[月刊『寺門興隆』 2010年3月号より転載]
五来重著作集 全十二巻と別巻 法藏館 全巻揃い 115290円
仏教民俗学研究の先駆者である五来重の著作集全十二巻の配本が完結。収載内容は日本仏教民俗学の構築.聖の系譜と庶民仏教。日本人の死生観と葬墓史.修験道.木食遊行聖など多彩。
宗教の根本疑点について 鈴木大拙著 大東出版社 1575円
禅学者・鈴木大拙に対し、大東出版社創業者の岩野真雄が仏教思想の現代的解釈について問うたインタビュー集の新版。 「信仰の現われるところ」他。
ユング心理学と仏教 河合隼雄著・河合俊雄編 岩波書店 1050円
日本を代表する心理学者がユング派の分析を通じて見つけたものは仏教の力だった―。心理療法と仏教の関わりについて論じる。 「心理療法における個人的・非個人的関係」他。文庫判。
生物学者と仏教学者 七つの対論 ウェッジ 1470円
国立遺伝学研究所教授の斎藤成也と仏教学者・佐々木閑が「生と死」「科学と宗教における絶対的存在」「意識と無意識」などをテーマに科学と宗教の接点を、互いの知見から語る対談集。
一冊でわかる!「仏教」って何? 三田誠広著 講談社 879円
お経はユーモアやウイットにあふれている、と芥川賞作家が解説する入門書。『法華経』『維摩経』『般若心経』『浄土三部経』が易しく説かれる。新書判。
東アジアの儒学経典とその解釈 黄俊傑著 ぺりかん社 2940円
仏教伝播に縁の深い儒学。台湾の歴史学の第一人者が、中国・日本・韓国における儒学経典の解釈と、その差異を明らかにする。翻訳は藤井倫明。
新・井沢式日本史集中講座 「鎌倉新仏教」編 徳間書店 1575円
鎌倉新仏教から本来の仏教を引くと日本文化の特異性が分かる? 『逆説の日本史』などで知られる推理作家・井沢元彦が日本仏教の姿を読み解く。
ヘタな人生論より空海のことば 池口惠観著 河出書房新社 1575円
プロ野球選手から政治家まで全国に幅広い信者をもつ鹿児島県の高野山真言宗最福寺住職が、「自己変革をいかに成就するか」をテーマに語る法話集。
奈良・薬師寺から学ぶもてなしの心 安田奘基他著 中経出版 1365円
縁結びの場にお寺を提供するなど、門戸を広げる奈良・薬師寺の録事が仏教の教えに基づくもてなしの心を接遇マナー講師・中尾恵子と共に綴る。
葬式は、要らない 島田裕巳著 幻冬舎 777円
日本人の葬儀費用の平均額は諸外国に比べると格段に「高い」という。その原因と日本人の死生観の変遷を本誌連載の宗教学者が考察する。新書判。
「阿修羅像」の真実 長部日出雄著 文藝春秋 819円
昨年、全国で百六十万人を動員した奈良・興福寺の阿修羅像。人を惹き付けてやまない。その面差しのモデルとなった女帝の生涯が辿られる。新書判。
宗教歳時記 五来重著 角川学芸出版 980円
正月に鏡餅を供える訳、雛祭りや端午の節句、お月見の起源など、日本人に馴染み深い年中行事と仏教の関係を解き明かした名著が文庫版になった。
渡る世間は神仏ばかり 吉田さらさ著 新宿書房 1890円
お寺をこよなく愛し、「日本唯一のテラタビスト(寺旅研究家)」を名のるライターが寺旅の真髄を綴るエッセイ。「寺旅のコツは『家族に乾杯方式』である」「鎌倉は臨死体験の街」など。
民主主義と宗教 マルセル・ゴーシェ著 トランスビュー 2940円
学校においてイスラム教徒のベールを禁じるなど政教分離を唱えるフランス国家で民主主義は危機に陥っている。その背景と将来をフランスの哲学者が考察する。翻訳は伊達聖伸・藤田尚志。
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