[月刊『寺門興隆』 2013年11月号より転載]

中国佛教史研究 隋唐佛教への視角 藤善眞澄著 法藏館 13000円
隋唐時代の中国仏教とはどんな制度を持ち、政治・文化にかかわっていたのか。講経斎会の様子、唐代文人の宗教観、曇鸞教団や不空教団など様々な側面から解明が試みられた研究論考。



日常語訳 ダンマパダ 今枝由郎訳 トランスビュー 1200円
副題は「ブッダの〈真理の言葉〉」。古より仏教徒に広く読まれてきた423の詩から成る『ダンマパダ(法句経)』を平易な日本語に訳したもの。



中近世日本における韻書受容の研究 中澤信幸著 おうふう 12000円
韻書とは中国の音韻関係の書物。中世の法華経字音学の実態から文字と音の受容過程に迫る研究。「法華経字音学における伝統音と韻書の実際」「日遠の声調と清濁卓立表示について」他。



近世妙心寺建築の研究 平井俊行著 思文閣出版 9500円
京都・臨済宗妙心寺派大本山妙心寺の個々の建築物はいかなる時代変化を経て現存するのか。文化財の修理技術者として妙心寺の建築物の保存修理に携わってきた著者による研究成果。



大乗仏教のこころ 竹村牧男著 大東出版社 2900円
著者は東洋大学学長。大乗仏教が描く〝仏と人間の関係?という視点から、仏教と社会のあり方、生き方が考察される。「仏教と倫理を考える」など。



日本仏教の医療史 新村拓著 法政大学出版局 3300円
病苦に日本仏教はいかに向き合ってきたか。仏教の病因論から看取りのあり方、祈?や護符、明治の医療政策まで古代から近世までのわが国の仏教医療史を概説。「沢庵と白隠の医学」他。



白山信仰の謎と被差別部落 前田速夫著 河出書房新社 2000円
山岳信仰である白山信仰と白山神社の変遷を、中世北陸の宗教風土や時宗との対立・融合といった歴史、民俗学の視点から辿る。あわせて白山神社と被差別問題とのかかわりを論証する。



戦前期仏教社会事業の研究 中西直樹他著 不二出版 2500円
戦前に仏教各派、寺院、僧侶が行った社会事業をまとめた全十三巻の『戦前期仏教社会事業資料集成』(既刊)の収録内容一覧を一冊にまとめたもの。



親鸞と葬送民俗 岸田緑渓著 湘南社 2800円
無墓制、墓上植樹など真宗に特徴的な葬送・墓制民俗について様々な事例から習合問題を解明しようとしたもの。「女性だけが焼香する内葬礼」「『骨噛み』は真宗地帯にもあった」他。



ほとけを造った人びと 根立研介著 吉川弘文館 1800円
日本の仏像は誰に、どのように造られてきたのか。止利仏師から運慶・快慶まで、仏師の系譜と仏像の変遷、知られざる工房生活が浮き彫りにされる。



アップデートする仏教 藤田一照・山下良道著 幻冬舎 880円
海外に飛び出して禅や瞑想の指導を行ってきた僧侶二人が、世界の仏教最前線と新たな仏教の姿を論じたもの。「修行を支えるサポート体制」など。



弘法大師を歩く 近藤堯寛著 宝島社 800円
著者は高野山の高野山真言宗櫻池院住職。四国八十八カ所から中国まで弘法大師の足跡を辿り、その思想を追体験した法話集。「中国への派遣団」他。



禅と食 「生きる」を整える 枡野俊明著 小学館 1400円
日々の食への向き合い方は健康のみならず人間関係や生き方にもつながる。庭園デザイナーでもある横浜市曹洞宗建功寺住職による禅的食生活の指南書。



禅に学ぶ家族に想いを伝えるエンディングノート 角川書店 1200円
著者は長野県の臨済宗妙心寺派長昌寺の田口誠道住職。住職と行政書士という二足の草鞋で培ってきた経験を生かしたユニークなエンディングノート。



仏教シネマ 釈徹宗・秋田光彦著 文藝春秋 590円
元映画プロデューサーの浄土宗住職と宗教学者でもある浄土真宗本願寺派住職が、映画の中の生老病死について縦横無尽に語り合った対談集。文庫判。



富士曼荼羅の世界 みんなの富士山学会編 日本地域社会研究所 1700円
「奇跡のパワスポ大巡礼の旅」が副題。古より富士講など巡礼の聖地とされてきた霊峰・富士山。その宗教的魅力や巡り方を紹介するガイドブック。



まんがで読破 立正安国論 イースト・プレス 552円
法華経を広めることが国土の安穏につながると説いた文応元(1260)年成立の日蓮の『立正安国論』を子供にも分かりやすく漫画化したもの。



宗教と学校 橘木俊詔著 河出書房新社 1300円
〝無宗教?といわれる日本人が仏教系大学やキリスト教系の大学を好むのはなぜか。同志社大学経済学部教授による日本の宗教教育と宗教観の考察。





Copyright (C) 2006-2013 kohzansha. All Rights Reserved.