所在を追って、現地に取材した。



名門の宿坊で起きた赤痢菌集団食中毒の意外な顛末と教訓
日蓮宗総本山身延山の宿坊で赤痢菌の食中毒が起きたと知って耳を疑った。宿坊で出された食事がもとで大勢の参詣者が病院に搬送されたのだ。事態を取材すると、宿坊のみならず食事を供する寺院行事にも決して他人事ではなかった。



入棺体験やデスカフェをお寺で成功させる方法
いま、棺に入ってみるイベントが注目されている。デスカフェという、お茶を飲みながら死を語り合う催しも人気だ。どちらもお寺で開かれるケースが多いが、いったいどんなものなのか。開催にかかわるNPO、看護学校、カフェなども含めて、6つの実際を取材した。



お寺の樹木を襲う塩害に対処法はあるか
紅葉シーズンを目前にして多くの寺院でイチョウやモミジ等の葉が枯れてしまった。大型台風の襲来による塩害が主な影響だという。どうすればいいのか。鎌倉の寺院と樹木医に取材した。



今年の除夜の鐘 夜に撞くか、昼に撞くか
除夜の鐘といえば年越しのお寺の風物詩だが、高齢化社会ゆえの必然か、近年は昼間に鐘を撞くお寺が増えている。住職独自の催しを創出して賑わいを得ている5カ寺の実践と、近隣住民からの苦情で除夜の鐘を取りやめたお寺を取材した。



歴史はあれども地域からも忘れられた古刹を参詣者数万人余に再興した住職の粉骨砕身
歴史あるお寺を次代につなぐにはどうしたらいいか。地域と共に果敢に奮闘している群馬県甘楽郡甘楽町の曹洞宗住職がいる。30年前は地元の人も名前を忘れかけていたほどのお寺を今や年間2万人余がお参りするお寺にした。その弛まぬアイデアと取り組みのドキュメント。



儲かる施設より人が集う場がお寺だと確信するまでの都市開教
「都市開教」としてゼロから布教を始めるのはきわめて苦労の多いことだが、千葉県市原市に、本堂ばかりか門信徒が集う会館まで建立し、会員制を立ち上げた浄土真宗本願寺派寺院がある。慎重かつ大胆な住職の手腕に学ぶところは多い。



お寺に集う女性たちが料理本として出版したくなった坊守さんの手料理と口伝と心
お寺で生き生きと暮らす寺族の姿は地域に元気を与える。先ごろ、長年の食修行が5冊の料理本として結実し、話題を呼んでいる鳥取県の真宗大谷派寺院の前坊守がいる。なぜ、市井のお寺の奥さんの料理が本になったのか。情熱と歩みを取材した。



新連載「魂でもいいから、そばにいて」(1)
「家族を喪った遺族の霊的体験で知るあの世からの物語」…奥野修司(ノンフィクション作家)

「幽霊を見ても怖くなんかない」「幽霊に会って元気づけられた」――そんな話を東日本大震災で家族を突然喪った人々から聞いたノンフィクション作家の思いとは……。



新連載 日本人はいかに弔われてきたのか(4)
「日本人の死後供養観を深めた霊場への納骨が始まったのはなぜか」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

亡き人を記憶する墓標を建てないのが中世初期の死者儀礼のかたちだった。12世紀に入ると、そうした観念をより顕在化させる風習が始まる。霊場への納骨信仰だという。その先駆けが高野山奥の院だったというが、それはなぜか。



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔21〕
「最新技術を活用した仏像の盗難対策で新たな活性もあり得る」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

お寺やお堂から、信仰の対象である尊像が盗難に遭っていることを前号で見たが、では、いかにすれば泥棒から尊像を守ることができるのか。具体的対策があればいいのだが……。



好評連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔20〕
「『最近ストレスを感じたことはありますか』と医者に訊かれ、思うこと」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




好評連載 激変する葬送にいかに対処すればよいか!? 〔57〕
「葬儀の必要性を宗派はいかに布教しているのか」…内藤理恵子(宗教学者)

葬儀の縮小化、いや葬儀をしない者まで現れている昨今、これを座視するだけでは寺院の存在意義も希薄化してしまうのではないか。では、これに対して宗派は檀信徒に葬儀の意義をいかに布教しているのか。
 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、内藤理恵子著『あなたの葬送は誰がしてくれるのか――激変する供養のカタチ』(本体価格2,900円)が大反響です。遺族・葬送・お墓参りと納骨・供養・終活など30項目にわたって葬儀や供養の激変を克明にリポートした本書は、読めば読むほど葬送を通じて寺院住職への期待が高まっていることが分かります。



初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔92〕
「布施はなぜ在家にとっても出家にとっても最も重要な教えなのか」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 新刊好評! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第3巻―なぜお釈迦さまのインドに差別がなくならないのか(本体価格2,400円)がたちまち大絶賛! 第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。

なお既刊の第1巻、第2巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第1巻は王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。



秘められた祈りの形講座〔143〕
「仏像はなぜ開眼の供養をしなければ御利益がないのか」…豊嶋泰國(宗教民俗研究者)

