12月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2019年12月号の主な内容 (Vol.545)

[今月号の特集]

寺院発のSNSが被災者支援という善意を結集させた画期的事実
多くの河川を決壊させた台風19号による被害の最中、お寺にとってもきわめて重大なことが展開されていた。断水の上に行政からの食料支援も受けられない被災地に全国から物資が寄せられたのは、なんとお寺のフェイスブックが発端となったのだ。自坊を空けられない住職が編み出した寺院発SNSリレーもすごかった。


護持会費や墓地使用料、管理料などを未納滞納する檀家をどうするか!?
お寺を管理運営する上での必要経費に、護持会費や墓地管理費として檀信徒に負担金を依頼している向きは多い。だが未納や滞納する檀信徒もおり、催促しても無視される困ったケースもあると聞く。義務を果たさぬ檀家への対処法と法的措置を取材した。


宗派の共済金規程を違法だと提訴した僧侶に各宗派が憂慮すること
住職や宗派に所属する僧侶、寺族たちの生活をわずかでも扶助しようと各宗派はそれぞれ共済制度を設けて会費を徴収している。ところがこれに違法性があると浄土宗が訴えられたのだ。原告の僧侶は納めた会費の返還を求めているが、各宗派の共済会は解約条項をどう規定しているのか。多くの宗派にかかわる裁判を取材した。



宗教法人法の改正で寺院にはどんな影響があるのか
この9月、宗教法人法が改正された。宗派規則にも一般の寺院規則にもかかわる改正だ。規則に「成年被後見人」とか「禁治産者」といった記載があればなおさらである。それはなぜか。



犯罪者や非行少年に寄り添う保護司の住職たちが心痛める現代社会の歪み
刑期を済ませて外に出てからが本当の務めだといわれる。それでも再犯率は高く、また世間の風は厳しい。とくに薬物犯罪の場合は更生も並大抵ではない。そうした彼らに慈悲深く向き合う保護司住職の目に今の社会はどう映るのか。10年以上保護司を続ける真言宗智山派、日蓮宗、天台宗の住職たちに取材した。



お寺も町も対話の力で活性化すると住職が始めた新たな布教
お寺や地域を活性化させるためには「対話」が必要だ。そんな思いから宗門内外で活躍している静岡県の真宗大谷派住職がいる。子供からお年寄りまで惹きつける注目すべきコミュニケーション手法に学ぼう。



引きこもりの若者にも農業で生きる喜びを教える住職の道心
「ああ、この住職に出会えてよかった」と出会いの縁に感謝する若者が多い。引きこもりや人生に悩んだ末、彼らがお寺でなんと野菜作りを教えてもらったのが、岐阜県の浄土真宗本願寺派住職だ。NPO法人を主宰する住職の歩みを取材した。



僧侶漫才グランプリのお笑い説法を誌上中継〔2〕
前号に引き続き、札幌市の寺院で開催された「漫才法話んグランプリ」で、満堂の観客を大いに沸かせた僧侶コンビのネタをそのままに再現しよう。テンポのいい掛け合いには、幅広い観客を相手に仏教を分かりやすく伝えるための創意が満ち溢れている。



特別寄稿 過疎地の寺院が吸収合併に至った理由と重い課題…南原一貴(曹洞宗総合研究センター副主任研究員)
「曹洞宗における寺院の合併・解散の実態より」

経営困窮化寺院がどの宗派でも顕在化している。もとより、それでも寺院を支える住職や寺族は少なくない。しかし人口減少時代を控えて近隣寺院との合併を選び自坊を解散するケースも増えている。その実際を曹洞宗の例から見よう。



集中連載 寺院永代供養墓のための社会学的考察(1)…辻井敦大(日本学術振興会特別研究員/宗教社会学者)
「永代供養墓の増加は寺院と檀信徒の関係にどのような影響を与えるか」

都市部だけでなく人口減少地域の寺院でも永代供養墓が増えているという。「家」単位でも個人単位でもない、多くの人々が利用する永代供養墓だが、その増加の理由は何なのか。そしてこの状況は寺院と檀信徒との関係にいかなる変化をもたらすのだろうか。



農学博士のベストセラー…生き物たちのすごい生と死を法話に生かそう!
身近にいる小さな生物たちにもちゃんとした一生があることが分かり、感動さえ覚える本が話題になっている。静岡大学農学部の稲垣栄洋教授が著した『生き物の死にざま』だ。セミやミツバチなど29種の動物たちの死にざまに注目したベストセラーのエッセイに学ぶ。



新連載 認知症高齢者と共に歩む僧侶如実記〔3〕…日髙明(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)
「認知症でも本堂に入ると思わず手を合わせる行為には何が?」



葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔8〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
「忌明け法要が葬儀当日に行われているのはなぜか」

死者儀礼がどんどん葬儀当日に繰り上げられている現象を見ている。その繰り上げられ方は東京方面よりむしろ地方の方が早い。それはなぜなのか。忌明け法要や初月忌や四十九日法要などの傾向から見えてくるものは何か。



