8月号画像
A5判・210頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2019年8月号の主な内容 (Vol.541)

[今月号の特集]

創刊45周年記念特集 聞いて意味不明の漢文読経のままでいいのか――10宗派10人の答え(1)
今日のお寺離れの一因に、檀信徒の法要で漢文をそのまま読む諷経をあげる宗侶は多い。聞く者のほとんどが意味不明だと察しているからだ。当然、改善を求める大衆の声もつとにある。今、これにいかに応えるべきか。10宗派の名僧に持論を聞いた。第1回は、天台宗、真言宗豊山派、曹洞宗、臨済宗妙心寺派、浄土宗の5人だ。


寺院キャッシュレス化は本当に役立つのか!? 住職の是非
インバウンドを視野に政府は国内のキャッシュレス比率を上げようとしきりに旗を振るが今年6月下旬、京都の金閣寺や東寺など名だたる観光寺院が加盟する京都仏教会が「お布施のキャッシュレス化反対」の声明を出した。仏教界はどうすべきか。お賽銭やお布施のキャッシュレス化を導入したお寺にも取材した。


お盆の帰省拒否や不要を公言する人に寺院の対応力
日本人の最も宗教感度が上がる季節はお盆だ。家族や親族が集い共に亡き人、先祖を思う。だが近年、お盆帰省不要論がささやかれるという。これが本当なら、お寺はどう対処すべきなのか。現役世代も惹きつけるお盆限定の特色ある取り組みを始めた各地のお寺に取材した。



御朱印がインターネットで高額売買されている不祥事
御朱印を目当てにする参詣者が増え、工夫を凝らした御朱印に行列ができるお寺も多い。ところが、こうした人気の御朱印がネット上で数え切れないほど転売され、なかには30万円もの価格で出品されているものもあったのだ。お寺と縁を結んだ証が売買される由々しき問題に有効な手立てがあるのか取材した。



売りに出されたお寺を買って住職になった僧侶の証言で分かる危機
滋賀県内のお寺が売買されているという情報を得た。それは一面の事実だった。しかし買ったのは、件のお寺の再興を本気で志す僧侶だった。だがその思いが具体化するにはさらに高いハードルがあることが分かった。それはなぜか。



業者の独占的な建墓契約を寺院が無効にできた判決
画期的判決だ。特に業者に資金を出させるために寺院の名義を譲って設けた、いわゆる“名義貸し”霊園には朗報。それらの霊園の多くはお墓の販売権も建墓権も業者に独占される契約になっているからだ。それが寺院によって解除できるという。千葉県内の曹洞宗寺院と石材店の名義貸し霊園損害賠償事件から学ぼう。



子供や困窮する高齢者の安心を支える住職の社会福祉と教化
長野県軽井沢町でお寺を託児所に開放し、困窮者のための老人ホームや親元で暮らせない事情を抱えた子供のための施設を営む日蓮宗女性住職がいる。地域のニーズに応える瞠目すべき済生奉仕の実践と、福祉を通じた教化活動を取材した。



女性が住職になるとお寺自体も檀信徒も男僧社会もどう変化するのだろう
前号に続いて女性住職の実際を訪ねよう。今回取材したのは、千葉県の真言宗豊山派住職と佐賀県の曹洞宗住職だ。今まさに子育て世代、アラフォーの2人は、境遇も考え方もそれぞれだが、反骨精神と、目指すお寺に向かって明るく突き進む姿勢には、どの住職も学ぶところは多い。



今から手ぬぐいを作るなら何を目当てにするか
手ぬぐいを授与するお寺は多いが、昔ほど売れないとも聞く。お寺の境内に御朱印を求める人々の姿が目立つ今こそ、あえて手ぬぐいを作るなら、その目的が肝心だという。6カ寺と染物問屋、コレクターに取材した。



宗門は未来を託す子供らに何を提供しているか
全国で寺子屋活動に取り組むお寺は多い。だが、宗派でも青少幼年教化に様々な支援策を用意していることをご存じだろうか。9宗派に取材したその支援内容を全比較しよう。



第14回本誌「住職関心事アンケート」結果(3)
前号に続き、2019年「住職関心事アンケート」の結果を報告しよう。今回は、「本堂などの施設を仏教行事以外に使っていますか? その理由は?」だ。地域の行事に使っているというお寺もあれば、仏事以外には使わないと答えた住職もいる。それぞれの率直な意見が多数寄せられた。



集中連載 人口減少時代の寺院の役割とは何か(2)…山下祐介(首都大学東京人文社会学部教授)
「お寺はこれからも地域の人々の生活を支えるインフラになりえるか!?」

限界集落は消滅するし、限界集落のお寺も消滅すると予測する人がいる。さらに、日本のために地方末端は切った方がいいという声も政府の近くから聞こえる。だがしかし、そうした予測や提言は全く当てにならない。むしろ問題は人々のそうした意識にある。



集中連載 認知症高齢者対応型施設の介護僧侶リポート(2)…日髙明(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)
「仏間も仏壇もある施設の認知症入居者がテレビを拝みはじめたのはなぜか」

