6月号画像
A5判・204頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2019年6月号の主な内容 (Vol.539)

[今月号の特集]

高齢者や独身者が増える今からのお寺の事前相談活動の必要性
社会の高齢化に加え、生涯未婚率が上昇する日本。安心して生をまっとうする体制が官民共に模索される今、既に檀信徒のための事前相談活動に動き出している住職たちがいる。なかには弁護士や税理士など士業と連携し、超宗派のネットワークを立ち上げる活動もあるのだ。その活動の実際を取材した。


永代供養墓を既存の墓地内に建てる場合も行政の許可は必要か
寺院墓地の使用権を得た団体が納骨堂と見まがう施設を永代供養墓として建設し、寺院に断りなく販売を始めた。当然に自治体は行政指導に入ったが法的結論は未定だ。これで心配なのは寺院墓地内に増えている永代供養墓の許可問題だ。永代供養墓が「墳墓」か「納骨堂」かはどこで判断されるのか。


官民連携事業なのに名刹2万坪売却でなぜ詐欺か
地域の大規模開発計画に寺領2万坪の売却を決めた京都の天台宗の古刹だが、不動産ブローカーが群がり争訟の舞台になってしまった。民事・刑事両面で争いが起きているのだ。



過疎地寺院の窮状に向けた宗派の対策は本当に役に立つのか
今や全市町村の約半数が過疎地域という現実が、地域の信仰と文化を担ってきた寺院にも深刻な影を落としつつあるのは周知の事実だ。住職や寺族の努力だけでは伽藍の維持もままならない過疎地寺院に宗派はどのような手を差し伸べているのか。10宗派の具体的施策を比較検証しよう。



誰にでもお寺を活用してもらうための若手僧侶の実践
これからの時代に必要とされるお寺とは何か。過疎化や寺離れなどの風潮をものともせず、アイデアを練りお寺の存在を若い世代に発信する僧侶たちがいる。地域も住民も活気づける4カ寺の活動をクローズアップした。



実践に学ぶ寺子屋活性化の秘訣
子供がいない。人材がいない。お金がない――。少子高齢化の中、子供の教化に悩むお寺も多いのではないか。今回紹介する4カ寺はそれぞれ違う視点から子供に向き合っている。その姿勢にはこれからの青少年教化へのヒントがありそうだ。



空手最高位範士の武道仏道一如の住職ルポ
2020年の東京オリンピックで新たな正式種目に加わった空手。その沖縄発の武道を通じて、教化に国際親善に励む真宗大谷派寺院住職が新潟県にいる。古希を越えてなお、生涯武道を胸に日々鍛錬に励み、昨年末には全日本空手道松濤館の最高位範士の称号を受けたその道心をルポルタージュ!



お寺が発案した乗合タクシーでお年寄りの参拝を支援
参拝が困難な高齢者や身体の不自由な門徒にも永代経法要に足を運んでもらいたいとの思いから、鹿児島県・種子島の自坊で乗合タクシーの活用を始めた浄土真宗本願寺派住職がいる。乗合タクシーとはどんな仕組みなのか。他の地域でも応用が可能なのかをタクシー会社にも取材した。



第14回本誌「住職関心事アンケート」結果(1)
2019年「住職関心事アンケート」の結果を今月からお伝えしよう。まずは「住職としてこれまで一番の失敗とは何だったでしょうか?」「檀信徒を増やす対策を講じていますか?」の2問だ。各寺の状況を踏まえて、貴重な意見が寄せられた。



特別寄稿 ホームレス「支縁」で見える僧侶のできる社会参加仏教とは何か…髙瀨顕功(「ひとさじの会」代表/大正大学地域構想研究所助教)
多くの人がその生活や気持ちを知ろうとしない路上生活者に対して、手を差し伸べている僧侶たちがいる。「ひとさじの会」だ。その活動から何が見えるのか。社会貢献というと僧侶の活動とは別のものと思われがちだが、実はそうではないというのだ。



新連載 葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔2〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館准教授)
人の死を儀礼として営む行為を子細に分析すると、様々なことが見えてくる。たとえば、なぜその儀礼に日常の場とは異なる専門式場が必要になったのかを考えてみよう。今日一般的になったホール葬儀を可能にした所以である。



集中連載 日本の文化は世界の経済を救えるのか…寺西重郎(一橋大学名誉教授、経済学博士)
これまで3回にわたり仏教や神道という日本の文化が経済にどんな影響力をもってきたかを俯瞰してきたが、そうした文化や倫理観がこれからの世界経済にいかなる貢献ができるのか、最後に考えてみたい。



連載 日本人はいかに弔われてきたのか〔10〕
「巨大墳墓でカミを崇めた日本はなぜ外来の仏教を受け入れたのか」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

人をカミに祭り上げるための巨大前方後円墳の時代は7世紀に完全に終息した。その決定的な要因は仏教の受容にほかならなかったという。それはなぜなのか。日本人は初めて出会った外来の仏教にどのような役割を与えたのか。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔44〕
「令和の前に『自』を補って常に『自ら和せしむ』と訓んで得心できた」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
秋山豊寛 (宇宙飛行士、ジャーナリスト) … 「『終活』に追われて」
見城美枝子 (青森大学副学長、エッセイスト) … 「宗派を超えて信仰は続く」


 新刊大人気! 
 本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい!