連載 日本人はいかに弔われてきたのか〔16〕
「江戸時代に日本人の死生観が劇的に変化したのが分かる幽霊文化」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

境内に墓地をもたなかった中世以前の寺院に対し、近世の寺院は本堂と墓地がワンセットで造られているところに特色があるという。今も信じられている死者がいつまでも身近な場所に留まるという信仰は、日本人の伝統ではなかった。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔50〕
「この国の治水のやり方はもう根本から考え直さなくてはならない」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
森政弘 (東京工業大学名誉教授/日本ロボット学会名誉会長) … 「ロボコンは仏教から生まれた」
中島岳志 (東京工業大学教授) … 「死者との共生」


 絶賛大人気! 
本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい!



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔33〕
「品質のよい墓石が売れれば石材業界は元気になるという勘違い」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

寺院と墓石などを通じて縁のある石材業界だが、景気はかなり落ち込んでいる。一方の寺院も葬儀法事の簡略化傾向にある。この双方に共通することがあるという。それは何か。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔30〕
「過疎でお寺も神社も何もかも共倒れしていくのはなぜか」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔104〕
「三宝への絶対的浄信を持つと何が得られると釈尊は説いたか」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 大増刷! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第1巻―お釈迦さまはなぜ出家し、いかに覚ったか(本体価格2,400円)を大増刷しました。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。大増刷ロングセラーです。また既刊の第2巻、第3巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔45〕
「障害者自身はどんな暮らし方がいいと望んでいるのだろうか」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

日本ではグループホームこそが知的障害者の地域生活であると多くの福祉関係者や家族は思ってきた。ところが、イギリスでは「自由がはく奪されている恐れがある」場だという。



[ショートルポ]
●台風19号でまたも関東甲信越東北まで500カ寺以上が断水や河川の氾濫や暴風の被害に遭った
●滋賀県の門跡寺院で起きた出家に非ざる代表役員による僧侶破門をめぐる裁判に司法判断




[法律・税金相談]
法律相談… 伯母治之(弁護士)・本間久雄(弁護士)
質問1 真夏の施餓鬼法要に参詣した檀家が熱中症で亡くなった際のお寺の責任
質問2 市会議員が総代や役員ゆえ公表しないが本堂の修復へ寄付をしたのは問題か

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 消費税の増税が寺院に与える影響と「キャッシュレスポイント還元制度」との関係とは
質問2 住職や副住職が退任して退職金を支給する際に退職金と認められる税務上の取り扱い方






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔12〕
 
「過疎の宿坊として脚光を浴びる住職に習う」
松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)対論…宗元英敏(鳥取県浄土真宗本願寺派光澤寺住職/やずブータン村代表)



 本当の創価学会問題〔96〕
 
「母体の教団の教えにも公明党の党是にも反してさえ自民党に擦り寄った真の狙いは何か」
  段勲
(ジャーナリスト)


 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔78〕
 
「安楽死や尊厳死を自己決定権とする問題」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 色即是空の科学事始め〔163〕
 
 「消費税10%に問題がある訳――本来は食料品にかけるべきではなかった」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。



 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔198〕
 「お寺に鍵をかけることについて考えたけれども…」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 臨終医しか知らない大事な話〔12〕
 「患者にとってナチュラルコースが本当に幸せなのか」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔73〕
 
「日本人と現代仏教の位相(73)――近代日本仏教者の社会福祉活動(11)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔114〕
 「トランプがテロ対策だとして包囲網を画策するイランのこれから」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 古今東西名著万巻のススメ〔83〕
 「夏目漱石著『門』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔51〕
 「祭りと野生動物との共生を」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 新刊刊行 
本欄掲載を元にした、井上ウィマラ(日本仏教心理学会会長)著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』(本体価格2200円)がたちまち大好評です! 家族の問題や肉親の死に心をいためる人々をケアする人にこそ救いが必要な現代、臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者による事実に即したケアの方法と効果を記す厳選50話。僧侶やカウンセラー、看護介護者、ケアワーカー、セラピストなどの専門職にこそ必読の実践書。



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔55〕
 「新寺建立の第一歩! それでおみくじをいただきました」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 新刊刊行 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。



 お説教のタネ本「日本ラグビーを今日に導いた名キャプテンのホンネ」


 在俗の説法者〔209〕 「わたしたちのまさか」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集~第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔113〕 「常に仏はわが背後に」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 住職のための今月のことば
 
「免許返納と自動車文明」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。



 すぐ使える法話セミナー〔32〕 「山の話を説法に」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。



 法語伝道聖句三昧〔252〕 「親が勉強している姿を見せなければ、子供は勉強しません。(学習塾の教師)」
  渡邉照敬
(真言宗智山派住職)


 いまどきマンガ説法〔89〕 「地獄の沙汰」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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