実質上、お寺が運営する認知症高齢者のグループホーム施設「むつみ庵」で起きていることや、僧侶である社会福祉士が日々体験する予想外の出来事は、同じく仏教者にとっても極めて貴重な事実に違いない。そこから何を学ぶべきか。



新連載 葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔4〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
「遺体との寄り添いを遠ざける葬儀場が増えた訳」

肉親が亡くなれば、そのなきがらに寄り添って葬儀までの日を過ごすのが遺族の営みだった。ところがいつの間にか、それが幻想になりつつある。急増した葬儀場もそうした寄り添いを想定していない。なぜなのか考えたい。



連載 日本人はいかに弔われてきたのか〔12〕
「伊勢神宮を見下ろす朝熊山になぜ死者の卒塔婆供養林があるのか」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

人は死んでも魂は望めば我々の世界に帰ってくるという考えが、いつの頃からか我々の死生観になっている。しかし中世はそうではなかった。神話上、天皇の血脈のもとである天照大神と仏教の関係を見るなかでも、それが分かるという。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔46〕
「各国が自国ファーストを唱える今、世界が最も渇望する思想とは」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
荻野アンナ (作家、慶應義塾大学教授) … 「里山伏になったわけ」
原田宗典 (作家) … 「お墓参りは、いい。」


 新刊大人気! 
 本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい!



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔29〕
「御朱印のマナー違反が多発するのは悪いことばかりではない」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

平成の終わりから令和の初めにかけて寺社の御朱印が一段と注目されるようになり、参詣者との間でトラブルも起きたと報道された。こうしたことをお寺はいかに受け止めるべきか。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔27〕
「人々に安心を届ける役目が僧侶にあると確信しているからこそ…」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔100〕
「釈迦族を滅ぼさんと進軍したコーサラ国王に釈尊が説いた話」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 既刊好評! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第3巻―なぜお釈迦さまのインドに差別がなくならないのか(本体価格2,400円)がたちまち大絶賛! 第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。また既刊の第1巻、第2巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第1巻は王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。



[ショートルポ]
●平和都市宣言したのに平和の鐘を突然廃止する逆行――滋賀県大津市の熱中症対策と大津市仏教会の憤慨
●黄檗宗大本山萬福寺での修行僧の喧嘩が暴行事件にされたのは怪文書のせいか
●東京の真言宗智山派寺院の境内の地中から人骨多数と墓碑が発掘されたのは行政問題か




[法律・税金相談]
法律相談… 伯母治之(弁護士)・ 野田俊之(弁護士)
質問1 政府が進める「働き方改革」はお寺で働く者も対象にする法律ですか
質問2 寺院の境外地を公告もせず宗派の承認も受けずに賃貸した行為は無効ですか

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 寺有地の低廉な賃貸で非課税のはずがなぜか借地人のせいで課税とされてしまった
質問2 寺院と住職と葬儀社で非営利型の一般社団法人を設立した際にどんな税務がありますか






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔8〕
 
「20カ寺30日間のフェスを実施した目的」
松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)対論…大場唯央(静岡県・日蓮宗大慶寺副住職)

「有名人を呼んで打ち上げ花火的にしても末端寺院は駆り出されるだけなので、実施後に意味があるようにしたかった」


 本当の創価学会問題〔92〕
 
「水と油のような共産党と創価学会が協定を結んだり盗聴したりするのはなぜか」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔75〕
 
「これからの遺体遺骨はどうすればいいか」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔60〕
 「寺院も遵守すべき消費者契約法」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 色即是空の科学事始め〔159〕
 
 「二刀流大谷選手にエールを――どの分野にも共通する効率性第一主義の時代に」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 霊験尊し尊像ミステリー〔19〕
 「人の願望が重なるビリケン御利益」
  本田不二雄
(フリーライター)


 臨終医しか知らない大事な話〔8〕
 「世界も日本も自宅で亡くなる人が減っている」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔70〕
 
「日本人と現代仏教の位相(70)――近代日本仏教者の社会福祉活動(8)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔110〕
 「中東に生きる女性たちが閉ざされた社会を変えようとしている」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 住職のための今月のことば
 
「科学コミュ論」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。



 古今東西名著万巻のススメ〔81〕
 「梅原猛述『医学と生命』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔47〕
 「お囃子をコミュニティの中心に」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 スピリチュアルケア講座〔120・最終回〕
 「歌のスピリチュアリティ」
  井上ウィマラ
(健康科学大学教授)
 新刊案内 
 本欄連載を元にした単行本、井上ウィマラ著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』を9月に発刊します! 詳細は次号にご案内します。



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔51〕
 「超音波で診た医者にペチャンコと言われてしまった!」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 新刊刊行 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、はや大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。



 お説教のタネ本「ものすごくつまらない人に共通する16の特徴」


 在俗の説法者〔205〕 「優しい親心がなぜ悪い」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔109〕 「不発爆弾の声なき声」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 すぐ使える法話セミナー〔28〕 「耐え難きを耐え…」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔248〕 「神様は乗り越えられない試練は与えない。自分に乗り越えられない壁はない」
  田中治郎
(文筆家・仏教塾「柏樹庵」主宰)


 いまどきマンガ説法〔85〕 「食堂」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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