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔27〕
「日本の人口減少現象は仏教にとってはなぜ有利に作用するか」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

人口減少は寺院にとって今後きわめて不利になると多くの人が心配しているけれども、いや、むしろピンチこそチャンスになるというのが今回のテーマだ。人口が少なくなればなるほど、人々は仏教に近づいてくる。それはなぜなのか。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔26〕
「こっちも都合あるのに、連休中になぜ法座なのと婦人会に言われた」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔98〕
「仏教が差別の少ないところの国や人々に受け入れられたわけ」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 既刊好評! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第3巻―なぜお釈迦さまのインドに差別がなくならないのか(本体価格2,400円)がたちまち大絶賛! 第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。また既刊の第1巻、第2巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第1巻は王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔40〕
「学校は障害児の権利も障害のない子どもの権利も奪っている」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

小中学生の自殺や不登校が最多を更新しているのが今の日本。いじめ、ひきこもりも大きな問題になっている。子どもは弱くなったのだろうか。しかし、子どもの本質がそんなに容易に変わるとは思えない。変わったのは社会の方ではないのか。



今にいたる中世の寺院・僧侶や在家その実像〔177〕
「参詣路で中世寺院が湯茶を接待した史実」…井原今朝男(国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)

寺院の法要などから喫茶が日本社会に浸透したことが分かった。さらに、寺院周辺で茶を商う者も僧俗にわたって現れる。のみならず、寺社参詣の風習が広まるとともに寺院が湯茶の接待所となり、仏教を布教する場となっていったという。
 既刊好評! 
 本誌連載をもとにした井原今朝男著『史実中世仏教』がますます大好評。第1巻「今にいたる寺院と葬送の実像」(本体価格2,800円)、第2巻「葬送物忌と寺院金融・神仏抗争の実像」(本体価格3,500円)。そして第3巻「大災害と戦乱の中の僧侶 驚くべき戒律の実相」(本体価格3,500円)もたちまち大絶賛。寺院こそ強い軍事力を持ちえた中世にあって僧侶は何をしたか。これまで未解明の中世約600年の仏教の戒律と「行」から「信」への史実に迫ります。



[ショートルポ]
●仏教国スリランカでのISによる同時爆弾テロに悲憤慷慨の曹洞宗住職あり
●浄土真宗本願寺派が一罰百戒の証として宗報に公示した3人の宗侶への懲戒処分
●公職選挙法で有罪とされた住職があえて訴える檀家の当選で住職が催す慰労会も罪になる訳




[法律・税金相談]
法律相談… 本間久雄(弁護士)・ 伯母治之(弁護士)
質問1 台風で防火地域内の木造本堂が壊れたが修理に際し行政に耐火性を要求され困っている
質問2 9年も育てた妹夫婦の子供を突然妹に連れていかれたが子供を取り返すことはできるか

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 住職の親戚や檀家役員の葬儀で寺院の規定より安くしたら課税されますか
質問2 お寺が入れる保険で有効な節税や退職金代わりになるものはありますか






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔6〕
 
「お寺が始めた『お寺葬』って何がいいのか」
松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)対論…河野清麿(大阪市・浄土真宗系単立遍満寺副住職)

僧侶が檀家さんから一番最初に相談される存在になるためにはどうすればいいのか。そこで始めたのが「お寺葬」だった。


 本当の創価学会問題〔91〕
 
「他宗を警察沙汰になるほど攻撃していた創価学会が邪宗撲滅活動をやめた理由」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔73〕
 
「女性僧侶に女性らしさは必要なのか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔59〕
 「著作権法改正で50年が70年に」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 色即是空の科学事始め〔157〕
 
 「脳科学神話には用心しよう――『人には右脳タイプと左脳タイプがある』はウソ!?」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 霊験尊し尊像ミステリー〔17〕
 「仏教が伊勢神宮を守護してきた証」
  本田不二雄
(フリーライター)


 臨終医しか知らない大事な話〔6〕
 「のど仏は命のバロメーターになっているわけ」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔68〕
 
「日本人と現代仏教の位相(68)――近代日本仏教者の社会福祉活動(6)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔108〕
 「ヨーガの日を国連に認めさせたモディ政権のインド的権謀術数」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 住職のための今月のことば
 
「高齢者と自動車」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。



 古今東西名著万巻のススメ〔80〕
 「ラフカディオ・ハーン著『心』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔45〕
 「地域レガシーとして盆踊りを」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔49〕
 「もしも大谷高校の宗教部に2人で入っていたら」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 新刊刊行 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、はや大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。



 お説教のタネ本「偉人の偉人たるゆえんはこんな言葉にもある」


 在俗の説法者〔203〕 「『いや、許されない!』」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔107〕 「『週休4日』の生き方」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 スピリチュアルケア講座〔118〕 「生育歴とリハビリ」
  井上ウィマラ
(健康科学大学教授)


 すぐ使える法話セミナー〔26〕 「閻魔王冥途の裁き(1)」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔246〕 「メイクアメリカグレートアゲイン」
  田中治郎
(文筆家・仏教塾「柏樹庵」主宰)


 いまどきマンガ説法〔83〕 「でんでんむし」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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