 既刊告知 
 本誌連載をもとにした豊嶋泰國著『仏教現世利益事典―天変地異も不幸も乗り越えられる祈りの形』(本体価格3,100円)が檀信徒への説法の幅が広がると大好評です。「お餅を供えたり食べるのは万民豊楽の訳」「寺院で行われる厄除け厄落としにどんな方法があるか」など、現世を生きるための仏教の50のご利益とその実践を実証的に説く。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔34〕
「高齢の親と共に暮らす高齢障害者の問題が実際に起きている」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

かつて「親亡き後の不安」が問題だったのが、今日の問題は、親が長生きし、子どもも長生きして共に暮らす中で、高齢者介護と障害者介助が同時進行する事態となったことである。



今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔172〕 「日本に興った国風文化と茶と仏教の相関」…井原今朝男(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)
遣唐使は中止されたが、勅許により中国との交流は続いていたことが平安前期の喫茶の流行で明らかになった。そうした交流の担い手は中国仏教の経典を求めて渡海した僧侶であった。その成果は『源氏物語』等に代表される王朝文化をも生んだ。
 新刊好評! 
 本誌連載をもとにした井原今朝男著『史実中世仏教』がますます大好評。第1巻「今にいたる寺院と葬送の実像」(本体価格2,800円)、第2巻「葬送物忌と寺院金融・神仏抗争の実像」(本体価格3,500円)。そして最新刊の第3巻「大災害と戦乱の中の僧侶 驚くべき戒律の実相」(本体価格3,500円)もたちまち大絶賛。寺院こそ強い軍事力を持ちえた中世にあって僧侶は何をしたか。これまで未解明の中世約600年の仏教の戒律と「行」から「信」への史実に迫ります。



連載[寺院・住職に直言・提言する]
天沢退二郎 (詩人/中世仏文学者/宮澤賢治研究家) … 「私の《宗教観》」
小山薫堂 (放送作家/脚本家) … 「究極の接待」


 新刊大人気! 
 本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい!



[ショートルポ]
●もとは大仏テーマパーク寺だった福井県・臨済宗妙心寺派寺院が建立者事業破綻から市の債権放棄で再生への道へ
●兵庫県・浄土宗住職が30年間続ける著作出版で自腹切り15冊上梓したのは亡き妻と地域のため
●愛知県・高野山真言宗寺院のコンサル契約訴訟でお寺の預金を業者が差し押さえた驚きの根拠とは








 [好評連載]

 住職のための今月のことば
 
「ナチスとアメリカ」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。



 本当の創価学会問題〔86〕
 
「創価学会に関する最近の著書は同教団の真の姿を伝えているのかと危惧する訳」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔67〕
 
「誰にもある共感というスピリチュアリティ」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔54〕
 「寺院も関わる公益通報者保護法」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 色即是空の科学事始め〔151〕
 
 「今こそ司馬江漢の再評価を――江戸時代に出現した日本のダ・ヴィンチの業績」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔188〕
 「住職が御征忌焼香師になり檀信徒と大本山参拝の日に起きたこと」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 霊験尊し尊像ミステリー〔12〕
 「街道の境に立つ見返り阿弥陀の謎」
  本田不二雄
(フリーライター)


 いまさら師匠に聞けないこと〔81〕
 「キリスト教と比べて仏教のいいところは?」
  仙田陽高
(真言宗豊山派住職)


 誌上講座・未来の住職塾から寺院僧侶活性化対論〔54〕
 「今からのお寺に期待すること」
  松本紹圭
(『未来の住職塾』塾長)・ 井出悦郎


 今からの宗教酔眼千里眼〔62〕
 
「日本人と現代仏教の位相(62)――近代日本仏教福祉事業の歩み(10)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔102〕
 「ノーベル平和賞受賞のイラクの女性ヤジディ教徒が必死に訴えること」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 仏教ことわざよもやま漫歩〔96〕
 「一日一夜を経るに八億四千の思いあり」
  勝崎裕彦
(大正大学前学長・浄土宗住職)


 古今東西名著万巻のススメ〔76〕
 「久松真一著『東洋的無』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔39〕
 「お祭りもリスクマネジメントを」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)


 法律相談… 伯母治之(弁護士)・ 長谷川正浩(弁護士)
質問1 亡き住職の妻が境内地の一部を自分のものとして他人に売った効力
質問2 宗派から財務帳簿の提出を求められたが責任役員が拒否しても宗派に従うべきか


 税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 住職が孫の大学進学や留学のために教育資金を贈与する際の節税方法をお教えください
質問2 住職個人から母と姉との3人で相続した土地を姉に譲る際に税金を有利にできませんか





[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 お説教のタネ本「庶民が発した名言にて朝が始まる日めくり也」


 在俗の説法者〔197〕 「孤独な最期でいいのか」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、たちまち大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔101〕 「誰もにある『親殺し』」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 スピリチュアルケア講座〔112〕 「ウンウン星人って何」
  井上ウィマラ
(高野山大学教授)


 露の団姫のお笑い仏教寄席〔43〕
 「宗門の広報誌でも笑ってもらっています、川柳で」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)


 すぐ使える法話セミナー〔20〕 「五蘊盛苦の説き方」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔240〕 「泣く子はいねがー!」
  峯岸正典
(曹洞宗住職・宗教間対話研究所所長)


 いまどきマンガ説法〔77〕 「電飾」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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